テラーノベル
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ゆああ@男化
45
「アウラー:チェックメイト。」
チェス盤の駒が動かされ、アウラーは笑みを浮かべた。
『ガイ:ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁぁぁ!!!クソっ!やってられるかぁ!』
ビビイイィーーガッガッ…
チェス盤がガイにぶん殴られ電子音を吐きながら跳ねていった。
「アウラー:ガイ。それは愚者のやることだぞ。チェス盤が勿体ない」
『ガイ:全部VRの中だぞ!ゲームの中でゲームしてらんねえよ』
飛行船、愛称:インデ•ペンデンス号はあれから南へと数時間に掛けて飛んでいた。
通常PVPVRでは飛行はできない。ケープがなければプレイヤーは持続的に飛行できない。
この船はピストンとショートカットの力で動いてるらしい。
『ガイ:いい加減どこに向かってるか教えてくれねぇかなぁ…あれこれ2時間は飛んでるぞ…』
「アウラー:まだまだお楽しみだ。
ヒントは倉庫だ。」
アウラーは絶妙に答えを出さなかった。
チェス盤を置いていたテーブルを退け、アウラーはエレベーターらしき物の前で指を鳴らした。
『ピン♪。ようこそ、ボス』
『ガイ:イイッ?!マジかよ…それボットか…?』
「アウラー:MODとツールを利用した人工知能だ。インデ•ペンデンスの管理を任せている」
アウラーは平然と言葉を溢し、ガイをエレベーターへと引っ張り戸は閉じた
『今日は何階へ?』
「アウラー:コイツにルームツアーをさせる。最下層に止めてくれ」
ガッガッ…ガッ…チッン♪
『最下層。農林エリアに到着』
飛行船の最下層にはエンジンルームが存在しているかと思われたが…ここには見事な麦畑と奥には立派な植林場があった。
アウラーは自動栽培機と回収用ホッパーを見せ、案内した。
ガーガーガッガッ……
エレベーターの矢印は5階から最上階に向かっていた。
『ガイ:化け物か…畑に丸石製造機(巨大版)に食堂に、倉庫に…挙句の果てにはサウナまで…』
『ボス。運航ルート内に積乱雲を検知しました。自然現象がループを逸脱しています』
「アウラー:私達がログアウトできないんだ。それぐらいどうってことないだろう。再調整しておけ。錨の準備も」
『はい』─ピン─
最上階は巨大なドーム状の天井にプラネタリウムの様に星屑が雑把に広がっていた。
様々なデータを表示するモニターがそこら中に置かれていた。
『ガイ:ここは……ブリッジってとこか?』
「アウラー:船長室だ。」
『カッコつけるな。』
「もちろん」
ピン♪
『ボス。進行ルートに敵対反応。』
「アウラー:ぁぁ…アイツラか。」
『ガイ:なに?』
アウラーは慌ただしく、中央に繋がれていた中ぐらいの椅子に座ると表示されたホログラム画面を見ながら指示を出し始めた。
それもコードの羅列だったが…
『ガイ:?????』
「アウラー:よし。敵対反応スキャン」
『現スキャン範囲では確認できませんでした。一旦撃退したでしょう』
「アウラー:よくやったガイ。」
アウラーはこの肩を叩く。
『ガイ:はぁ…』
「アウラー:良く邪魔しなかった。おかげでセキュリティガーディアンズ
を撃退できた」
『ガイ:……バカにしてんのか?』
『ボス!]
「アウラー:ボスボス言うな!H.P.言っただろう…一度に報告しろ。」
『ボス。私は先ほど応答していません。誰とおしゃべりを?』
「アウラー:?!」
アウラーは椅子から転げ落ちるように疾走し、スキャナーの表が映るモニターを見た
『ガイ:おいおいおい!!!』
『ガイ:なにかが天井を叩いているぞ!おい!』
「アウラー:ヘルパー!ヘルパー!」
『ボスザッ…通信崩壊…ザッ…妨害…EMpppp──プツン。プープー─通信が遮断されました。もう一度かけ直して──』
「アウラー:ガイ!手動で錨を下ろせ!時間がない!」
『ガイ:なっ、なんだって?はぁっ?!』
アウラーは慌てて椅子に座り、激しくホログラムを操作し始める。
ガッ!ドガァァン!!
それと同時に外の砲台が操作され天井を叩いていたドローンが吹き飛んだ。
『ガイ:入り口か!?入り口のレバーを下ろせばいいんだなぁ!』
ガイは全力で疾走を始めた。
階段を下がっていった…
「アウラー:錨だ!そうだ!だがレバーは下ろすな!イオン式魔力爆弾が落ちるぞ!」
───その時には既にガイはレバーを下ろしていた。
『⚠DANGER⚠』
『下ろすなキケン』
『緊急時のみ』
『⚠Fire•”Only”•NO⚠』
『⚠sugokuabnaizoi⚠』
『ガイ:オッロァァァ!!!』
ガシャァァン!!!ポワァーン!ポワァーン!
イオン爆弾投下。イオン爆弾投下──
⚠操縦者は爆風遮断チャンバーへ──
既にガイは安全地帯(ドアを閉めた通路)にいた。
──ヒュウウウウウーーー……………
────────────────────
カァァァァィンンン!!!
『ボス。通信妨害から復旧。お帰りなさいませ』
「アウラー:会えて嬉しいぞ。早速戦闘操作を代わってくれ。」
『その必要はないようです。』
「アウラー:何故だ?今真っ先に襲われて─」
ドームの向こうでは綺麗な青い煙が上がっている。
──爆風だ
『誰かさんがイオン式魔力爆弾を落としました』
「マジか……。」
ピイイイーーピイイイ!!!ピイイイーー!!
『リアクターが落ちました。飛行を継続できません。』
『アウラー:落ち着いて話すな!もっとはっきりと言え!』
一方張本人は通路をのんびりと歩いていた。
自動ドアが開かないことに疑問を感じながら…
「アウラー:クソっ!クソっ!あらゆる設備がダウンしている!不時着してしまう!」
『安心してください、ボス。インデ•ペンデンスは早々に壊れません』
アウラーは壊れたホログラム画面から目を逸らし椅子にもたれ掛かる。
そして顔を抑えた。
「アウラー:安心できるか…」
ガガガ……ガキィン!!
背後の通路連絡口が無理やり開いた。
『ガイ:おおいいいいぃ!!ドアが壊れてるぞ!』
「アウラー:お前が壊したんだ…!」
『言い争いはお辞めを。高度が持ちません。非常パージを開始します』
ガイはクラフトしたスムージーを飲みながら言葉をこぼした。
『ガイ:非常パージ?』
「アウラー:……………」
2人は脱出用ポッドで不時着した。
インデ•ペンデンス号は斜めになりながら氷の張った湖に墜落していた。
割れた湖の下には巨大な木製の基地が見えた。
ここがアウラーの求めていた倉庫だった
「アウラー:私のインデ•ペンデンス号が…」
『ガイ:まぁ…まぁ、気を落とすなよ。ガーディアンズ?は撃退できたんだし。』
アウラーは八つ当たりに雪玉を地面に投げつけ、文句を言う。
「アウラー:イオン式魔力投下爆弾を落とす奴がいるか!あれは非常用だ!どうしょうもない時用になぁ…!」
『ガイ:ええっ!マジで?イオン式魔力爆弾だったのか?』
「アウラー:流石ベテラン様だな!アハッ、無法地帯でも制限される武器をちょっとした敵対mobに使うとはぁなぁ!」
『ボス、言い争いはお辞めをと言いましたよね。』
「アハッ…アハハハ…はぁ…ぁぁ。このままじゃ先を越されるな。」
2人は割れた湖に向かって進み始める。
吹雪はまるで本物のようであり、転ぶ可能性すら感じられる。
『ガイ:何を求めてるんだ?同盟を結んだんだ。信用は必要不可欠だろ?黙ってちゃ俺も手を貸さない』
「アウラー:その信用を先ほど、打ち砕いたのは誰だろうな。私の愛船を落としたのもなぁ、誰だ?」
『ガイ:悪いって!ごめんって!マジで!』
────数分後。
氷の湖(穴)の手前。
『インデ•ペンデンスの再起動のために長距離通信機が切れます。何があっても私は援護できません 』
『ガイ:大丈夫だ!俺とアウラーは固い絆で結ばれたからな!』
「アウラー:固い絆な(契約書類)」
『くれぐれもご無理をなさらずに。それでは』
─ピン♪──H.P•networksystem•disconnect
2人はポッカリと雪景色の中で開いた大穴に目を向ける。
ここに今、降りなければいけない。
「アウラー:ベテラン様の出番だ。」
『ガイ:やってやるぜ!』
雪に簡易的なクラフトテーブルが描かれた。
指で描かれた所詮、初級の3✕3のテーブル。
これでもベテランからしたら十分…
カンカンカァン!!
「アウラー:これは?」
アウラーの手には縄と鉄製のアンカーが見えた。
頑丈そうではあるが…耐久力はあるか疑問ではある。
『ガイ:アンカーと縄、それを…』
ガイは鉄製のアンカーを地面に深く突き刺し、そこに縄を固く結びつけた。
そして縄のもう片方はガイの手へ
「アウラー:…まさか。コイツで岩肌を叩きながら降りろと?」
『ガイ:ああ。その通り。浮遊チート使ってたハッカー様々には分からないか』
ダッン!ヒュウウゥ…ダッン!
ガイとアウラーは岩肌に足を叩き、その反動で下に降りる。
また岩肌を蹴り、そして降りる。
それを何回だろう…およそ何十回繰り返し、最終的には小さな池へと着地。
ポチャァン…バキッ! アウラーが着地を失敗し、ハートが口から吐かれる。
「アウラー:あっがぁ…クソっ!なんて言う降り方だ!ハートを一つ失ったぞ!」
『ガイ:チーター様は自分の足で降りないからな。』
「ハッカーだ!」
木製の床を2人は進む。
途中には縄の橋を歩き、ビシビシと鳴らしながら進んだ。
旗が掲げられ、桟橋がある場所に最終的には辿り着いた。
『ガイ:あっらぁ…ここは…城か?』
「アウラー:お前は知らないのか?PVPVR-Rが作られた初期に台頭していた国、救の騎士団の遺産倉庫だ」
『ガイ:名前はだけは聞いたことがある。路頭に迷った初心者にパンや、装備を惜しみなく与えていたクランだ』
「アウラー:裏は知らないな?」
『ガイ:裏…?』
桟橋を下ろすレバーをいつの間にか下げていたアウラーはガイを手招きしながら、内部を見つめた。
血濡れたタペストリーが掛けられていた───
コメント
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読み終わったよ……「ブラッドフォックス」の遺産倉庫、ってところで終わったのがすごく気になる。アウラーとガイの掛け合い、軽くて面白いのに盤面はどんどん不穏になっていくのがたまらない。特にガイがあのレバー下ろしちゃうシーン、笑ったけど「やっちまった…」ってこっちも胃がキリッとした。ラストの血濡れたタペストリーの描写、一気に雰囲気変わってゾクゾクしたよ。続きが気になりすぎる……!🥀