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「九尾よ、男なら正々堂々拳で決めませんか」「分かった、正々堂々拳で決着をつけようではないか」そう言うと、九尾はドスを納めた。「さあ、ひょっとこ様のお誘いを断ったことを地獄で後悔して、地獄の業火に焼かれとけ」「俺はまだやりたいことがあるんだよ」二人ともそれぞれの信念を目の奥で燃えあがらせていた。「死ね、害虫が」「先に行っとけ国家の犬が」両者ともボロボロの肉体から声を上げながら殴り合った。「ハアハア、やるな」「そちらこそやりますね。ですがもうすぐ限界が来るのでは」「そっちこそ、血を流しすぎではないのかな」2人とも一時的に下がり、間合いをとった。すると、がれきの下敷きになっているひょっとこが声を上げた「気合で負けるな、そいつは俺らの親を殺した国家の犬の一人だぞ忘れたのかあの日の出来事を」「分かってる」そう幹部の男が言うと幹部のオーラが変わった。「九尾、君が悪いわけではないが革命には犠牲が付き物なんだ。さあ、革命の礎になってくれ」「ふん、死んでもいやだね」そういうと、両者一気に間合いを詰め、再び殴り合いを始めた。「さあ、年貢の納め時だ」「九尾よ、僕らの革命の礎になってくれ」九尾は殴り合う中で自身が最も得意とする右ボデイフックのタイミングを伺っていた。すると、九尾に千載一遇のまたとない機会が訪れた。そこを九尾が逃すわけもなく、完璧なボデイフックを決めた。すると、ものすごい量の血が幹部の男の口から出た。「良太」ひょっとこが泣き叫んだ。「ごめんなさいお兄ちゃん、僕、負けちゃった。お兄ちゃんとこの腐りきった政治を立て直したかった」そう涙を浮かべながら幹部の男はひょっとこに言うと、息を引き取った。「良太」大声をあげながらひょっとこが泣き叫んだ。九尾はひょっとこの上に載っていたがれきをどかし、下半身不随になったひょっとこを抱き上げ、幹部の男であり、実の弟である良太の亡骸のそばまで連れて行った。少し時間をやる。そう言い残すと九尾は姿を消した。「こちら九尾、決着がついた。どうぞ」「そうか、了解。よくやった。救護班を突入させる。侵入が可能なゲートを教えてくれ。どうぞ」「犬、太陽、私の、リンゴ、グハ…、どうぞ」「吐血してるのかよ、すぐに突入させる。あと少しだ。頑張れ。どうぞ」スーコンに無線で指示を出し終えると、どこかに電話をかけた。「もしもし、九尾です。はい、二名お願いします。はい、はい。お願いします。」「もしもし、俺だ。水族館のクラゲの水槽の前にいるから、回収よろしく。」電話を終えると、九尾はそっと目を閉じた。「全隊員に告ぐ、定刻より救出を開始する。かかれ」「御意」その言葉を皮切りに、ぞろぞろと救出班が突入した。