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ここはシクフォニ6人が通う高校”シクスフォニア高校”通称”シク学”そんなシクス高校の日常を少し覗いてみましょう
シク学の1日は、だいたいけたたましいブレーキの音と、全力の怒号から始まる。
「待てコラぁあ!! らん!! こさめ!! 止まれって言ってんだろ!!」
校門の前で腕を組み、仁王立ちしているのは風紀委員長のいるま。その前を、ブレザーのボタンを全開にした高1コンビ、らんとこさめが文字通り風のような速さまで自転車を加速させて駆け抜けていく。
「いるまくんおはよー! 今日も顔怖いよー!」
「いるまー、遅刻するー! どいてどいてー!」
「どくわけねぇだろ! 1分前だ! あとチャリの2人乗りすんな、降りろ!!」
いるまの怒声が響き渡る中、その横を「おはようございまーす」と、教科書の山を抱えたすちが眠そうな目を擦りながら通り過ぎていく。さらにその後ろから、完全に寝坊して髪が爆発した状態の暇72が、食パンをくわえる余裕すらなく全力疾走で滑り込んできた。
「ハァ、ハァ……セーフ! いるま、今のセーフな!?」
「アウトだよバカ! 髪直してこい!」
そんなカオスな校門前を、一台の高級外車が静かに通り過ぎる。後部座席から優雅に降り立ってきたのは、この学園の理事長補佐にして、なぜか普通に生徒として通っているみことだった。
「みんな、朝から元気だね。いるまくん、あんまり怒ると眉間にシワが寄っちゃうよ?」
「みこと……! お前、身分隠す気ゼロだろ! あと早く門入れ!」
これがシク学。
個性が強すぎる6人が集まった、世界一騒がしい学び舎の日常である。
*
1時間目。現代文の授業中。
教室内は、ある「静かな戦い」が勃発していた。
「……んー……」
机に突っ伏し、限界を迎えているのは暇72。昨晩、遅くまでゲーム(または動画編集)をしていたせいで、猛烈な睡魔に襲われている。
(やべぇ、先生めっちゃこっち見てる……。でも、目が、開かない……)
暇72のすぐ後ろの席のすちが、その様子をじっと見つめていた。すちはそっとシャーペンを握り直すと、暇72の背中をリズミカルにツンツンと突き始める。
(なつ、起きろ。先生がチョーク構えた。あ、今こっち向いた。ロックオンされたぞ)
(すち……ありがてぇ……でも無理だ、意識が……)
カツ、カツ、カツ。
先生の足音が暇72のデスクに近づいてくる。万事休すかと思われたその瞬間、窓際の一番後ろの席から、信じられないほどのデカい声が響いた。
「先生ーーー!!! 質問でーーーす!!!」
いるまだった。あまりの大音量に、暇72の意識が強制シャットダウンから叩き起こされる。
「なんだ、いるま。静かにしなさい」
「いや! ここの段落の、作者の気持ちがマジで分かんなくて! 作者、この時何食ってたんですかね!?」
「……そんなことは教科書に書いてないが……」
いるまがわざとらしく、かつ全力で的外れな質問を繰り返して時間を稼ぐ。その隙に、暇72はすちから渡された目薬を音速で差し、何食わぬ顔で教科書を開いた。
(いるま、ナイス……!)
(貸し1な、なつ)
いるまは先生に怒られながらも、机の下で暇72に小さくサムズアップを送る。口は悪いが、メンバーの危機には絶対に体を張るのが、この学園の頼れるツッコミ役だった。
*
お昼休み。シク学の食堂は、今日も戦場と化していた。
「本日の限定10食! 特製メガ盛りからあげ丼、残り1つです!」
食堂のおばちゃんの声が響いた瞬間、2人の影が激しく火花を散らした。
らんとこさめである。
「それ、僕の! 今日は朝から唐揚げの口だったの!」
「いやいやこさめくん、俺なんか昨日の夜から唐揚げのことしか考えてないから! 俺の勝ち!」
「あー! らんらんがずるした! 今足引っ掛けようとした!」「気のせいだってー!」
2人がキャーキャーと争っている間に、横からスーッと綺麗な手が伸びて、最後の丼の食券を回収していく。
「あ、ありがとね。じゃあ、からあげ丼1つ」
「「えっ」」
らんとこさめがゆっくり振り返ると、そこにはにこやかに微笑むみことが立っていた。
「あはは、2人ともお疲れ様。これ、すごく美味しそうだよね」
「み、みことくん……それ、僕たちの……」
「ん? 何か言った? あ、そうだ、いるまくんが2人のこと『お昼休みに廊下を走るな』って探してたよ?」
「「げっ!!」」
みことの背後に、本物の鬼のような形相をしたいるまが見えた気がして、年下2人は一目散に退散していった。
「ふふ、これでゆっくり食べられるね」
満足そうに微笑むみことの隣に、購買の焼きそばパンとイチゴオレを持ったすちが、ふらりと現れて席に座る。
「みこと、相変わらず容赦ないね」
「人聞きが悪いなぁ。俺は普通に並んで買っただけだよ?」
「はいはい。あ、その唐揚げ1個ちょうだい」
「えっ、すちくん!? それはダメだよ、俺の唐揚げ……!」
普段は完璧な王子様風のみことが、食べ物のことになると急に子供っぽくなるのを、すちは楽しそうに眺めながら焼きそばパンを齧るのだった。
*
放課後。夕暮れ時の教室。
部活動の義務がない6人は、なんとなくいつもの教室に集まって、ダラダラと過ごすのが日課になっていた。
机をいくつか引っ付け、暇72とすちがスマホでゲームの対戦をしている。
その横で、こさめがらんの髪の毛をいじって変な髪型にしようと遊んでおり、らんは「痛い痛い!」と言いながらも嬉しそうに笑っている。
いるまは、今日提出された課題のプリントの山を不機嫌そうに丸付けしながら、「お前ら少しは静かにしろ」と定型文のようなツッコミを飛ばしている。
みことは、そんな5人の姿を動画で撮影しては、一人で楽しそうに笑っていた。
「あーあ、学校だるいなー。毎日休みになんねぇかな」
暇72がゲームの画面を見つめたまま、ぽつりと呟く。
「なつ、それ毎日言ってる。学校来なかったら、家でずっと寝てるだけでしょ」
すちが冷静に画面をタップしながら返す。
「いいじゃん、寝るの最高。でもさ……」
暇72はゲームを一時停止すると、スマホを机に置いて、大きく背伸びをした。
「学校はだるいけど、お前らに会えねぇのは、ちょっと退屈かもな」
一瞬、教室が静かになった。
いつもは斜に構えている暇72が、珍しく素直な言葉を口にしたからだ。
「……何それ、なつ。寂しがり屋なの?」
こさめがニヤニヤしながら顔を覗き込む。
「は!? 違うわ! 言ってみただけだろ!」
「顔赤ーい! なつくんツンデレだー!」
らんとこさめがここぞとばかりに煽り始める。
「おい、なつ。その言葉、録音しとけばよかったな」
いるまがニヤリと笑う。
「ちょっとみんな、なつくんをいじめないあげてよ。……俺は、今の言葉動画にバッチリ収めたから、後でみんなに共有するね?」
「みこと、お前が一番タチ悪いわ!!」
暇72の叫び声が、夕焼けに染まる教室に響き渡る。
すちはそれを見て、「あはは、今日も平和だね」とパックのイチゴオレを飲み干した。
どこにでもあるような、でも、この6人にしか作れない、騒がしくて愛おしい時間。
シクスフォニア学校の1日は、今日もこうして笑い声と共に暮れていく。
「おい、もう帰るぞ! 門閉まるぞ!」
「いるまくん、おんぶしてー!」
「するわけねぇだろ! 降りろこさめ!!」
校舎から出ていく6人の影が、長く、仲良く、夕日の道に伸びていた。
シク学の日常を少し覗いてみました。どうでしたか?コメントで感想待ってます
主☆
みこまめ
136
クッキー
360
꒰ঌ甘咲ぬな໒꒱🍭
2,988
コメント
31件
キャッ!この日常エッセンスみたいな空気感、めっちゃ好き〜!!🌸✨ 6人それぞれのキャラがぶれなくて、朝の校門から放課後までずっとニヤニヤが止まらなかったよ😭💕 特に最後のなつ(暇72)の「お前らに会えねぇのはちょっと退屈かも」ってセリフ、不意打ちすぎて心臓ぎゅってなった…! すちのイチゴオレ飲み干すシーンとか、みことの王子様ポジションからの唐揚げ横取りとか、細かいギャップがエモすぎるよ〜!! 続きも絶対読みたい!!また日常覗かせてね、主☆さん⋆♡