テラーノベル
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右手にある時計を布団の横にコトリ、と置いて、モトキはリョウカに向き直る。
リョウカの襦袢をその身に繋ぎ止めている細い腰紐を、シュル、とモトキが解いていく。
灯りは全て消されているが、御簾から透け入る月明かりが、リョウカの白い肌を照らしている。
腰紐を全て解くと、もう、リョウカの細い身体に、薄い布が乗っているだけになった。モトキが両手でリョウカを支え、ゆっくりと布団へ、その身を倒す。
肩まで緩んでいるその布を、スル、とさらに払いのける。鎖骨の間の僅か下には、以前見つけた、赤茶の花の痣。前よりもほんの少し、大きくなっていた。
月明かりの下、リョウカの未発達に見える両の乳房が、露わになった。 ふに、と柔らかなそのわずかな膨らみを、モトキが手で優しく触る。
「ん…。」
リョウカから声が漏れる。モトキは、舌を使って、その小さな先端を舐めた。
「あ…!」
びくん、と身体が跳ね、リョウカが思わず自分の口を塞ぐ。
御簾の向こうで、パチパチと松明が弾ける音がして、この二人を守るという名目で、外に人がいるのが見える。
モトキは、そちらを苦々しく睨み、リョウカの耳に口を近づける。
「…恥ずかしいね。」
リョウカが、グッと口を押さえる手に力を込めて、身を捩る。
「…言わないで…。」
消え入る声で、リョウカが囁く。モトキは、何故リョウカとの夜伽を外のヤツに聞かれなければならないのかと疎ましく思ったが、相手が帝なのだから、いた仕方ない。
父の、『覚悟しろ』という言葉には、これも含まれていたのかも知れないな、とモトキは心の中で嘲笑した。
「…モトキ…?」
蚊の鳴く声で名前を呼ばれ、モトキは意識をリョウカに集中させた。
胸の膨らみを手のひらで揉みしだき、片方の蕾を口に含んで、舌で転がす。
リョウカの息が荒くなり、脚をもじもじと動かしている。
乳房を口に含んで弄びながら、右手をリョウカの御陰へと伸ばす。ギュッと脚を閉じて抵抗を試みているが、わずかな隙間から手を捩じ込み、女の突起にしては大きく、陰茎と呼ぶにはあまりに小さいモノを指で優しく触る。
「ふ…ぁ…!」
手が口から離れてしまったのか、一際大きな声が漏れ出る。リョウカのモノは、赤児の時から変わらぬような大きさだ。 それでも、触っていると、じわ、とぬるついた液が先端から出てきた。
なるほど、身体の中に未発達の精巣があるやも知れないな、とモトキは何故だか冷静に考えてしまった。
親指と人差し指で、ぬるっとした液を突起に塗りたくりながら、中指を女たる孔へと沿わせる。既に、そこは潤いを湛えて、モトキの指を中へと誘った。きつい、様な気もするし、正直他の身体を知っているわけではないので、わからない。あまりに中が未発達の場合は、男性のモノを全ては受け入れられないかも知れない。
モトキは気を付けつつ、指を中に進め、その深さを確かめる。
「あ…ぅ…っ。」
リョウカから、少し苦しそうな声が出た。モトキは慌てて、リョウカの顔を見つめる。
「痛い?」
「いゃ…ちが…。」
リョウカは頭を振って、否定する。痛みではないようだ、ならば…?
モトキは指を二本に増やして、孔を広げる。ぬち、と音がして、また奥まで入る。どうやら、ここの大きさには問題なさそうだな。
中で指をクックッと上に向けて側壁を刺激する。
「ん〜…!」
リョウカが口を押さえて身を捩る。やはり、リョウカは痛みではなく、快感を得ているようだ。嬉しくなったモトキは、口を押さえている手を掴んで外し、その赤く濡れる唇に口付けた。リョウカの口内に舌を捩じ込み、逃げるように小さくなるリョウカの舌を絡め取る。舌を激しく追いすぎて、リョウカとモトキの歯がガチ、とぶつかった。
「いっ…ごめん!」
モトキが顔を離して謝ると、リョウカが蕩けた顔で、緩く微笑んだ。
ゾクリと身体の芯が粟立つ。その顔を見て昂ったモトキは、リョウカの脚を広げる。自分の裾を払い、硬く熱を持った自身を、リョウカの孔に当てた。
グッと腰を進め、先端を押し込む。
「あ゛ぁっ…!」
悲痛な声を上げ、リョウカが身を捩った。これは、快楽ではない、痛みの声だ。そう分かっていても、モトキは、止められなかった。息を荒らげ、ゆっくりと、でも確実に、中へと分け入る。
「〜〜!!」
リョウカが、言葉にならない声で、痛みを逃がそうとする。
「…リョウカ、愛してる。」
最後まで、ググッと力を入れて押し込み切ると、先端が硬い処に当たった。男性を全て受け入れるだけの大きさがあった事に、モトキは些かホッとした。
リョウカが、痛みからか、涙を流して目を固く閉じている。唇も噛み締め、両手で敷き布団を握りしめていた。
モトキは、身体をリョウカへ密着させ、しっかりと抱きしめる。リョウカも、ゆっくりとモトキの首へと腕を回し、二人はそのまましばらく抱きしめあった。リョウカは、深呼吸を繰り返し、その初めての感覚に慣れようとしているようだった。
「…リョウカ、動いて、いい?」
「…う、うごく…?って…?」
リョウカが辿々しく訊いてきた。モトキは、それに答えるように、ゆっくりと腰を引いて、ゆっくりと腰を近付けた。
「ぅ…ぁ…!」
「…こういう、こと。」
「ぇ…ぁ…。わ…かっ…た…。」
リョウカは、まだ痛みがあるのだろう、唇をグッと噛み締めて、モトキの動きに備えた。
モトキは身体を起こし、リョウカの腰の横に両手を置いて、またゆっくりと、抜き挿しを繰り返す。リョウカがモトキの腕を掴み、力を入れて握る。
「ぅ…ん…っ…は…ぁ…ん…ん…うぅ…。」
モトキは、リョウカの肩の横に肘をついて、耳元に口を寄せる。
「…痛い…?」
「…ん…。」
リョウカが小さく頷く。 リョウカの力を抜かせようと、耳をモトキが舌で舐める。
「あっ…!ぃや…っ、だ、め…!」
白い首筋をしなやかに伸ばして、モトキの舌から耳を遠ざけようと踠く。それでもモトキは、耳朶を唇で挟んだり、耳輪を舌でなぞった。
「あぁ!だ、め、モトキ…!や、だぁ…あっ…!」
耳が弱いのか、とモトキは口端を上げながら、腰を振る強さを少し高めた。強めに突き上げると、すぐに自身の先端に奥の固い処が当たる。もしかしたら、やはり少し奥行きは小さいのかもな、と思いながら、腰を掴んで何度も打ちつける。ぱんぱんと身体がぶつかる音と、少しの水音が響き渡る。もう外のヤツとか関係ない位に、リョウカが愛おしくて、繋がれてるのが嬉しくて、自分の動きに合わせて声を漏らしてくれるのが堪らなかった。
そろそろ自分の限界が近いと感じたモトキは、また身体をリョウカに乗せて、両手を絡ませながら深く口付ける。
手で口を塞がせてなんかやらない。外にいるヤツに、僕たちの繋がりを思い知らせてやる。
モトキは、一層激しく腰を打ちつける。
「ふっあっあっあぁ、んっんぅ…あ、はぁ!」
舌を絡めながら、リョウカの口から惜しみなく嬌声が漏れる。腹の奥からゾクゾクと快感が昇ってきて、モトキが最奥まで打ちつけると、そこで欲を放った。何度も下腹部に力を込めて、最後の最後まで、リョウカの中へ注ぎ込む。
肩で息をしながら、ゆっくりと抜き、自分の襦袢の裾で自身を拭くと、布に僅かに赤いモノが付いた。破瓜の証だ、とモトキは思った。
横を向いて、ぐったりとしているリョウカに、襦袢を整えて着させる。腰に手を何度か回し、なんとか紐を結んだ。
そっと、リョウカを後ろから包み込んで、モトキも横になった。呼吸を整えたリョウカが、身体を反転させ、モトキの胸へと顔を埋めた。
「…私、初めは、やっぱり動揺した。なんで、友達なのに、モトキなの、ヒロトなの、って…。」
「…うん…。」
「…だけど、今は、これで良かったって思う。モトキだから、怖くなかった。」
「…うん。」
モトキの目から、涙が零れた。リョウカが眉を下げて、モトキの涙を手で拭う。
「…なんで、泣くの?」
「…僕は、怖かった…リョウカに嫌われると思って…。もう、友達でさえいられなくなるって…。」
「モトキ…。」
「でも、好きだから、リョウカが、大好きだから。僕は、僕はやっぱり嬉しかったんだ…。」
「うん…ありがとう、私も、モトキが好きだよ。」
子どもみたいに、リョウカに縋り付いて、モトキは泣いた。心の中で、リョウカに謝り続けながら。
ごめん、ごめんリョウカ。これはやっぱり、僕のせいだと思う。
あの夜、『僕と君の縁を結びますように』って願いながら、力を使って『結い』と唄ってしまった。
きっと、君の相手は、ヒロトだった。そこに、僕が、無理やり入り込んだんだ。
『あとからきたくせに』、入り込んだんだ…。
コメント
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少し疲れてきたなぁ、、私はまだ子供なので色々分からないけど、悲しいことなんだなぁってことは分かります
2話更新ありがとうございます! 切なさが私の中では勝ちました…センシティブなんだけどそれだけじゃない、なんと表現していいんでしょう?いい意味でセンシティブを感じない?上手く言えませんが…💦最後もそういうことだったのかとまた切なく…😔 ちなみに私はMVのリョウカ様(被り物無Ver.)でしっかり妄想できたので問題無しです笑
1日に2回も読めるなんて嬉しいです🙌✨ 結いにはそんな意味があったとは!!! ♥️は2人に負い目を感じながらも、💛ちゃんが好きで、、、 💙はどうするのか、ドキドキです🤭