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来たる土曜日。時守もおしゃれをし
真風菜(まふな)もおしゃれをし、待ち合わせ場所である大吉祥寺駅へと向かう。
大吉祥寺駅についた真風菜。クラスメイトなどがいないか辺りを見回す。
すると綺麗な白髪が目に入る。周囲の人たちも綺麗な白髪をチラチラと見ている。
「平野(への)くん」
と話しかけると時守は顔を上げ
「あぁ。大鍵芸常(タケゲツ)さん」
と言いながらワイヤレスイヤホンを取る。
「平野くんが1番?」
時守は辺りを見回し
「まあぁ〜…そうかな?」
と言う。
「まあ、そうだよね」
「白い髪なんて滅多にいないからね」
「たしかにね」
と2人でしばらく話していると
「お待たせしました」
「お。お2人先に着いてましたか」
と華音(はなお)と礼王(れお)が合流した。
「礼王」
「おっす。時守」
「2人は一緒に来たの?」
と真風菜が華音に聞くと
「いやいやいやいや」
と華音が否定。
「あ、はい。一緒に来ました」
礼王(れお)が爽やか笑顔で肯定。2人同時に答えた。
「どっち」
と笑う真風菜と時守。
「一緒に来たよ」
と相変わらず爽やか笑顔で答える礼王。礼王がスマホを出す。少しいじる。
「お。もう4人着いてたらしい」
「あ、マジ?気づかなかった」
と周りを見回す時守。同じように見回す礼王と華音と真風菜。
するとエスカレーターから笑顔のツンツン金髪と笑顔のミルクティー色の髪と
スタイル良すぎの赤髪とどこか照れくさそうな黒髪が下りてきた。
「あ」
華音が4人を発見する。
「おぉ。まさかの上から」
まずはエスカレーターから子那恋(しなこ)が降りてくる。
「おぉ、おぉ、お待たせ!」
「いや、こっちこそお待たせ。もしかして」
と真風菜が上を見る。
「そうそう。MoonBucksに行ってた」
とニカーっと笑う子那恋。
「おまたー礼王にトッキー」
「ううん。逆にお待たせ」
「お待たせしました」
「いやいや。こっちはこっちで楽しかったし。なぁ〜?鏡(かがみ)ぃ〜」
と言いながら鏡の肩を組む空楽王(ソラオ)。
「そうだな」
「どしたどしたー?灰水部(ハスベ)さんの私服姿に心打たれたか?」
「は?」
「隠すな隠すな。オレも打たれたぞ」
と言われていることも知らない優佳絵(ゆかえ)は
「スゴいね。灰水部(ハスベ)さん。めちゃくちゃ綺麗。
モデル体型で顔も綺麗で可愛くて、バスケもうまくて、スポーツできて
私服もめちゃダサのギャップかと思ったら私服のセンスも良い」
とめちゃくちゃ褒められていた。
「めちゃくちゃ褒めるじゃん。あと全然優佳絵でいいよ。
そーゆーニ宅寺(にたくじ)さんこそ私服可愛いじゃん」
「あ、ありがと。華音でいいよ」
「お?そういえば2人が話してるとこ見たことないな。初か。初なのか」
なぜか嬉しそうな子那恋(しなこ)。
「ま、ということで」
と空楽王が仕切り始める。
「まずはぁ〜…どうします?」
仕切り切れなかった。
「まずはぁ〜?」
子那恋が嬉しそうな顔をし
「ここ!ステージ1(ワン)!略してステ1(ワン)!」
まるでコマーシャルのようにステージ1の前でステージ1を紹介する。
「ボウリング?カラオーケ?」
「まずはボウリングっしょ」
ということで全員でボウリングの場所へ移動した。
受付をしたところ、1レーン6人までということだったので、2レーンで4人、4人でプレイすることにした。
「男女でわける?」
「ここはさー?せっかくだしさー?」
男女で分かれてスマホでルーレットをして組み分けを決めた。
「Aの人ぉ〜」
と言いながら子那恋(しなこ)が手を挙げる。
「A〜」
と空楽王(ソラオ)が手を挙げる。
「うわぁ〜一州茗楽(イスミラ)かよぉ〜」
「かよぉ〜とはなんだよ。オレのボウリングの腕に泣くがいい」
優佳絵(ゆかえ)と鏡も手を挙げる。
「おぉ〜優佳絵かぁ〜。案外勝てそうだけど、ボウリングも上手い可能性あるよなぁ〜」
「鏡(かがみ)かぁ〜。ま、ガリ勉秀才くんには勝てるかな」
「須木弁(スギべ)くん、よろしくお願いします」
「あ、こちらこそよろしくお願いします。灰水部(ハスベ)さん」
「ということは?」
残すは自然と真風菜(まふな)、華音(はなお)、時守と礼王(れお)である。
「よろしくね、ニ宅寺(にたくじ)さん」
相変わらず爽やかな笑顔の礼王。
「う、うん。よろしくね」
「よろしくね、大鍵芸常(タケゲツ)さん」
「うん。よろしく平野くん」
「真風菜ぁ〜」
「華音ぉ〜」
「時守の歓迎会とはいえ負けないぞ?」
「こっちこそ」
そんな中、子那恋(しなこ)と空楽王が目を合わせ、ニヤッっとして頷く。
「でもぉ〜。ふつーにー、対決してもぉ〜、びみょーじゃん?」
「それはそうだ!」
「てなわけでぇ〜。スコア最下位2人には
2人でプリパニ(プリント カンパニーの略称)を撮ってもらいまぁ〜す」
「イエイ!」
子那恋と空楽王が拍手をする。
「最下位は1人だけど」
と呟く鏡に
「プッ。たしかに」
と笑う優佳絵(ゆかえ)。
「プリパニって男子だけじゃ入れなくない?」
と礼王が言う。
「大丈夫大丈夫。コーナーまでついてけば後は男子2人だとしても、機械の中入るだけだから」
ということで罰ゲーム?2人っきりでプリント カンパニーを賭けたボウリング対決が始まった。
「しゃー!空楽王(そらお)様の腕を…見よ!」
と空楽王がボウリング玉をレーンに放る。玉は綺麗に一直線。
綺麗に斜めに一直線。ガターに玉が転がっていった。
「おぉ〜。さすが空楽王様。笑いで盛り上げますなぁ〜」
子那恋に言われる。2投目はなんとかピンには当たったが4本。
「さすがです」
「ムカつく表情だわぁ〜」
そんなムカつく表情をしている子那恋はというと
「ナイッス!ガター!」
空楽王が嬉しそうに叫ぶ。ガター。
「うるさっ。次スペア取るし」
2投目は5本。どんぐりの背比べである。一方のB組。1人目は華音。1投目。ボウリング玉は綺麗に一直線。
空楽王と違いピンには当たった。しかし、当たったピンは真ん中ではなく端。
しかし6本倒れた。しかも残りの4本もまとまっていてスペアを取りやすい配置。
2投目。見事残りの4本をすべて倒し、スペア。
「ナイス〜!華音〜!すごいじゃん」
真風菜とハイタッチする華音。
「偶然いけた」
「ニ宅寺(にたくじ)さん、ナイススペア」
礼王も爽やか笑顔でハイタッチのポーズをしていた。
「あ、うん。ありがと」
少しするか迷ったが、少し照れながらも礼王の両手に両手をあてる華音。
「ニ宅寺(にたくじ)さん、ナイス」
「ありがと」
時守ともハイタッチを交わした。
「さてさて、時守か。お手並み拝見かな?」
時守がボウリングの玉に指を入れ、構える。歩き出しながら
ボウリングの玉を持った右手を後ろに引いてボウリングの玉をレーンに送り出す。
ボウリングの玉は少しカーブし、真ん中のピンの右側からピンたちを貫いた。
「おぉ〜8ピン」
「すごい」
「どうです?私のボウリングの腕」
ボウリングの玉が返ってくる間に礼王に聞く時守。
「さあ?ま、ここらかじゃない?スペア取れるかどうか」
「言うねぇ〜」
「だって現にニ宅寺(にたくじ)さんスペア取ってるし。ねぇ〜」
と華音に微笑む礼王。
「あ、うん。あ、でもたまたまだよ」
ボウリング玉が帰ってきて
「よし。スペア取る」
と言ってレーンに向かうとき真風菜と目が合う。頷く時守。「え?」と思ったが合わせて頷く。
構えて、ボウリング玉をレーンに転がす。ボウリング玉は一直線。一直線にピンのない部分に転がっていった。
「…ま。8ピン?いいんじゃないっすか?」
「ムカつくわぁ〜。そーゆー礼王はどうなんだよ」
礼王が立ち上がる。
「ストライク。取ります」
そう宣言した礼王だったが1投目は4ピン。2投目は3ピンとめちゃくちゃビミョーな腕前。
なんなら合計の倒したピンの数なら時守に負けている。
「…マジでなんて言っていいかわからん腕前だ、わ」
と言う時守に頷く華音と真風菜。一方A組。投手は優佳絵(ゆかえ)。
スラッっとしたスタイル。頭も小さい。髪は赤。人並外れている。1投目。…1ピン。
2投目。…3ピン。…下手だった。
「おぉ…。すべてが完璧な優佳絵ではなかったわけだ」
下手だったわりにめちゃくちゃ綺麗な顔のまま席に座った優佳絵。
「でも変わらず潤わしい」
お次は鏡(かがみ)。
「鏡は下手そう」
「うん。オレも下手だと思う」
自分で言う鏡。たしかに運動神経は悪くはないが良くもない。勉強ばかり…でもないが、勉強ばかりしていた。
なのでどこら辺にあてれば倒れやすいかはなんとなくわかっていた。ボウリングの玉を手に取る。
「運動の法則(速度と力の法則)があるけど
速度出したらコントロールできないから、速度は落として角度を狙えばいい」
思っているつもりがブツブツ声に出ていた鏡。構える。ボウリングの玉をゆっくりと放る。
「ゆっくりだなぁ〜」
空楽王が言う。速度こそなかったが、角度は完璧。ピンに当たり、続々と倒れていき、見事ストライク。
「おぉ!スゲェ!」
立ち上がる空楽王(ソラオ)。
「うまっ!」
立ち上がる子那恋(しなこ)。
「すごっ」
と呟く優佳絵(ゆかえ)。ストライクを取った鏡本人も驚いていた。
「鏡本人も驚いてる」
と笑う空楽王。
「イエイ鏡!」
空楽王がハイタッチの姿勢を取る。
「うい」
パチン。
「ナイスぅ〜須木弁(スギべ)くん」
お次は子那恋(しなこ)とハイタッチ。
「ありがと」
「すごいね」
静かに驚く優佳絵(ゆかえ)ともハイタッチをした。
「っしゃー!鏡がストライクを出したってことは、空楽王くんもストライクを出すっていう流れな訳よ」
「一州茗楽(イスミラ)は罰ゲームほぼ確だから」
「いや?ここから1位に躍り出るから」
と空楽王と子那恋が言っている中
「ねえ須木弁くん」
「はい」
「なんかコツとかある?」
と負けず嫌いな優佳絵が少し鏡に近づき聞いてきた。
少し鏡のほうへ座る位置をずらしたときに鏡の鼻に届いたいい匂いすぎる香り。
シャンプーの香りと洗剤の香り。香水のような香りはしない自然な女の子の香り。
鏡の心臓が一瞬止まったかと思いきや、めちゃくちゃ鼓動し始めた。
「真風菜ー。頑張れー」
一方B組は真風菜の番。ボウリングの玉を取るときにチラッっと席のほうを見る。
礼王と華音が話しており、時守とは目が合った。時守が頷く。それに応えて真風菜も頷く。
構えてレーンにボウリング玉を放る。特にボウリングが得意というわけではないはずだが
真風菜の投げたボウリング玉は真っ直ぐに真ん中のピンに当たった。
ボウリングの玉が真ん中を人混みをかき分けるように進んでいき
周りのピンも扇状に綺麗に倒れていった。見事な、お手本のようなストライク。
「おぉ!」
「ナイスストライク!」
「真風菜スゴい!」
真風菜自身も驚いた。ハイタッチをする。華音、礼王。そして時守。
なぜか時守とハイタッチするとき、少しだけ緊張した真風菜。
「ナイスストライク」
「ありがと」
白い、真風菜よりも大きな手と真風菜の手が合わさる。
時守の指と指の間に真風菜の指が少しだけ入り込み、ドキッっとして
でもすぐに手を離すのも悪いと思い、ドキドキしながらもゆっくりと手を離す。
そんなこんなでボウリング対決は終わった。8人でスコアを見る。
「えぇ〜っと?…えぇ〜…空楽王(ソラオ)が77。
音多木野(オトキノ)さんが80。ということで、スコアが低かった2人は空楽王と音多木野さんでしたぁ〜」
と礼王がまとめた。謎の拍手をみんなでした。
「灰水部(ハスベ)さんには勝てると思ったのに…」
「わかる。優佳絵と一州茗楽には勝てると思ってた。なのに、後半、優佳絵が伸ばしてきた」
「ということで2人には罰ゲームを受けてもらいます」
「え。ふつーAチームで一番低かった人とBチームで一番低かった人で罰ゲームじゃない?」
と文句を言う空楽王。
「でもこっちの最下位の礼王が84だから、どっちにしろ」
と時守が言いながら画面を見る。ということで
「いくよー」
というプリント カンパニーの機械から流れる女性の声に促されポーズを取る空楽王(ソラオ)と子那恋(しなこ)。
「ほらほら。一州茗楽(イスミラ)しゃがんで」
「え?」
肩をグッっと押す子那恋に従いしゃがむ空楽王。
「ほい」
空楽王の頭の上に顎を乗せる子那恋。
「チクチクするなぁ〜」
不意の出来事にドキッっとする空楽王。まるでトーテムポールのようなポーズを取った2人。
その後も独自のポーズで盛り上がった2人。
楽しそうな表情で出てきて、楽しそうな声を上げながら落書きをする2人。
「罰ゲームって言ってたよね?」
礼王が言う。
「罰ゲームではないね」
真風菜が言う。他のみんなが頷く。
「っしゃー!休憩じゃー!」
休憩のテンションではない空楽王。
「なんかテンション高いな」
礼王が言う。
「え。え?そ、そう?いつも通りっしょ!行くぞー!」
「おー!」
子那恋もそのテンションに合わせて8人はカラオケに向かった。