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説明会は2時間くらい、高校の教育方針や先生の紹介、推薦入試についての説明、そして30分くらい校長先生が話していた。


長い長い話が終わって伸びをする。


この後は部活の見学だからか周りがザワついている、まぁ私には大して関係ない。


関係は無いけど楽しみだ


私の入試方式は部活動推薦、見学したところで他の部活に入ることは出来ない。


でも


陽「椿葵!部活見学付き合って私普通の推薦入試だからさ、高校こそ本気で部活したい」


陽友は絶対誘ってくれるから。


椿「うん、行くよ」


陽「やった。何部から行く?」


椿「何部でもいいよ」


陽「じゃあ体育館行こ、色んな部活あるみたいだし。」


椿「うん」


視聴覚室を右に曲がり歩き出す。案内図には無い近道、


陽「椿葵?体育館反対じゃない?」


椿「こっちに近道があるんだよ 」


陽「…なんで知ってるの?」


椿「えっだって…あれ」


なんでだ?なんで知ってるんだろう。一人っ子だし親戚が梟谷だった訳でもない、なのになんで


椿「なんで知ってるんだっけ」


陽「?」


嗚呼やっぱり今日は何か変だ、


陽「まぁ近道なんでしょ?ならそっちから行こ!」


椿「うん」



でかい体育館、さすが名門私立


椿・陽「失礼します」


シューズの擦れる音とピリピリした空気で満たされている。


運動部でもないのに懐かしい。


陽「すごいね」


そういう陽友は真っ直ぐバスケ部を見つめている。


陽「私バスケ部入ろうかな」


私も陽友があのコートで駆け回る姿が容易に想像できる。


椿「いいじゃん似合ってるよ」


陽「ありがとう…でもきっと梟谷のバスケ部なんて強いよね、初心者で大丈夫かな」


椿「きっと大丈夫だよ、陽友は背も高いし努力家でしょ?」


陽「えへへ、褒めても何も出ないよ」


椿「そっかw」


笑いながらも陽友の目線は変わらない、


陽友がこれだけ惹き付けられるなんて、きっと高校の部活というのは陽友みたいに真剣で強い志を持つ人が集まっているんだろう、だからここの空気は熱く手堪らないんだ。


バスケ部も卓球部も新体操部もバレー部も、


なんて、ロマンチストだな、やめy。


バンッ


破裂音のようなものが私の思考を消し去る、驚いて音のする方へ振り返るとさっきと同じ太陽の匂い、そして、


勢いよく飛んでくる青と黄色の流れ球。


多分バレー部だろう、バレー部の流れ球なんて当たったら一溜りもない、


でも


体が前へと走り出す。


あなたがトスを呼ぶ声がする。


この感覚、知っている、俺は強く知っている。


この声も感覚も匂いもあなたの姿も忘れちゃいけなかった。


このボールと自分の手が視界を埋め、でもあなただけを見つめる心地良さ。


ずっと思い出せなかった、


「木兎さんッ!」


このボールを届けあなたの翼になることの快感が。


ドンッ


さっきとは違うボールが床に叩きつけられる音。


そして駆け寄ってくる足音に顔を上げる。


「ナイスキー木兎さん」


「あかーしもナイストス!久しぶり」


「本当に、長いんですよバカ、逢いたかった、ずっとずっと」


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