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同じステージ1内にあるカラオケに向かった8人。
8人ということもあり、割と広めの部屋だった。全員で部屋に向かう最中
「んじゃー、男子陣は先に部屋行ってるから、女子陣は飲み物取ってきてもろうて全然いいんで」
と空楽王(ソラオ)が言う。
「おぉ、そうか。悪いのぉ〜」
と言う子那恋(しなこ)。
「では皆の衆。部屋へ参るぞ」
とどこか得意気に先導する空楽王。
「では飲み物を取りに行くぞ」
と先導する子那恋(しなこ)。部屋に入った男子陣。各自スマホをいじったりしている中、空楽王が
「え。誰もプリパニ(プリント カンパニーの略称)見せてとか言わないんだ!?」
と辛抱たまらず言った。と言ったものの鏡、時守、礼王(レオ)の顔を見て
「まあ、そんなテンションのメンバーではないわな」
と席に座った。
「なに?見せてって言ってほしいなら言うけども」
と礼王が少し悪そうな、にやけ顔で言う。
「いやぁ〜?別にぃ〜?そんなこともないけどぉ〜?」
とあからさますぎる空楽王に
「ふっ」
っと笑う時守と礼王。
「じゃ見せてよ」
と言う時守に、一瞬目を輝かせ
「えぇ〜??やだなぁ〜」
と渋る空楽王。
「いいじゃんいいじゃん」
と言いながら空楽王に近寄る時守と礼王。時守と礼王が
「「鏡も」」
と言ったので、鏡もどことなく嬉しそうな顔になり
でもその嬉しさを押し殺し、渋々、と言った感じで3人に近寄る。
「え。誰もプリパニ見せてとか言わないんだ?」
と驚く子那恋(しなこ)。女子も女子でドリンクバーの目の前で同じことをしていた。
優佳絵(ゆかえ)はストローで飲み物を吸いながら無言。華音(はなお)と真風菜(まふな)もキョトン顔。
「見せて?」
と言ってみる真風菜。
「言ってみた感がすごいな」
「見せたい感もすごいけど」
と1杯飲み終わった優佳絵が言う。
「え。見せたい気持ちはないけどさ」
「ないんだ」
「ないね。いや、なんかふつー男子とプリパニ(プリント カンパニーの略称)撮ったら
「え!見せて見せて!」みたいなノリがあると思ってたから」
「ごめん。私はそんなノリ1回もしたことない」
優佳絵が飲み物を注ぎながら言う。
「私もないなぁ〜」
真風菜が言い
「私ももちろんない」
華音も続く。
「華ちん、もちろんて。みんなJKしてないなぁ〜。ま、ゆーて私もそんなしたことないけども」
「ないんだ」
「ないこともないけどもぉ〜。1年のときにね?でも、なんか、なんだろうね。
上辺だけの付き合いっていうの?女子って大変だよねぇ〜」
と言い終わった後、少し思うところがあり、子那恋(しなこ)は3人を見た。
「あぁ、大変だねぇ〜とは言ったものの、我が道行く3人だったわ」
と言った。
「ま、その方が上辺の付き合いではなくなるかもだし、素の自分が出せるから楽だけどね」
と笑った。華音も真風菜も優佳絵も悪い気はしなかった。
しかし結局誰も撮ったプリント カンパニーを見せてとは言わず、部屋へと行った。
「おぉ〜おかえりおかえり」
空楽王が女子陣を迎える。
「男子固まって仲良(よ)いな」
「仲良(よ)いのだよ。んじゃ、飲み物取ってくるわ」
「ういー。いってらっしゃい」
ということで、今度は男子陣が飲み物を取りに行き、女子陣は部屋で待機することとなった。
「さてさてぇ〜」
子那恋が曲を入れるためのタッチパネルの機械を手に取り、爪で操作を始める。
「私の好きなぁ〜JEWELRY BOYSの曲はランクインしてるかなぁ〜」
ピッピッ音が部屋に響く。
「そういえば子那恋JEWELRY BOYS好きなんだもんね」
と真風菜が言う。
「そうなのよぉ〜。ライブもほぼ毎回行ってるのよぉ〜」
「めっちゃ好きじゃん」
「めっちゃ好き。みんなはないの?好きなアーティストーとか、ランキング入ってる曲で好きなのとか」
「いや、まあ、最近の流行りの曲とかはだいたい聴いてるよ」
「私もそうかな。あ、でも私は基本アニソンしか聴かないから」
「んで、優佳絵(ゆかえ)は洋楽派ね?」
「そー。だからランキングには入ってないよね。ま、邦楽も聴くけどね。それこそ最近流行ってる曲とか」
「おぉ〜。じゃあ優佳絵も失恋ソングとか聴くんだ?」
「まあ。聴くね」
「意外や意外」
「流行ってたら嫌でも聴くしね。メロディーが好きだったら聴くかな。
でも。あ、ごめんね華音。先に謝っとくわ」
と華音に謝る優佳絵とキョトン顔、「?」顔で頷く華音。
「でも、毎日のように朝のニュースで流れるアニソンとか?
大流行りの鬼のアニメの曲とか海賊のアニメの劇場版の曲とか?
しつこすぎて流れるだけで頭痛するようになってたんよね」
と言うと華音が首がもげるほどうんうん頷く。
「大丈夫。謝らないで大丈夫。それは私も同じ。
でもあれはアーティストさんもアニメのマンガの原作者さんも悪くない。
持ち上げたメディアと一般人が悪い」
「おぉ〜。なるほどね。考えたことなかったわ」
「ほんと一般人の悪いとこだよね。なんかニワカのくせに語りたがるとことか
流行りには乗っかって持ち上げるだけ持ち上げて、飽きたらその場から去っていく。
胴上げされたマンガとかアニメとか原作者様とか
主題歌を担当したアーティストさんとかはそのまま落ちていく。
流行りに乗り遅れたくないバカな一般(※華音の顔とテンション、キャラに似合わず
まあまあな毒舌っぷりを発揮しているので、皆様のお好きなクラシック音楽
もしくは聞いたことのあるクラシック音楽を流してください)」
「わかる?この感じ。ステ1(ステージ1の略称)のドリンクバーにいるこの感じ!めっちゃ陽キャっぽくない?」
陽キャラにしか思えない見た目の空楽王が言う。
「はあ」
「まあ」
無言でストローで飲み物を吸う鏡。
「まあ、陽キャっぽく見えないっていうか、空楽王はどう見ても陽キャだけどね」
礼王が冷静に言う。
「それな」
時守も同意。鏡もストローで飲み物を吸いながら頷いていた。
「え。え。え。じゃあさ」
空楽王が鏡を自分のいた位置に来させた。
「どお?鏡も陽キャに見えない?」
「まあ。つーか鏡を勝手に陰キャにすんなよ」
真っ当な礼王。
「たしかに。ごめん鏡」
「いや。オレ陰キャだし」
「そうか?」
と疑問に思う礼王。
「いや、陽キャではないってことは陰キャでしょ」
「したらオレも陰キャよ」
と微笑む礼王。
「オレもだね」
と微笑む時守。
「じゃあこん中で陽キャなの空楽王だけだ」
「おぉ〜陽キャだ」
謎の拍手が起こる。
「いやぁ〜ありがとうございやす」
なんてバカなやり取りを終え、部屋に戻った。
「ということで。えぇ〜…なんだっけ?当初のやつ」
空楽王が仕切ろうとしたが仕切り切れない。
「え、平野(への)くんの歓迎会兼親睦会でしょ?」
子那恋(しなこ)がまとめる。
「そっかそっか。じゃ、ということで時守の歓迎会兼親睦会ということで。かんぱーい!」
「「かんぱーい!」」
と8人でグラスをカキンコキンとあてる。
「そういえばみんな名前知ってる?」
「まず平野(への) 時守くん」
子那恋が時守を指指す。
「はい」
「えぇ〜…すぅ〜…ぎべだ!須木弁(スギべ) 鏡くん!」
今度は鏡を指指す。
「はい。正解です」
「六蓋守(ムコウモリ) 礼王(レオ)くん!ごめん。漢字はわからない」
今度は礼王を指指してから謝る。
「謝らないでいいよ。主に蓋(こう)が難しいよね。わかる」
「で」
今度は空楽王を指指す。
「…なんだっけ。忘れたわ」
「おい!一番覚えてるだろ!たぶん!」
「えぇ〜。真風菜わかる?」
「え?」
「わかんない流れで」
と小声で子那恋が言う。
「わかんない」
「華音もわかんないよね」
「わ、わかんない」
「優佳絵(ゆかえ)も」
優佳絵は肩をすくめて見せる。
「えぇ、ちょっと!近年稀に見るイケメンの一州茗楽(イスミラ) 空楽王(ソラオ)、一州茗楽 空楽王ですよ!」
「選挙か」
とツッコむ礼王。
「それを言える度量は尊敬に値するわ」
と言う子那恋。男子陣は空楽王以外、子那恋が紹介してくれたので、女子陣が改めて自己紹介をした。
「はい。改めまして。音多木野(オトキノ) 子那恋(しなこ)です。
JEWELRY BOYSのファンです。ちな、箱推しです」
「えぇ〜。大鍵芸常(タケゲツ) 真風菜(まふな)です。
苗字が言いづらいってよく言われます。自分でもそう思います」
「灰水部(ハスベ) 優佳絵(ゆかえ)、です。バスケ部です。…バスケ以外好きなことないかもです」
「ニ宅寺(にたくじ) 華音(はなお)です。えぇ〜。アニメ、マンガ、アニソン、二次元関係が好きです。
ヲタクってほどではないですが、世間的にはヲタクと呼ばれる部類だと思います」
1人1人が自己紹介を終えるごとに拍手をする周り。すごく健全で爽やかな雰囲気。
「合コンってこんな感じなのかなぁ〜」
空楽王が健全で爽やかな雰囲気をぶち壊す。
「サイテー」
「なんでよ!」
「そもそも合コンって知らん男女が、なんかのツテで知り合うやつでしょ?私ら同(おな)クラじゃん」
「そうなんか。そんなもんなんか。じゃ、とりあえず歌いますか」
タッチパネルの機械を取って、ピッピッピッっと素早く曲を入れ
マイクを持って立ち上がる空楽王。画面に表示されたのは「Better than virtual」という曲。
「お。Super Visualの曲じゃん。一州茗楽(イスミラ)好きなんだ?」
と子那恋が少し驚き、食いつく。
「まあ。姉ちゃんがファンでね。ずっと聴いてたらいつの間にかオレもハマってた」
と言っている間に前奏が終わり、空楽王が歌い始める。
「Super Visual」というのは男性アイドルユニットの名前で
名前の通り、とにかくビジュアルがイケてるメンバーで構成されている。
全編英語の洋楽のような曲からアップテンポなJポップ、バラードまで幅広く展開している。
「Better than virtual」という曲はアップテンポな、英語歌詞や
ラップの入ったJポップ曲。空楽王のキャラクターに合った曲なのだが
歌い始めたら空楽王がカッコよく見えるほど上手かった。
え。カッコよ
と子那恋が心の中で少し驚いていた。曲が終わると自然と拍手が起こった。
「空楽王うまっ」
礼王が驚く。
「え?そお?どもども。姉ちゃんに感謝だわ」
とまるでお姉さんが天に召されたように天に向かって手を合わせえる空楽王。
採点を入れていたらしく、得点が表示される。84点。
…微妙である。上手かったと感じた割に点数がそうでもない。なんなら84点なんて余裕で越える人も多い。
「…うん。まあまあまあ」
空楽王本人も少し納得していない様子。
「いや、もっと上手かったよー…ね?」
子那恋が心の声が漏れたのが恥ずかしくて、思わず咄嗟に優佳絵に同意を求める。
しかし同意を求めた相手がバスケ以外にあまり興味がなさそうな優佳絵で
相手ミスった
と思った子那恋だったが
「うん。もっと点数いってると思ってた」
と同意してくれて一安心した。
「だよね?だよね?なんか透明カラオケボックスの番組とか
え?今ので90点越え!?とか、逆に、今ので90点いってないの!?とかもあるもんね?」
「あぁ〜。わかる」
と同意する時守。
「わかるわかる」
同じく同意する礼王。
「わかる」
真風菜も同意。華音も頷いている。
「みんなぁ〜。ありがとぉ〜ねぇ〜?フォローしてくれて」
「いや、マジで空楽王うまかったから」
「礼王ちん。心のイケメン順位はオレを抜いて1位にしてあげる」
「あ、ありがとう?」
「別に一州茗楽(イスミラ)をフォローしてるんじゃなくてあるあるで盛り上がってただけですー」
「あーそーですかー。いいもん。オレには礼王ちんがいるし」
ということで順々に歌っていくことになった。なんと音痴な人はゼロだった。
うまさに上下はあるものの、下手だなぁ〜という人はいなかった。
「会いたくて 星の数の夜を越えて〜」
「あぁ〜好きぃ〜。ドラマのキャスト死ぬくらい豪華だった」
「私もー。俳優さんたちは好きー。罪はない。あとこの曲もすごく好き。
でも圧倒的に原作のほうが好きー。のほうが好きっていうか比べるのすら失礼ー。
実写化は総じて消えればいいと思ってるし
実写化することしか脳のない監督とか(※華音の顔とテンション、キャラに似合わず
まあまあな毒舌っぷりを発揮しているので、皆様のお好きなクラシック音楽
もしくは聞いたことのあるクラシック音楽を流してください)」
そんな感じで盛り上がり1周した。