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ーらっだぁ視点ー
散々泣いた後、なんとも言えない虚しさ…というより、虚無感が襲ってきた。
第一、泣いてもどうにもならない。
何がしたかったんだろ、な。
しょーもな。
部屋、戻ろ。
ー明け方ー
やっぱり眠れなかったけど、色々決めた。
変に虚無感が続いてたからね、考え事にはちょうどよかったんじゃない。
まーいいや、で、えっと…
多分、このまま自国に戻っても同じ事の繰り返し。
そもそも弱音を吐くなんてもってのほかだから、自国に戻って色々聞かれるのも無理だし。
だから、ちょっと旅に出ようかな。
…にしても、傍からみたら…嫌、自分自身でも。クソみたいな総統だな、と思う。
国作ったくせして、勝手に病んで逃げて嘘ついて。挙げ句旅するなんて。
このまま死んだほうがいいのかもしれない。
まぁ、それが最善でも俺にそんな覚悟ないんだろうけど。
だる、もう死ねばいいのに
俺に対してか逆か、そんな無責任な事を思った。
救いはないんだろうな。
チュンチュン、チュンチュン
窓越しに鳥の声が聞こえてきた。
今何時だろ。
確認してみると4時16分。
汽車が10時だったから…中途半端な時間だ。
何かするか。
そういえば、リスカというものを聞いたことがある…
…いや、やめとこう。痛いの嫌だし。何にもならないし。
そうだ、バレないように変装をするか。
うーん、でも大体どの服屋も7時開店だろうし…
とりあえずニット帽とマフラー、カーディガンは脱ぐか。
あ、でもバックないな…旅する予定なかったから、財布と護身用のナイフしかない。
とりあえず部屋のクローゼットにしまうにしても…困った、いよいよやることがないな。
……。あ、そーだ、最近ロクに髪切ってなかったから肩伸びてるし…ナイフでちょっと切るか。髪型変えれば同一人物に見えにくいでしょ。
[散髪中]
…良し、軽く整えて前髪も切って…
どうせなら髪色も変えるか。
ん、運営国には髪色の染料になる花が結構あるけど、我々国にもあったっけ。
探してみよ。
ー森林ー
来た道を少し戻って探してみると、綺麗な黒餡草があった。
髪を染める為に加工すると、綺麗な黒い色ができ数週間は持つ。髪も傷まないし群になって生息する為、色々な国が重宝する。
かなりあるし、量には困らなさそう。
確か刃物で花びらを擦ると…
ナイフで黒餡草の花を少し割くと、黒くサラサラな粒が出てきた。
良し、これを繰り返して水と混ぜると黒い染料になるんだよね。
水を入れた水筒は持ってきたから、どんどん作ろう。
ー7時ー
黒くほのかに香る染料ができた。
ふぅ、結構大変だったな。
で、最後これを頭にかけて…
青い髪には黒い染料が染み込み、らっだぁと言われても気付けない程完璧な変装になった。
良し、宿戻ろっと。
ー宿ー
バックは途中で買えたし、汽車ももうすぐ来る。
ノープランだったけど意外にも成功した。
最初宿の人に俺がらっだぁだって事信じてもらえなくて大変だったな。
このまま時間を潰そう。
あ、朝御飯でも食べるか。
ー9時30分ー
今は、汽車が来る駅のベンチに座っている。
春風が吹いていて、心地が良い。
チケットも買ったから、これで大丈夫なはずだけど。
少し経つと汽車が来た。
人は少なく、快適に移動できそうだ。
そう思いながら、汽車の中へと歩いていった。