『彼 追う 必要 ある』
『取る 戻る 食糧』
私は 慌てて部屋を出る
ふりをする
とりあえず この場を離れて
誤魔化したい気持ちもあった
銀髪さんが言う
ツギハギくんはあまり
問題視してない
彼はそれほど強くはないから
度々 暴走はしてるけど
その都度 他の怪異に潰されて
ケロリと治って戻ってくる と
そうか そういう危ない個体を
潰して回ってるのが フードさん
とかの仕事なんだろうな
あと 長鉈さんとかも そういう
役割なのかな?
ま 彼の場合は そういう自覚は
なさそうだけど
でも とにかく危ないよ
私も被害にあったことあるし
生首くんとか 手首くんあたり
捕まったら 食べられちゃうよ
と 身振り手振りもそえて説明
そう 怪異は 共食い する
食べられると 再生しないから
死んでしまったってことになる
再生中でも 運が悪く
小さい 目玉の怪異とかに
食べ尽くされたら死んでしまう
ツギハギくん的にも
いつも 潰れているのは
危険だと思う
彼の勝手でそうなるのは
仕方ないけど 私のやらかし
関係で死なれるのは ちょっと
申し訳ない気もするし
とか 言ってみる
銀髪さんと這いばい男さんは
黙って ちょっと悩んでる
そこに 生首くんが 後押し
してくれた
『あなた 心配 わたし
うれしい!』 と
もうっ 可愛いなー!癒しだよ!
『よし よし』
這いばい男さんと一緒に
ツギハギくんを探すことに
なった
ツギハギくんは 自分の場所で
お食事中だったから 見つける
のは 簡単だった
問題は すでに2体以上食べてた
彼が暴走してた こと
キャハハハ ゲラゲラゲラ
ギラギラした青い目が
ギョロリと こちらを見た
うーん 楽しそうでなにより
だけど
いろいろトんじゃってるね?
『なに? 楽しい!遊ぼう!
遊ぼう!』 ギャハハハハ
あー まだ 一応話せてはいるね
何がそんなに楽しいのかは 全く
わかんないけど
銀髪さんのとこに このまま
連れていけるかな?
這いばい男さんと相談しようと
少し彼から目を離してしまった
ガッ と腕をつかまれた
凄い力で 引っ張られる
あー また誘拐ごっこ?
そう思ったとき
今度は 這いばい男さんが
ツギハギくんの腕を掴んだ
『あなた! ダメ!!』
いつの間に立ち上がってた
這いばい男さんが
腕を 掴み上げると
ツギハギくんは 簡単に
私を離し 身体を捻って
這いばい男さんの手からすり抜け
廊下に 転がり出た
這いばい男さん手には
彼のジャケットだけが残った
廊下を走って行く足音と
『遊ぶ!追う 来て!』
『楽しい!!』 ギャハハハハ
遠ざかっていく 笑い声
面倒くさい!もう放っておきたい
『行く?』と 這いばい男さん
仕方ない 『行こう』
ツギハギくんは 完全に
逃げはしない
わざと捕まりそうで捕まらない
距離をとって 遊んでいる
私は だんだんイライラして
きて いて 判断を誤った
急いで ドアを開け 走り込んだ
先に 床が無かった
グシャ!! かなりの高さを落ちて
少し気を失っていたようだ
人間だったら 即死だったな
目を開けると 間近に青い目玉が
光っていた
ツギハギくんが 覆い被さって
いて 私は口を押さえられている
『んー!!』 洒落にならない!
抗議するがどいては くれない
這いばい男さんの気配はない
コイツもそれを
確認していたようだ
『 つかまえた つかまえた 』
ゲラゲラゲラゲラ
失敗した!
鬼 は 私ではなかったんだ
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