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ゾム「……ハッ!」
勢いよく飛び上がる。
冷や汗が止まらない。
俺が呼吸を整えていると
隣から大きな声がした。
「大丈夫か?!」
ゾム「……コネシマ…?」
声の方を向くとコネシマが座っていた。
表情は焦っていて、行動も慌てふためいている。
コネシマ「大丈夫か!?何があったんや!? 敵襲か?!!」
彼の行動に何故か後ろめたさを感じる。
ゾム「な、なんもないで!俺、最近貧血気味やってん、やからやと思うわ。すまんな騒がせてもうて」
コネシマ「ほんまか? 」
「…なら、ここで暫く安静にしとき俺も
一緒にいといたるわ」
いやだ、このまま誰かと居なくない。
ゾム「いや、い、いっぱい寝れたからだいぶ良くなったわ、心配かけたな」
コネシマを横目にベッドから起き上がる。
コネシマ「ちょっ…!」
コネシマの制止を振り切り、
振り返ることなく医務室から出ていった。
ーゾムの部屋ー
ゾム「…ッ……」
部屋に入るなりその場でしゃがみこむ。
(悪いことしたな…)
酷いことをしたと感じながら頭は倒れたときのことを考えていた。
今でも聞こえるあいつらの声
耳の後ろで話すような感覚。
最近は夢にも出るせいでよく眠れない。
たまにグルッペン達と入れ替わって出てくることもある。
(そんな奴らやないって分かっとる…はずやのに…)
毎度夢を見る事に不安が募る。
日常では
ユタイズなのか孤児なのかそれとも両方か
誰かに会うたびにそう考えがよぎってしまう。
このままではいけない、と何度も思うが
消えてくれない。
ゾム(今思うとトントンに怖い夢を見たって行ったのは進歩やったな…)
でもそれもきっともうできない。
自責の念にも駆られながら寝る支度をした
~翌日~
頭痛をかかえながら食堂へ向かう。
今日もよく眠れなかった。
欠伸をしながら歩いていると口の中に手を突っ込まれそうになった。
後ろに後退し、俺がびっくりしていると
目の前の男は笑いながら悔しそうにしている。
ゾム「シャオロンなんや急に」
シャオロンはニカッと笑い、「口開けて歩いとる方が悪い」と言ってきた。
相変わらず悪戯がすぎる奴だ。
(やっぱり油断ならないな…)
でもどこかホッとしている自分もいることに気がついた。
何故だろう
すぐに理由は思い付いた。
心が暖かさに包まれる。
「なんやお前ら、そこでつっ立ってないでさっさと食堂行かんか 」
後ろからトントンの声がする。
シャオロン「あれれ~?トントンさん今日は遅くないっすか~?もしかして~…w」
トントンがシャオロンに拳骨する。
トントン「そんなわけあるか
俺は毎日5時に起きとんのやぞ」
トントンが先を進む。
シャオロンはその後を笑いながらついていく。
この光景も俺を安堵させてくれた。
トントン「どうしたゾム?置いていくぞ」
トントンは歩みを止め、振り返える。
ゾム「なんでもない。はやく行こうぜ!」
2人を追い抜き、走って食堂へ向かう。
シャオロン「お!いいな勝負か?笑」
シャオロンは走って追いかけてくる。
トントン「おいお前ら走るな!」
トントンは怒りながら歩いてくる。
3人で仲良くしてる。
友達、仲間みたいで楽しいと感じた。
俺はこの関係を噛み締めながら食堂へ走る
食堂へ着くとほとんどのメンバーは揃っていて残りは定番のメンバーだけだった。
空いてる席に向かう最中コネシマと目が合う。
昨日の罪悪感で視線をそらしてしまう。
コネシマは捨てられた子犬のような目で見てきていた。
(何やってるんやろう俺…)
それでも無視し、2人の間に気まずい空気が流れた。