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数日後。
(裏もシロですか……)
バンッ!
「ハァァァァ!ミィスターブラック!いつまd……」
「ちょっと黙っててください」
部屋に入って来たMr.マネーを一刀両断しつつ再びデスクに向かおうとすると、今度は別の声がブラックを呼んだ。
「Mr.ブラック〜?っていたいた。先生が呼んでるぞ?」
「何でしょうか?今忙しいのですが」
「俺もあんまり聞いてねぇんだけど……新しい貿易相手国の話だって」
恐らく銀さんは今自分がとんでもない爆弾発言をした事に気づいていないのだろう。頭を抱えたブラックと、変なポーズのまま石化したかの如く固まったマネーを見て首を傾げている。
「……すぐに行きます……(震え声)」
「お、おう……(汗)」
コンコンコン。カチャ
「失礼します」
「ごめんね、Mr.ブラック。早急に話しておきたくて」
そう言ってすまない先生は一枚の紙をMr.ブラックの前に出す。それを見て再び頭を抱えるハメになった。その紙には
____同盟会談予定表・J国____
と書かれていた。すまない先生はニコニコしている。
「分かりました。この国について今調べている情報はこれです」
「さすがブラックだね。もうこんなに情報を集めているなんて」
「もう少し調べて来ますね」
「うん。ありがとう、ブラック」
そう言ってブラックは部屋を出た。
(例の研究所の書類はシュレッダーにかけておいて正解でした)
「データは嘘を吐きません。私の考える変な妄想より、よっぽど信頼できますし確実です」
____窓から空を眺め
彼方にある国を見据えた____
カタカタカタ……
「調べれば調べるほど怪しい情報ばかりですが全てシロなんて不思議な国ですね……」
パソコンを閉じて部屋を出る。出来ればJ国そのものに潜入したいが、ブラック自身には出来ない。しかしこの国にはうってつけの人物が居る。
____練兵分野幹部の
Mr.レッド、Mr.ブルー兄弟だ____
「J国への潜入?」
「いいけど、今度会談する国だよな?」
「はい、そうなのですがどうにも怪しくて……抜ける情報は全て調べたのですがどれもギリギリシロで、こうなると恐らくハッキング不可能な国家機密部分に何かあると思うのです」
「それを盗めって事か」
レッドがニヤリと笑う。
「面白くなってきたな!兄貴!」
ブルーも目をキラキラと輝かせて笑う。
「詳しい事はまた後で話しますので」
ブラックは二人にそれだけを伝え、再び自分の部屋に戻った。
数日後。
「こう言う形で二人を潜入させようと思うのですが……」
「そうだね。会談国の内部事情を先に知っておくのは交渉の時に有利に立つ材料費もなるから。ただ、ここちょっと良いかい?」
すまないがペンで一部を差す。
「これ、要るかい?」
国立研究所の情報奪取の部分を指していた。
「っ……そ、れは……」
「何か隠しているなら正直に話してくれないかい?」
「っ分かりました」
「と言うわけです」
「なるほどね。分かった、このままで行こう」
「分かりました。ありがとうございます」
ブラックは頭を下げると部屋を出た。その日の内に二人に計画書を渡し、二日後にはJ国へと発った。
数ヶ月後。
「本日はお招きいただき、ありがとうございます」
頭を下げながらJ国の城の応接室に入る。相手はJ国外交官のファーゼ。語学に堪能です話術にも長けている手強い相手だ。そしてすまないにとって一番の城壁。
____女性なのである。それもまだ若い____
報告で知ってはいたが正直ガックシしてしまった。すまないは女性運が途轍もなく悪い。今まで何度女性絡みのゴタゴタがあったことか。正直ブラックは背後でヒヤヒヤしながらもすまないは悠々と会談を進めて、何事も無かったようにお互いに有益な同盟を結んで国を出た。
(あのファーゼという女性……確か国立研究所の所長もしていましたよね。警戒しておいた方が良さそうです)
____このブラックの予想は当たっていた____
____この同盟を“トリガー”に
ウォーターチャレンジ王国は
“滅亡”への道を
突き進み始めたのであった____