※どうしようもないモブ劣情が好きなんだぁ……^^
※モブ桃、俺桃
扉を3回ノック。ドアノブを捻って扉を開けた。
「ないこさん、今大丈夫ですか……?」
「ん、大丈夫だよ。どしたの?」
デスクのPC画面から目線をこちらに変えたないこさん。
「こちらの資料の確認お願いしたくて」
「おっけー、分かった。ありがと」
そう言って、ふわりと笑う。
あぁ、好きだ。
微笑んだときの、垂れ下がった眉と細められた桃色の瞳。
資料の内容をざっと確認するために、視線が落とされる。桃色の瞳が長い睫毛に隠れる。
そして、ないこさんは癖なのか、髪を耳にかける仕草をする。
全ての行動が、やけに色っぽく目に映って、劣情が募るばかり。
好きだ。貴方の全てがほしい。貴方の特別になりたい。
今、ここで、貴方の唇を塞いだら、椅子に拘束したら、ソファに押し倒したら。
貴方は照れてくれるのだろうか、それとも嫌がる?
そんなことを考える。
でも、少し傷んだ彼の髪から覗くサイコロのピアスが牽制してくる。
彼の目に映るのは、キラキラと光る赤色、水色、白色、青色、黒色で、濁った灰色なんて入る隙すらない。
「ないこさん」
「……ん?」
資料から、視線を上げたないこさん。
ないこさんの目に自分が映る。
それだけでもう、どうにかなってしまいそうなくらい嬉しい。
そのキラキラした、宝石のような、星のような瞳に狂わされてしまったんだ。
その光も、全部、失わせずに、手に入れたい。
__気づけば、ないこさんを床に押し倒していた。
周りに資料が散らばっている。
ないこさんがこちらを見つめていた。
お構いなしに、シャツの下へ手を伸ばす。
指先に、柔らかい肌の感触がした。と思えば、その手を静止される。
「……ダメだよ。それ以上は」
ないこさんは、優しく微笑んでいた。
刹那、彼への罪悪感が込み上げてきた。
「……っ、ないこさん」
「うん」
優しく笑いかけないでくれ。
手酷く抱かせて、嫌ってくれ。
この想いを諦めさせてくれ。
そんな顔されちゃ、諦められない。
胸が、苦しい。
「好きです……っ」
弱々しく吐き出した。
もう、貴方なしじゃ生きていけない。
貴方しか見えないんです。
「……そんな顔しないで?」
自分は、今にも泣き出しそうな顔をしているんだろう。
ないこさんが、頬に手を添える。
あぁ、彼が触れている。
胸が張り裂けそうなのは、嬉しいからなのか、苦しいからなのか。
「っ、好きです、愛してます……っ」
「……ダメだよ。俺なんかのこと好きになっちゃ」
ないこさんは眉を下げて笑う。
「俺は、君のものにはなれないんだから」
あぁ、惨めだ。
ただ、貴方と普通の恋愛がしたかっただけなのに、最初から叶わないと諦めて。身体だけでも、貴方の熱だけでも感じようとした。
そんな自分が惨めで、愚かでしょうがない。
「君なら、幸せになれるよ。頑張って」
そう言って、また優しく微笑んだないこさん。
自分は、貴方以上に好きだと感じられる相手と出会えるんでしょうか。
人生で一番愛した人は、間違いなく貴方なんです。
自分は、貴方と、幸せになりたかった。
コメント
8件
あ!やばいですねコレ!モブ桃苦手気味だったんですけどモブだからこそこ心情とかが細かく書かれていてもうなんか…なんていうんだろう。モブならではの辛さ?っていうのかな、適度な距離がある感じ。桃さんに本気にはしてもらいない感じ…?最高です(語彙力) 興奮してて日本語おかしいかもしれないし無駄に長いしですみません…上手くまとめまれなくて。モブ桃がこんなに美しい概念だとは知りませんでした。はわわって感じっす