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「っう···ぐす···ふぐ···」
薄暗い部屋の隅で声を押し殺して涙をこぼす
溢れて止まらない涙は拭っても拭っても間に合わず床に落ちていく
何故涙が出るのか
何故溢れて止まないのか分からない
何が辛いのか
何が悲しいのか分からない
別に一人でいることが苦だとは思っていなかったはずだ
苛められたりひどい目に合っている訳でもない
ただ、漠然とした不安
世界は信用ならない
それ以上に自分が信用出来ない
だから息が苦しい
生きづらい
泣きすぎて普段の呼吸の仕方を忘れてしまったのかもしれない
必死に深呼吸をしようとするのにうまく出来ていないのかくらくらする
大丈夫。俺は大丈夫。大丈夫
そう自分に言い聞かせるけど心の奥に押し込めた何かが大丈夫じゃないと叫んでいる
誰か···
「誰か···助けてよ···」
ずっと言いたくても言えなかった言葉が口からこぼれる
全部自分で選んだ事なのに
全部自分が悪いのに
俺なんかが助けを求めて良いはずがないのに
そもそも何から助けて欲しいのかも分からないのに
それでもやっと言葉にした助けを求める声はしかし誰にも届かずに空気に溶けていく
そうであるべきなのに
誰にも届いちゃいけないのに
それでも誰かに届いて欲しいと願ってしまう
俺は今だけ、ひたすらに泣いて明日にはまたいつもの問題児で単独行動が好きな”ナブナブ”に戻るんだ