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わたあめこねこのつくりかた

中3の夏だった。

真っ白な子猫が、玄関先の木に登って

降りられなくなっていた。


母はびっくりして、子猫をそっと木から降ろし、段ボールにタオルを敷いてその中に入れた。

ふわふわの白い子猫。

とっても人懐っこくて、私の腕の中に吸い寄せられるように収まる。


可愛くて可愛くて、温かい身体から離れがたくて、ずっと腕に抱いていた。


これから、この子をどうするか家族会議をするまでもなく、貰い手を探すことが決まっているらしい。

うちで飼うという選択肢はない。


私は手放したくなくて、少しでも長く一緒にいたくて、段ボールを置いた玄関に布団を敷いて横目で見ながら眠りについた。



次の日、早く子猫に会うために、いつもより急いで帰宅した。

すると、もうすでに子猫の貰い手が見つかっており、姿はない。

私は部屋でこっそり声を殺して大泣きした。






その夜、私は夢を見た。

白い、まるで雪女みたいに白くか細い女性が目の前に立っている。

目は大きいけど釣り上がって猫みたい。

猫ーーー


「あのね、わたしは自分で幸せになれるから。あなたは関係ないの。」


ハッとして目が覚める。

目覚まし時計は、アラームが鳴る2分前。


あの夢はなんだったんだろう。

夢の中の女性は、きっとあの子猫だったんだろうと思いながら、

それでも、彼女の身体の温もりがずっと腕の中にあるみたいで。


どうしても彼女の幸せを願い続けずにはいられないのだ。




この作品はいかがでしたか?

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コメント

1

ユーザー

最初から最後まで、とても温かなお話で、文章にも丸みを帯びた柔らかな印象を受けました。その中で、飼えないながらも健気に布団を寄せる所や、突然いなくなってしまった虚しさから感じる現実感と、声を♡♡♡て泣くその子の優しさをしんみり感じます。 優しいその子と子猫ちゃんは、きっと幸せになるんだろうなと、そう思いました。

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