『悪魔執事はヴァンパイア』〜私の血は彼らを惑わすSWEET BLOOD〜
TWELFTH BLOOD 俺に寄越せよ。あんたの全部を。
〜ナック編〜
(大変なことになった…。ナックが寝起きの時に話しかけてしまった。)
遡ること数分前。
ナックは3階執事部屋で仮眠を取ったらしい。
そして私はそれを知らずナックのベット脇に
メッセージを置いてきてしまったのだ。
そして今寝起きの状態で私の部屋に来たのだ。
『寝起きの俺を呼び出すとは…命知らずだな。あんた。』
『あーいや、えと……。』
『このメッセージ、俺にだろ?オランジェットが私の部屋にあるから一緒に食べよう。俺のことだよな。オランジェットは俺の好物だし。』
(まずい…早くメガネかけさせないと。)
私は隙を見て部屋を出ようとする。
だけど、そんなの無意味だ。相手は元伝説の殺し屋。
グイッ
ナックに手を引かれ、両手を頭の上で拘束されてしまう。
ドンッ
そのまま後ずさりし、壁に背中を着く。
『どこに行くんだ?やっとあんたからの誘いなんだ。こんな機会逃がすわけねぇだろ。』
『っ……。』
『今俺は凄く喉が渇いてるんだ。あんたの血寄越せ。』
『ぁ、待って、ナック――っ。』
ナックは首筋に牙を立てる。
カプ…ッ。
『ん……。』
ゴク、ゴク……。
『ん…ふっ。甘ぇな。俺を完全に受け入れてる味だ。それにこの甘い香り…。堪んねぇな。』
ドサッ!
ナックは私をベットに押し倒す。
ギシッ…。
『なぁ…主様。俺に寄越せよ。あんたの全部を。もう俺だって限界なんだ。』
『っ…。』
(猛獣な時のナックは言葉遣いは荒いし怖いけど、ちゃんと私のことを気遣ってくれるのは分かる。だって、ちゃんと私の答えを待ってくれる。)
『いい、よ…。ナックにあげる。私の全部…。』
『っ…。俺をこんなんにできんのあんただけだぞ。覚悟しろよ。もう嫌だってくらい鳴かせてやる。』
行為の激しさで、軋むベット。
『ん、や…ぁ。』
身体に汗が流れる感覚。
『嫌じゃねぇだろ。こんなにしといて。』
好きな人からの狂おしい程の愛撫。
全てが愛おしい。
『もう他の誰にも渡さない。俺から逃げられると思うなよ。』
チュッとほっぺにキスをされる。
(逃げるつもりもない。仮に逃げても貴方になら捕まってもいい。)
『逃げるつもりなんかない…。もしも私が逃げた時は――必ず捕まえに来て。』
『あぁ。必ず俺のところへ連れ戻してやる。』
『ん…。』
舌を絡める熱いキスを交わす。
気付けば朝は明けていた。
『…ん。もう朝か?』
『すー…すー…。』
『…そうか。昨日は…。ふっ。』
むにっ。
『ん…。』
主様のほっぺをつまむ。
『アホみてぇな寝顔だな。まだ寝てろ。後で起こしに来てやるよ。』
俺はベットから起き上がり主様の部屋から出る。
『ふわぁ……寝みぃ。』
(でも悪くねぇ目覚めだったな。久しぶりに。)
次回
THIRTEENTH BLOOD 俺だけ見ててください。主様。
(これだけじゃ難しいかな…。)
コメント
12件
すぅぅぷちさん愛してますわこっちのナック好きだからまじで嬉しい!次回も楽しみ!あと多分だれかわかったぁ!
1日に2話も連続で更新されるのめちゃくちゃ嬉しいです。
もしかして二階の執事のあの子ですか?