テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

side:🍈

「えーっと、しろせんせーに関する愚痴って…?」

…まちこさんとせんせーって結構仲良いと思うんだけどな

撮影中も配信中もよく2人だけで話すのをよく見る。まぁ、せんせーがまちこさんにちょっかいかけてると言った方が正解だろうが

「……本当に誰にも言わないでよ?本当に真面目に…」

ようやく覚悟を決めたのか、そう言う彼女はきっとせんせーが見たら可愛いと言うだろう。顔が真っ赤という事もあり、可愛いのだ。

…この人顔がいいの忘れてた

普段から不憫な扱いを受けているせいだろう。普通に忘れていた。

「大丈夫、絶対言わないよ」

「本当に?」

「本当に」

「……実は、」

「その、せんせーってさ、私に対して結構色々言ってくるじゃん」

「うん…?」

…色々?

「色々って?」

「あの、その、ほら、人が勘違いしそうな事…」

「……あぁ」

“人が勘違いしそうな事”で心当たりしかない。実際、普段からその発言聞いている俺も勘違いしそうになる。

「あれだよね?月が綺麗ですよねとか可愛いとか」

「そう!それなんだよおぉ」

「気持ちはお察しします」

俺が絶対周りに言わないと宣言したからか、それとも、先程お酒を一気飲みしたからか、彼女の口からは様々な思いが出てくる。

「普段からまちこまちこってなんだよぉ、恥ずかしくなるし、ちょっと嬉しくなる自分が嫌になるしさぁ…」

「コラボの時もさぁ、私の作った俳句にすぐ可愛いとか言っちゃったりしてさぁ、」

「あー…」

「私の枠でヒューマンホールフラットの配信した時も、ずっと抱きついたりさぁ、どうしたらいいか分からなかったし…うぅ」

「うーん……」

こんな、色々聞いてしまっていいのか。お酒をかなり飲んでいたせいか、もう思いが出てくる出てくる。お酒を飲んでいない俺が聞いていて恥ずかしくなってくる。

…それはもう惚気でしょ

「あのー、まちこさん?」

「んぇ?」

「俺が居る意味って…」

…俺が居る意味ってあるのだろうか

「ん〜〜…そのね、私、せんせーに言われてきた事、結構大事にしちゃっててね、名前呼ばれる度嬉しくなっちゃったり、」

「んん”」

…聞いてるこっちがお腹いっぱいだ

「でもさ、こういうの1人で抱えるとさ、だんだんしんどくなっちゃって、誰かに話したかったの」

「だってさ、」

「…せんせーは私の事何とも思ってないでしょ?」

「ただのメンバーとして、友達としてしか見てない。あぁやって、せんせーが私に言ってる事もおふざけに過ぎない、ただのビジネスなんだよ…ね」

そう笑いながら言う彼女の顔は、あまりにも悲しそうな、今にも泣き出しそうな顔だった。

「……」

「で、誰かに吐きたかったの。抱え込んでるのがしんどくて、それで、思い浮かんだ人がキャメさんだった」

「俺?」

「そう、キャメさんなら私がこんな事言っても受け止めてくれそうだし、受け入れてくれるかもって……ごめんね、こんな、こんな事のために呼んじゃって、キャメさんの時間使っちゃって、」

彼女の乾いた笑いが部屋に響く。

…あぁ、この人は

我慢しちゃってるんだ。普段から溜め込んで溜め込んで、誰かに話さなかったらきっと潰れてしまう。

……俺と同じだ

「大丈夫、大丈夫だよ。もう何でも話して、嫌なことも全部聞くから。アドバイスとかは…上手く出来ないけど、聞くことなら出来るから、だから、だから、」

「溜め込まないで」

これは、紛れもない俺の本心だ。彼女が1人勝手に潰れる所は見たくない。メンバー皆で笑いあっているところを俺は見たい。

「……」

俺の言葉を聞いた彼女は、呆然としていた。

…ちょっと恥ずかしかったかも

元々あまりこういう事をいうタチではない。ましてや、女性に言う機会なんて今までに一度もなかった。

「その、こんな俺で良かったら、いつでも聞くし…今も全然聞くし…」

恥ずかしさのあまり俺が言葉を詰まらせていると、

「っふふwキャメさんがそんな事言うと思わなくて」

とまちこさんは安心したように笑った。

「…ありがとう、キャメさん」

「じゃあ、聞いてもらおうかな」

「! はい、全然聞きますよ!」

「そんないい話じゃないってばw愚痴だよ?」

「いやいや、ほぼ惚気だよwそれ」

「えぇ…?」

…良かった、まちこさんの調子が戻ってきた

正直惚気を聞くのは、既にお腹いっぱいである俺の身が持たないかもしれないけど、それで友達である彼女の気持ちが軽くなるならいくらでも聞こう。

…それに、俺結構信頼されてるみたいだし

その事実が分かっただけでも嬉しい。

…いや、思った以上に嬉しいな

「キャメさん顔すごいニヤけてるwwどうしたのw」

「えぇ?wまじかぁww」

今日の俺は相談役

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

97

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚