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____ウォーターチャンジ王国____
自然と水が非常に豊かで、戦争も起きず平和でとても暮らしやすい国。自然の美しさも、人生で一度は見に行きたいと全世界から賞賛される程であった____
「つかれた……」
そんな国の城の最上階の執務室でそう呟いたのは国王であるMr.すまない。
1930年3月13日に建国されたウォーターチャレンジ王国。国家として成り立ってはいるが、この国の元となったものには多くの秘密があった。国の中を担う国王と各幹部ば元・すまないスクールの教師と生徒、国民の多くはすまないスタールへの依頼人たちである。しかし、その特殊すぎる成り立ちは他国には隠し通さねばならない。そのための書類が文字どおり山詰みなのである。
コンコンコン……
「失礼します。すまない先生、先日の隣国での災害による貿易停止についてですが……いや、先に寝ましょうか」
「いや、いいよ。ブラック、続けて」
数日間の疲労を見てとったブラックが報告を後回しにしようとしたが、すまない先生に促されて渋々報告を続けた。
「____ということになっています」
「このままじゃあ、食糧難も時間の問題か。できれば早く別の貿易相手国をつくりたいところだけど」
そう言って引き出しから一枚の紙を取り出す。
「ずっとなあなあになってた”この国”との会談の時期かもね」
「良いのですか?すまない先生」
「うん。大丈夫だよ」
そう言ってその国の紋章を見せる。
「っ!その国は……」
歯車とペンを組み合わせた級章が陽光にキラリと反射した。
「ふぅ……良かった。これで食糧難にはならなくて済みそうだ」
「それは良かったのですが、あの部屋、空気重かったですね」
「だね~(汗)成圧感のすごい総統さんと目が怖い護衛の人。目を合わせてたら怖さで死んでたね」
「ずっと微妙に目をそらしていたのってそれですか?」
「うん」
そう話していると、Mr.バナナが入って来た。
「急で悪いが、ここの数字が合わないんだが……」
「えっと……ああ、これはですね……」
そう話す二人を見て誰にも聞こえない声で呟く。
「……タスクが山詰みですまない」
数年後。
ガシャンッ!
「え……?」
「すまない先生?」
紅茶が入っていたティーカップを落とし、床に中身とカップの破片を撤き散らした。
「どうしたのですか?」
ブラックはすまない先生が疑視している新間を覗き込む。そして息を呑んだ。
「!?」
____我々国、A国・B国、滅亡____
(あの我々国が減んだ?最強の代名調をもつあの国が?)
ブラックも困惑し、あと少しで自分のパソコンを落とす所だった。
(我々国は最大の質易相手国の一つでもありました……これは早急に対応せねばなりませんね……)
得意の高速情報集収で即座に他国の清報を集め始めた。
「ねぇ、ブラック……」
少し幼さを帯びた声が、ブラックを呼ぶ。
「はい、なんでしょう?」
「“本当に、神様なんて居なかったね”」
そう言うとすまない先生は寝息を立てて眠り出した。
「そんな事を言った時期もありましたね……」
ブラックはすまない先生を部屋に運んだ後、情報管制室に閉じ込もり、情報集を再開した。
「……?この国は……」
ブラックがふと目を止めたのは最近まで取るに足らない程の小国であった、J国だ。
(近年、急激に経済成長していますね……少し調べてみますか……」
カタカタカタ……
「この研究所が出来た頃ですかね……ですが何故?」
ブラックの冷たい声がまた一段と低くなる。「“表向きは”ただの薬品開設会社の施設なのですが」
(少し危険ですが裏をとるしか無さそうですね)
そう考え、ブラックは電脳の海へと潜り込んだのだった。
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