【 1話 】
※潔取り合いです。リクエスト作品!!!!
※キャラ崩壊しないように頑張ります。氷織くんは今回は潔取り合いを見守る保護者ちゃんです。黒潔には反応します。
※全部食堂で行われます()
潔世一は、最近困っていることがあった。
青い監獄内のシステムなどでは別に困ってなかった。なんならそれが、世界一のストライカーにするんだったら妥当だよな…なんて納得していた。
最近困っていることは、なんだか毎日食堂に行くと、喧嘩に巻き込まれることだ。
最近では”ドイツ棟”や”スペイン棟”…と、派閥が別れており、違う棟の奴らとはあまり会わなくなってしまったのだ。だが、食堂は皆共同なのでチームメイト等にも会えたりするようになっている。
なんだか、最近潔が食堂に出向くと、誰かが潔を巡って喧嘩をしているのだ。いやなんで?と思いつつその光景を見ていると、その喧嘩に巻き込まれてしまう。なので、だんだんと食堂に行くのが面倒臭いと思っていた。
だが、そんな訳にもいかなかった。ハードなトレーニングを重ねた後、勿論腹が減るからだ。
今現在は夜。ハードなトレーニングを何時間もやり遂げた今、重い足取りで食堂に向かっている最中である。何日も何日も言い合いが起きているので、もう慣れてしまった。はぁ…と溜め息をつくと、食堂のドアを開けた。
「だーかーらっ!潔は俺の”相棒”なの!要するに!!俺のなんだよ~!!」
「潔は俺のだよ。だって何回も頼りにされてるし…新しい相棒は俺なんじゃない?時代遅れだと思うよ蜂楽クン」
「いやいや、俺との方が絶対あいしょーぴったりだもん!トリップよりもドリブルの方が使いやすいじゃーんっ!!」
そこには、若干いらついている蜂楽廻と、凪誠士郎が言い争いをしていた。…今日で何回目だよ、これ。潔は呆れながらそう呟いた。もう入る気になれないものだ。期待のルーキーであるこの二人の論争なんて注目を浴びるモンであり、その中に巻き込まれている潔なんてもっと注目を浴びてしまう。
もう嫌だな………と思いつつ、その二人にばれないように通りすぎようとする。だが、その願いは当たり前だが叶わなかった。
「あ!!いっさぎ~っ!!!♪」
「潔に抱きつかないでよ蜂楽。…ねえ、どっちが潔の相棒?勿論、俺だよね」
「は~!?俺に決まってるじゃーん!ねっ、俺だよね~!!」
にこにことバッグハグをしてくる蜂楽に、今日も今日とて修羅場を作りあげようとする凪。そんな二人に、潔は頭を抱えた。元々から問題児だった二人が、もっと問題児になってきて、困るしかなかった。こういう手の物は穏便に済ませた方がいい、と学び始めたので、どちらともという選択肢の方が妥当だろう。
「ど、どっちも~……かなあ?」
「「は?相棒にどっちでもなんてないけど」」
「ひぃ……」
此処が乙女ゲームだったらどんなに良かったか。自分の最善と思った選択肢が相手にとっては不都合という…地獄みたいな時間である。にこにこ笑っていたはずなのに、目はもう笑っていない蜂楽と、いつも通り無表情だけど若干顔がムスッとなっている凪。この二人に挟まれている潔は、他のチームの奴らに変なやつと思われているだろう。
俺は関係ないんだ!こいつらが俺を巻き込んでるんだ!!と大声で言ってやりたい。
「ま、まぁまぁ…そんくらいでええやろ…な?」
「ひ、ひおり…ッッ!」
潔の肩を持ち、呆れながらも場を終息させようとする氷織。いつも氷織が対処してくれるのだ。毎回毎回潔は氷織がまるで神様のように見える。もう氷織大好き。なんて言ってやりたかった。だがしかし、そんなことを言えばこの二人の炎は20倍くらい燃えまくるのでやめた。これ以上炎上はもうしたくない。
「はァ?相棒は凪だ。凪が言うんだったら凪に決まってるンだわ」
「だよねー。ほら蜂楽。相棒は俺だってよ」
「む、むむ…!!」
納得いかねー!とわざわざ遠いところから走ってきて会話に乱入してきた御影玲王。明らかに昼ドラで言ったら姑ポジションであろう。それに加え、ゲームの後半あたりのボス戦なのかって位殺意が凄い。蜂楽は悔しそうに歯を食いしばる。
潔は意味がわからなかった。なんでこんな俺は巻き込まれるんだろう、と。それは氷織も同じだった。二人とも目を見つめて、うんうんと相槌した。意志疎通ができたのだろう。この場では、きっと氷織が一番のバディにふさわしいに違いない。
「ぷはっ!んじゃ、俺も悪ノリして!
俺”が”潔の相棒だっつーの。なぁ?いーさぎ。
後でよしよししてやるから相棒だよって言え!」
「悪ノリすんな!!そしてよしよしは別に求めてねえ!!」
心底面白そうに乱入してきた千切豹馬。格好よく決めている為、ある程度の女性のハートは掴めるだろう。確実に。だが此処は青い監獄だ。女性なんぞ、帝襟アンリしかいないのだ。帝襟アンリは選手達には全然顔などは出さないため、いないのと同じ。なので無論、男はいないのと同然なのだ。
よしよししてやるからって、何歳だと思ってんだ俺を!!というと、千切はまた面白そうに頭をガシガシ!と撫でた(乱暴にした)。それに腹を立てた連中達はまた言い争いを始めた。
「いやあ~…場の空気ドロドロにすんのって、こんな気持ちいいもんなんだな」
「いや、そこにエゴを持ち込まんといて……これ以上ドロドロにしたら昼ドラみたいな感じになるで…」
「大丈夫大丈夫。既に昼ドラだから。ぷはっ!おもしれーw」
「おもしれーw…じゃないんだよ!!巻き込まれてる俺の立場になってみろよ!!(泣)」
「良かったじゃん、巻き込まれて。ほら、乙女ゲームっぽくてドキドキするだろ?」
「ドキドキって…違う意味でのドキドキは確かにするけれども!!」
ワガママお嬢め…と眉を下げる。野郎しかいないこの監獄でどう乙女ゲームっぽいのを味わいと?そんなの無理に決まっている。無理な課題だ。確かに顔面偏差値は皆いいが、かといって全員エゴイストしかいないのだ。絶対嫌だ。この世界が乙女ゲームだったら舌を切ってでも死んでいる位だ。
そう思いながら苦笑いをしていると、ふいに肩を掴まれた。上を見上げると、見覚えのある金髪の男が立っていた。
「世一~~!!何をやってるんだ~?」
「世一ごときがカイザーに触って貰えるだなんて死んでもないことですよ。光栄に思いなさい」
同じく”ドイツ棟”のミヒャエル・カイザーとアレクシス・ネスだった。偉そうな上から目線(物理的にも)のカイザーに加え、ぱちぱちとにこにこ笑ってカイザーに向けて拍手をするネス。もう地獄だった。…否、地獄の方がましなのかもしれない。
氷織は”御愁傷様やね…”と憐れんだ眼差しで潔を見つめた。流石の氷織も、天下の皇帝サマと魔術師サマには構わないらしい。潔は泣きたくなった。この二人の相手をするということは、ずっとうざ絡みをされるということだから。この二人の相手は死んでもしたくないため、蜂楽達に助けを求めようと、言い争いをしているところに目を向けた。
「だ~~か~~ら!!!俺の方が潔のこと大好きだしーっ!!!!!!」
「俺の方が好きに決まってんじゃん」
「俺だよ俺。俺はさっき撫でた(乱暴にした)し?それを潔は許してくれた(許す他なかった)し?これは俺の勝ちだな」
「はあ!?俺だって!!スキンシップとかも全然許してくれる(不意すぎて注意できない)し~っ!!」
「…俺だって、俺の世話してくれる(そうしないとなにもしてくれない)し」
…あ、だめだこりゃ。と、潔は思った。
言い争いに集中しすぎてこちらのことを見向きもしてくれない。自分で争っている癖に、なんで見向きもしてくれないのだ。
気づかぬ内に次第に、カイザーの手が潔の腰に近寄っていっていた。え、なにこれ??と思った時には遅くて、気づけばガッチリとした胸板に閉じ込められていた。上を見下ろすとどや顔をかましているカイザーが見える。自分より遥かに高い身長のため、上目遣いみたいになってしまった。
「なんだ世一~??そんなに俺を好いてるのか?なんだ、可愛いやつめ」
「世一ごときがカイザーに褒められることなんて輪廻転生してもないんですから、喜びなさい」
「違うわ!!身長差があるから上目遣いみたいなのしかできなくt…じゃなくて離せッッ!!!」
ぶんぶんと手を振って対抗したとしても、その手が潔の腰から外されることはなかった。なんなら2倍ほどまた力が強くなっていっている気がする。
潔の声を聞き我に帰った蜂楽達(千切以外)は、こめかみをピキらせながらカイザーの腕を潔から剥ぎ取った。
氷織は怖い怖い…と言って、もくもくと食べている黒名のところへと逃げていった。軽く見捨てられてしまったのだ。
「もおお…なんでこんなことに……」
「ぷはっ!ほんっとおもしれーっww」
「おもしろくねーよ!!!」
……青い監獄は、今日も平和だ。(白目)
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遅くなってしまったのでおまけ……
「おい、才能の原石共よ。さっさと飯を食って寝ろ。というか邪魔だ。」
「「「「「はーい」」」」」
毎回毎回このパロディでは絵心が場を沈めてます。絵心が沈めない限り、この論争は止まりません()
またまたリクエスト、どうもありがとうございました!!!
書くの楽しすぎてまた長くなっちゃった…ごめんなさい……
またリクエストくださると嬉しいです!!
リクエスト随時受付中ですよ~!!!
(ここぞとばかりの宣伝)
コメント
6件
ありがとうございます😭潔くん愛されしか勝たん!!!!!!