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~食堂~
皆が揃うまで自分の席について合図を待つ。
俺はコネシマとは気まずくて下を向く。
コネシマはこちらをチラチラ見ながら無言で座っていた。
異変に気づいた
他のメンバーが各々の話を止め、こちらに視線を向けてきたのを感じる。
トントン「どうしたんやお前ら」
身体がビクッとなった。
その言葉で更に気まずさが増す。
何か言わなければ…!
口を開くが、声を出したのはコネシマの方が早かった。
コネシマ「トントン達は気にせんでええで!」
コネシマ「なんや…俺がゾムに何かやらかしてもうたみたいや笑」
コネシマはいつもの明るい笑顔で言う。
けれどどこか無理をしているように見える
(コイツ皆に話しとらんのか?)
シャオロン「お~ゾム何されたん?」
「あいつの頭地面につけて土下座させるか?笑」
隣に座っていたシャオロンが肩に手を掛け話しかけてくる。
ゾム「…ぃ…やっ!」
俺は喉に詰まって言葉が出なかった。
シャオロン「な、なにされたん?」
俺の返答に
シャオロンは引いた顔で、そして少し困ったような顔をする。
ゾム「っな…にも…悪いのは、俺なんや…」
予想外の展開と、後ろめたさが相まって
喉が締まり、か細い声しか出なかった
これではうまく伝えられないと焦るほど声が出なくなる。
シャオロンはトントンや他の人に目配せして戸惑っていた。
ふと視線を逸らすと
グルッペンと目が合う。
グルッペン「お前ら2人とも後で会議室へ来い。」
そう言うと
次にグルッペンはさっさと食事の挨拶を始めてその場を流した。
っ…咎められてまう…。
重みが漂う空気の中、皆で食事を摂った。
~会議室~
2人で無言で会議室の前まで来る。
グルッペン「来たか」
そう言って俺ら2人を出迎えるグルッペン
俺らは中へ入って
何を言われるのかと身構える。
グルッペンはゆっくり歩きながら近づいてきた。
グルッペン「では、ここで2人で話し合うといい」
ゾム「は?」
そう言うとグルッペンは俺らを残して出ていってしまった。
その言葉に拍子抜けしてドアを眺めてしまう。
ハッと我に返ると
コネシマと目が合い、またピンと緊張の糸が張る。
(どうすればええんや…)
お互い中々切り出せず、室内は静寂に包まれる。
先に口を開いたのはコネシマだった。
コネシマ「昨日は、なんや…不愉快にさせてしもうたみたいで……すまんかった。」
コネシマはシュンとした顔でこちらに気を遣う素振りを見せる。
その表情はとても俺の心を痛めた。
違う!悪いのは俺や!
そう思うのにまた声が出ない。
もしかしたら俺のこの身勝手な行動で相手を幻滅させているのかもしれない。
この行動のせいでこの軍を敵に回してしまうかもしれない。
あらゆる考えが脳をよぎって言葉を遮る。
怖い。そう思った。
今までこんな感情持つことは無かったのに
コネシマ「俺のこと嫌ってるのは分かったけど理由だけでも聞かせてくれへんか?」
「俺はゾムと仲良くしたかったんや…」
悲しそうな顔をして俺の顔を覗き込む。
ゾム「違う!!嫌いやない!!!」
やっと声が出た。
が、その声はとても大きく、 コネシマを驚かせる。
ゾム「あ…その……」
急に大声を出したことで
情緒が不安定な奴やともう嫌われてしまったかもしれない。
また焦りで言葉が詰まる。
が、ここで言葉を絶やしてはならない。と
直感で感じ、一生懸命言葉を絞り出す。
ゾム)
「お、俺が暗殺者やっとったこと知っとるやろ?」
「その頃の名残りで人を疑ってしまう癖があるから…本当に仲間や思っとっても警戒してまうんや」
「最近は、お前らに嫌われてしまったかもって疑ってもうていつか捨てられてしまうんやないかって、毎日怖い。」
「やから、悪いのはコネシマやなくて俺や謝らんとアカンのは俺なんや…すまなかったコネシマ」(頭を下げる
長々と言葉を連ねた
正直、 できるだけ言葉を紡ごうとしているため、自分でも何を話しているのか分かっていない。
嘘をつこうとか、相手に取り繕うなんて考えはどこにもなかった。
ただ、こいつらには誤解されたくないその一心だった。
頭の中をぐるぐる働かせながら
下げた頭を恐る恐る上げる。
コネシマは拍子抜けした顔をしていて、目が合うとニカッと笑った。
コネシマ「そうかそうか!」
「嫌われてるわけではなかったんやな! 」
「よかったわ!」
コネシマは俺の肩に手を乗せた。
俺は嫌いではないのかと尋ねる。
コネシマ)
「そんなわけないやろ!過去のトラウマはそう簡単に消えるもんやないし」
「俺を仲間やと認識してくれてるって言ってもらってんのに嫌いにならへんよ!もとよりお前のこと嫌いやないし」
コネシマはニコニコの笑顔で返してくれた
心が軽くなるのを感じる。
その時、
キィ…と音が鳴り、ドアが開いた。
そこから出てきたのはグルッペンだった。
「終わったな。」そう言って入ってくる。
後ろには他の幹部も居た。(鬱軍団以外)
シャオロン「ゾム…お前、そうやったんやな」
「俺も気づけてへんかった、すまん」
他の幹部も皆、口々に謝罪をしてくる。
(トントンを除いて)
ゾム「皆、俺のこと嫌いやないん?」
シャオロン「なに言うてんねん!嫌いやったらソッコー無視しとるし相手せえへんよ」
同様の言葉がまた口々に聞こえる。
とても嬉しいと感じる。
仲間ってこういう奴らのことなんやな
バかにしたり、されたり、暴言もだいぶあるけど…前とは比べられない程に充実している。
俺、この軍に居れて幸せやわ…//
心が満たされるのを感じた。
ーグルッペン視点ー
コネシマとゾムの会話が終わったタイミングで皆で突撃した。
皆に囲まれてゾムは嬉しそうにしている。
俺の心はホッとしていた。
胸がジワぁッと温もりに染まる。
ゾムがまだトラウマを抱えて苦しんでいることは知っていた。
コネシマとのこの件はそれが絡んでいるのだろうと思っていた。
けれど俺には足を踏み入れることができなかった。
ゾムは自分で解決した。
ゾムは成長したんだと感嘆し、感動する。
昔は仲間に嫌われることを気にしていたのに仲間に裏切られることを気にしていた。
これは紛れもない進歩だ。
ゾムの心境の変化に感動を覚える。
トントンは皆の後ろで聖母にでもなったかのような目で嬉しそうにしていた。
そうなるよな…と同様の目をまたゾムに向ける。
これで更に他の幹部達はゾムに絡むようになるだろう。
鬱軍団はしばらく会えないだろうが
きっとあいつらと会っても同じように接するようになっているはずだ。
コイツらを仲間にできて良かった。
口悪いし、うるさいし、文句をたらたら言って来るような奴らだが
根は優しく、欲望に貪欲な奴らだ。
きっとこれからも我々の軍を活気づけてくれるだろう。
先の未来に希望を抱き、将来を見据えて光達を見た。
~fin~
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ここまで30話、ご拝読いただきありがとうございました。( _ _)/_ペコリ
皆さんがくれるイイネやコメントで続きをかく元気をいただいていました!
これからも色々お話をかいていけたらと思っておりますので是非、「あ、更新してる」程度でお付き合いください。m(_ _)m
では、どこかの世界でお会いしましょう!
バイバイ(^o^)/