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side:🍈
「えーっと、しろせんせーに関する愚痴って…?」
…まちこさんとせんせーって結構仲良いと思うんだけどな
撮影中も配信中もよく2人だけで話すのをよく見る。まぁ、せんせーがまちこさんにちょっかいかけてると言った方が正解だろうが
「……本当に誰にも言わないでよ?本当に真面目に…」
ようやく覚悟を決めたのか、そう言う彼女はきっとせんせーが見たら可愛いと言うだろう。顔が真っ赤という事もあり、可愛いのだ。
…この人顔がいいの忘れてた
普段から不憫な扱いを受けているせいだろう。普通に忘れていた。
「大丈夫、絶対言わないよ」
「本当に?」
「本当に」
「……実は、」
「その、せんせーってさ、私に対して結構色々言ってくるじゃん」
「うん…?」
…色々?
「色々って?」
「あの、その、ほら、人が勘違いしそうな事…」
「……あぁ」
“人が勘違いしそうな事”で心当たりしかない。実際、普段からその発言聞いている俺も勘違いしそうになる。
「あれだよね?月が綺麗ですよねとか可愛いとか」
「そう!それなんだよおぉ」
「気持ちはお察しします」
俺が絶対周りに言わないと宣言したからか、それとも、先程お酒を一気飲みしたからか、彼女の口からは様々な思いが出てくる。
「普段からまちこまちこってなんだよぉ、恥ずかしくなるし、ちょっと嬉しくなる自分が嫌になるしさぁ…」
「コラボの時もさぁ、私の作った俳句にすぐ可愛いとか言っちゃったりしてさぁ、」
「あー…」
「私の枠でヒューマンホールフラットの配信した時も、ずっと抱きついたりさぁ、どうしたらいいか分からなかったし…うぅ」
「うーん……」
こんな、色々聞いてしまっていいのか。お酒をかなり飲んでいたせいか、もう思いが出てくる出てくる。お酒を飲んでいない俺が聞いていて恥ずかしくなってくる。
…それはもう惚気でしょ
「あのー、まちこさん?」
「んぇ?」
「俺が居る意味って…」
…俺が居る意味ってあるのだろうか
「ん〜〜…そのね、私、せんせーに言われてきた事、結構大事にしちゃっててね、名前呼ばれる度嬉しくなっちゃったり、」
「んん”」
…聞いてるこっちがお腹いっぱいだ
「でもさ、こういうの1人で抱えるとさ、だんだんしんどくなっちゃって、誰かに話したかったの」
「だってさ、」
「…せんせーは私の事何とも思ってないでしょ?」
「ただのメンバーとして、友達としてしか見てない。あぁやって、せんせーが私に言ってる事もおふざけに過ぎない、ただのビジネスなんだよ…ね」
そう笑いながら言う彼女の顔は、あまりにも悲しそうな、今にも泣き出しそうな顔だった。
「……」
「で、誰かに吐きたかったの。抱え込んでるのがしんどくて、それで、思い浮かんだ人がキャメさんだった」
「俺?」
「そう、キャメさんなら私がこんな事言っても受け止めてくれそうだし、受け入れてくれるかもって……ごめんね、こんな、こんな事のために呼んじゃって、キャメさんの時間使っちゃって、」
彼女の乾いた笑いが部屋に響く。
…あぁ、この人は
我慢しちゃってるんだ。普段から溜め込んで溜め込んで、誰かに話さなかったらきっと潰れてしまう。
……俺と同じだ
「大丈夫、大丈夫だよ。もう何でも話して、嫌なことも全部聞くから。アドバイスとかは…上手く出来ないけど、聞くことなら出来るから、だから、だから、」
「溜め込まないで」
これは、紛れもない俺の本心だ。彼女が1人勝手に潰れる所は見たくない。メンバー皆で笑いあっているところを俺は見たい。
「……」
俺の言葉を聞いた彼女は、呆然としていた。
…ちょっと恥ずかしかったかも
元々あまりこういう事をいうタチではない。ましてや、女性に言う機会なんて今までに一度もなかった。
「その、こんな俺で良かったら、いつでも聞くし…今も全然聞くし…」
恥ずかしさのあまり俺が言葉を詰まらせていると、
「っふふwキャメさんがそんな事言うと思わなくて」
とまちこさんは安心したように笑った。
「…ありがとう、キャメさん」
「じゃあ、聞いてもらおうかな」
「! はい、全然聞きますよ!」
「そんないい話じゃないってばw愚痴だよ?」
「いやいや、ほぼ惚気だよwそれ」
「えぇ…?」
…良かった、まちこさんの調子が戻ってきた
正直惚気を聞くのは、既にお腹いっぱいである俺の身が持たないかもしれないけど、それで友達である彼女の気持ちが軽くなるならいくらでも聞こう。
…それに、俺結構信頼されてるみたいだし
その事実が分かっただけでも嬉しい。
…いや、思った以上に嬉しいな
「キャメさん顔すごいニヤけてるwwどうしたのw」
「えぇ?wまじかぁww」