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体育館の照明が落とされ、静寂が訪れる。コートには、二つの影だけが浮かんでいた。
日向翔陽は、膝をついて息を切らしながらも、視線を決して影山飛雄から離さない。トスされたボールは、彼の限界を超えた高さを誇っていた。しかし、諦めは微塵もない。彼の瞳には、燃え盛るような闘志が宿っていた。
影山は、日向の視線を受け止め、静かに頷く。ボールを高く放ち、渾身の力を込めたスパイクを繰り出す。鋭い音が鳴り響き、ボールは矢のようにネットを越えていく。
「っしゃあああああああ!!」
日向は、全身の力を振り絞ってボールに飛びつく。ボールは彼の指先をかすめ、コート外へと弾き出される。しかし、彼は諦めない。素早く地面に這いつくばり、ボールを追いかける。
「まだだ!まだ終わってない!!」
日向の必死な叫び声が体育館に響き渡る。影山は、彼の諦めない姿勢に心を打たれる。そして、再びボールを高く放ち、日向へとトスする。
今度こそ、絶対に決めたい。日向は、全身の神経を集中させ、ボールに飛びつく。ボールは、彼の力強いスパイクによって、相手コートの奥深くへと突き刺さる。
「よっしゃあああああああああああああ!!」
日向は、勝利の雄叫びを上げる。影山も、彼の活躍に思わず笑みを浮かべる。二人は、互いの健闘を称え合い、ハイタッチを交わす。
その瞬間、二つの体が触れ合った。一瞬の静寂の後、熱い電流が全身を駆け巡る。日向は、心臓の鼓動が早くなるのを感じる。影山も同じように、心臓が激しく打ち鳴らしているのを感じていた。
二人は、互いの視線を交わす。言葉はなくても、何かが通じ合っているような気がする。熱い吐息が交わり、二つの体は自然と近づいていく。
そして、唇が触れ合う。
それは、甘く切ない初めてのキスだった。二人は、互いの存在を確かめるように、ゆっくりと唇を重ね合わせる。
体育館には、二つの吐息だけが響いている。静寂の中で、二人の熱い情熱が燃え上がっていく。
しばらくすると、影山がゆっくりと口を開く。
「……好きだ。」
彼は、日向の瞳を見つめながら、静かに呟いた。
日向は、驚きと喜びで目を見開く。そして、満面の笑顔で答える。
「俺も… 好きだ!!」
二人は、再び抱き合い、キスを交わす。体育館の照明が再び灯り、二人の幸せな時間が始まった。