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アロサウルス!
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合同イベントの合間、騒がしい大楽屋の片隅で、洸希はソファに深く腰掛けてスマホを眺めていた。
普段ならイヤホンを耳に突っ込んで自分の世界に入り込んでいるところだが、今日は片耳だけ外している。
トトト、と軽い足音が近づいてきて、案の定、洸希の隣のスペースにすぽっと誰かが収まった。
「こうきくん、おつかれさまです」
人懐っこい笑顔で覗き込んできたのはICExの世梛だ。手には自分の分のジュースと、洸希の好物であるブラックコーヒーのペットボトルが握られている。
「ん、おつかれ。それ、俺の?」
「はい!自販機行ったら、こうきくんの顔が浮かんだので」
「何それ」と洸希は呆れたように笑いながらも、嬉しそうにコーヒーを受け取った。冷たい結露が手のひらに広がる。
世梛はストローをいちごオレに突き刺すと、嬉しそうにちゅう、と吸った。その様子を横目で見ていた洸希が、ふと思い出したように口を開く。
「そういや、こないだの動画。世梛のファンめちゃくちゃコメントしてたぞ」
「本当ですか!? あ、でも、僕が楽しいのはこうきくんが付き合ってくれるからですよ。他の先輩だと、あんな風に全力で乗ってくれないもん」
世梛は嬉しそうに目を細め、ソファの背もたれに頭を預けて洸希を見上げた。その無防備な懐き方に、洸希は少し照れくさそうにコーヒーを一口すする。
「お前が『やりましょう!』ってキラキラした目で言ってくるから断れないだけ。……まあ、楽しいからいいけど」
「へへ、じゃあ今日もこの後、新しい動画撮りましょ?」
「しょうがねぇな」と言いつつも、洸希の口元は完全に緩んでいる。
特別なことは何も起きないけれど、2人にとってはこれがいつもの、心地いい日常のワンシーンだった。
コメント
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読了~いいなあこの距離感。洸希がイヤホン片方だけ外してる時点でもう「待ってる」感じが出てて好き。世梛が自販機でコーヒー買ってくるのが「顔が浮かんだ」って台詞でさらっと済ませてるのも、自然な気遣いとして効いてて、わざとらしくない。何も起こらないけどこれが二人の「いつもの1シーン」って着地、ほんとじんわり来る。