テラーノベル
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最近、よく悪い夢を見る。
彼奴が、俺の隣国が消える夢。
彼奴の自慢と話していたブルースターの花畑の丘で。
いつも、いつも、いつもいつもいつも。水に溶けるように、壊れるように消える。
「ねぇ、イギリス。」
少し低い、いつもの声。
「…なんだ 」
「もし俺が消えたら、どうする?」
「…はっ、縁起でもねぇな。」
「え〜っ、でももしかしたら消えちゃうかもね?♡あ、俺が死んだらブルースター供えてよ♡あの世で自慢してあげるんだから。」
「…なんだって?」
「聞きたい?」
ほんのりと耳を赤くして答えた。
「大っ好きな隣人からの最期のプレゼント!」
「ッ…」
俺は今、何を考えていた?ルウィアルはまだいる、居るはず。居るよ。居るに決まってんだろ。
「…イギリス?」
「…あぁ、何でもねぇよ。」
「……。」
数日後、世界会議場
「…結局、彼奴は戻らないのか。」
ドイツがぽつりと呟く。
「…俺は、ヒーローなのに…。」
アメリカが呟いた。
「なら正直に伝えるのはどうよ!あいつもバカ正直にいえばわかってくれるし〜!」
ポーランドが能天気にそう言い放った。
「ポーランド…!ダメだよ!今のイギリスさんは聞かないよ!」
リトアニアが止めた。
「……どうすれば、いいんですか。」
日本が心苦しそうに言った。嘗ての同盟国が、あれほどまでになったことを理解出来ないのだろう。
「…お兄さんさ、イギリスは嫌い、ほんっとうに大嫌い。」
フランスがぼやいた。
「でも、アーサー・カークランドという一個人としては嫌ってない。」
「フランスさん…?」
「確かにあいつは腹立つ。まじで腹立つ。でもさ。」
「あの子と一緒にいた時のあいつは、他の奴らといる時より楽しそうで、幸せそうだった。」
「そんな奴が消えて、正気を保てるか?俺は無理だ。無理に決まってんだろ…。」
机に項垂れた。
「あいつの気持ちが、苦しいほど分かっちまうよ。」
「フランス兄ちゃんッ…。」
イタリアがフランスに駆け寄った。
たかだかヨーロッパの一小国の消滅程度で、と思う輩も居るかもしれない。
だが、彼はそんな垣根も忘れさせてしまうほどフレンドリーな男だった。
会議場に遅れたらまずいとスケートボードで来た時は会場中からツッコミの声が上がり、「ごめんねぇ♡」と甘ったるい反省の色なしの声で誤り、席につく。だが皆から友として信頼され、ルウィアルもそんなみんなを友と信頼していた。
そんな彼が消えて、何も感じないという輩は居るのだろうか。
コメント
1件
第6話、読み終えました…。 あの「ブルースターの花を供えて」ってやり取り、軽い口調なのにすごく胸に刺さりました。消える夢を見るって冒頭から既に重くて、それでも「縁起でもねぇな」って返すイギリスの不器用さが切ないです。 でもやっぱりフランスの「あの子といた時のあいつは楽しそうだった」って台詞が一番響きました。失ってから気づく日常の尊さ、ってやつですね…静かな闇と温かさが混ざる、好きな話でした🥀
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#アーサー・カークランド
桜餅という名の変人
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#ヘタリア二次創作