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※ご本人様、関係者、事務所等一切無関係の非公式
※晒しなど外への公開は禁止
伏字は使用していません。
視点は表記なく入り乱れたまま連ねており、擬音も多数使用しています。おそらく見にくいただの自己満妄想なので誤字脱字や解釈違いなどご了承ください。
上記意味のわからない方は閲覧をお控えください。
「……ッ、は、もーう……最悪っっ」
っんか、盛られた
頭から足の先までずくずくと燃えるような熱さに、頬に空気を溜めゆっくりゆっくり息を強く吐き出す。きゅっと両目を閉じ後頭部を引いて今度は深く吸った。
「……ふ」
目を開けて軽く息を吐き、震えで崩れそうになる両足をなんとか踏ん張って平然を装い扉をあける。
「ただいまー帰ったよーーぃ」
「あ、おかえり」
テーブルに向かってなにやら作業中だった仲間のお迎えに僅かながら肩を撫で下ろしてふっと軽く微笑んだ。あまり長居もしたくないので涼しく爽やかな表情を無理矢理貼り付け用件を伝える。
「__うん、そそ、そんな感じ」
「依頼主とも連絡つかないし、してやられたってとこですかね、これは」
「……だるいねー」
「まあもともと内容自体怪しかったもんね?だから僕が行ったんだし、なんかおつかいみたいで久しぶりにおもろかったわ」
あーまじやばい、早く帰んないと
「奏斗、おまえなんか……」
「そーう!おもろかったけど拍子抜けでめちゃくちゃ萎えてんだよね、もう帰って寝ていいか僕」
腰掛けて黙々とペンを走らせているのとは対象的に、ソファーの背もたれに軽く寄りかかり、腕を組んでこちらの様子を伺う視線が痛い。今にも内側からじんわり熱がまわり両足が崩れ落ちそうで、声が震えないようにつま先を踏みしめる。
「……」
「え、ねぇアキラ無視しないで!」
「あ、ああごめんごめん、あと私やっとくから、帰って大丈夫よ、お疲れさま」
「助かるー!ありがとアキラ、んじゃ僕帰るわ。セラもいー?」
「んーそだね、気をつけなよ?」
いつも通り話せていたかどうか不安に思いながら帰路につく。足早に自宅へと歩を進めるがちゃんと歩けているかどうかがよくわからない。
「あ、そだ、カフェ……ぇーはもう無理だ」
直帰そり、と震えながらも片手で簡潔に文字を打ち込み、帰りに立ち寄ると口約束をしていた相棒に連絡を入れた。
帰り道の記憶がないというのはこういうことを言うのだろうか、普段より何倍も重く感じる扉をなんとかあける。ばたばたばたと分かりやすく音をたてながら玄関でブーツと上着を脱ぎ捨て、脱衣所に向かった。
「……ッ、ふ、は……」
電気をつける余裕すらもなく、帰宅後安心しきったことで乱れた呼吸は整えられずにますます荒くなる。
それでもうっすら感じる気配に目を向け、寄り道もせず最短距離で帰ってきたはずの自分より先に暗闇の中に居る大きな影に震える声で問いかける。
「なんで、居、んの……」
「なんででしょう」
「……っ、」
あきらかに正常な状態でないのは見ているだけで伝わっているだろうが言い訳がまったく出てこない。とりあえず深呼吸をするもうまく喋れなかった。
「なに?なんか盛られた?」
「……っ、まあ」
壁にもたれかかっていた大きな影がゆらりと動きパチンッと電気をつける。不機嫌そうに眉を寄せながら問いかける相手に、なんでもないよという口調で返した。
「なんで言わないの、どうすんの致死薬だったら」
「や、感覚的に……ちがう、ってのは……わかるから、ほんと……」
はやく、
はやくはやく
「ッふ、っ……」
無駄な口喧嘩にならないように、それでもなんとか早く帰らせたい。落ち着いて呼吸を整えながら大丈夫だと伝える。
「水、かぶっときゃどうにかなるから、とりあえずどいて」
真っ直ぐ目を見つめ、ほら大丈夫という姿勢になり通れないから隙間を開けてほしいと合図すると、ため息をついて再びゆったり動き出した相手にビクッと肩を震わせた。
「セラフ、ストップ」
「……」
「それ以上来んな」
距離を詰めようとするセラフに制止を促す。今すぐにでも冷水をかぶりたくて仕方ない。理性は働くことを嫌がるくせに、身を寄せるのがよくないことだけはなんとなくわかった。
ピタッと言われるがままに止まる少し大きな身体。
「奏斗、しんどいのどこ」
制止できたのも声をかけた一瞬だけ。一気に距離を詰めようとするセラフに両手がぴくりと痙攣する。
「来んなって、寄んなばか」
「はー?心配すんのは当たり前でしょ、なにが体内で暴れ回ってるかわかんねぇのに」
詰められた分だけ奏斗は後ずさる。片やセラフは前職の名残なのか盛られる類の薬物を頭の中で並べ、更に不機嫌になって少し語気を強めた。
「いいから奏斗、みせ__」
「__ッ」
ぐっと腕を掴まれ、一瞬にして手のひらの温度が全身に伝わる。びりびりと脳天まで痺れ、掴まれた腕を払うのと同時にセラフの胸ぐらを掴んで重く壁に押し付けた。
「っ、と……、ぉい__」
信頼から来る油断か、少し体勢を崩した瞬間に今度は両手で上着を引っ張られ、ぐっと寄せられる勢いで唇同士がくっつく。眉をぴくりと動かしてそのまま割って入ってきた舌の熱さと吸い尽くすような動きに眉間を寄せた。
性別通りの低い声なくせに色っぽいくぐもった吐息と発せられる音になすがままになっていると、無我夢中で口内をかき回しむちゃくちゃにされる。よそよそしく頭だけが冷静になんだこれはと考えた。
「っ……ン、は」
「ちょ、おま……んむ__」
「ッふ……黙って……、……」
頭を傾けさらに深くかぶりつき、無遠慮に舌を絡ませる。呼吸すら思い通りにできず息が苦しいのに気持ちいい。普段まったく出ない甘ったるい吐息が自分から溢れ出てやらしくてやけに心地いい。
「……っぁ、ん__ふ、む……」
あつい、
あついあつい熱い
人肌に触れますます広がる熱に腰が震えて目をきつく閉じる。ぷはっと深く息を吐きながら、ほんの少しだけ残る理性を引き戻すように唇を離した。
戸惑ってはいるだろうが表情には出さないセラフの目を見つめ、肩を上下して息を整える。
「なぁ、セラフ」
「……」
「だけんの」
倒れ込んでしまいたいのを堪えるように俯くと、驚くほど低く掠れた声が出て馬鹿らしくなり口元が苦笑する。頭上からは、は?と驚きも熱もない言葉が降ってきた。
この状態の自分にさっきと同じように関心が向けられるのか、はっきりしない声色の返答に今度は苛立ちで手が震えた。中途半端につっつかれるのはごめんだ。
「奏斗、なに__」
「……ッ、からぁ!おまえに俺が抱けんのかって!」
「……」
刺すような眼差しで睨みあげ、服を掴む拳をさらに固くぎゅっとしぼってわからせるように怒鳴りつける。相変わらずどんな感情かわからない表情で見下ろされ、奏斗もよくわからなくなって再び大きく息を吐いた。
「……っふ……ッ、んでもねぇよ」
深呼吸を繰り返すうちに震えは幾分かおさまり、掴んだままの襟元から優しく手を離す。それでも声を出すと微かに震えていて、息もそこそこ荒くて情けない。
「僕はこの通り、発情期なわけ……」
「……」
「そんだけ、ね……大丈夫、」
できるだけ顔を見られないように視線ごとそらしてセラフの脇を抜け、装飾品をばらばらと取り払った。
「……ッち、っくしょ!__くっそ!!」
ベルトに手をかけると期待からか再び全身が震えはじめ、両手がカタカタと言うことを聞かずに苛立ちで頭が痺れる。情けない。恥ずかしい。見られたくない。熱のせいで生理的に目が潤んでどうしようもない感情がもっともっと自分の体温をあげた。
「ん、ッ……は、」
セラフを気にかける余裕もなく、立ち去るのを確認する時間すらも惜しい。限界の身体を早く冷ましたいと奏斗は震える手でベルトと遊ぶ。
「ぁ?……、」
暗くなった視界と真後ろに感じる気配に息も絶え絶え顔だけを向けると、肩を引かれて無理矢理に上半身から足先まで追いかけるようにそちらを向かされた。
「ちょ、まじっ早く……かえっ」
「__っ」
顔を傾けてぐいっと距離を詰めてくるのがスロー再生の用に焼きつく。伏し目がちになりそのまま目を閉じていくセラフの表情から目が離せない。唇同士が触れるまではあっという間でその先もなにがなんだか理解が出来なかった。
「っ、ふ……ぁ……んん、セぁ……ッん」
後頭部を片手でぐいっと引かれ絡まる舌に脳が考えることを拒否する。すぐに物足りなくなってセラフの頭を両手でしっかり包み、無我夢中で舌を追いかけた。指に触れる髪の毛の感触すら気持ちいい。
「んん……、ふ……」
やばい、
まずいまずい、はやく
やめないと
「んぅ、ッふ……は……ぁ、」
いやだ、いやだいやだ
考えたくないと全身がビクビク震える。先程とは違う一方的ではない心地良さと深さに、奏斗は声と同時に吐息をもらして食らいついた。
「ん、ん……っは……」
「あち、おまえ……」
息継ぎの合間に呟かれ、頬を包むようにかかる息の感触が気持ちいい。再び唇同士をくっつけてはくはくさせると応えるように角度をつけて押し込まれる舌の動きがいやらしくてたまらない。
「ぁ……んふ、ぅ……んっ、」
押しつけるように追いかけていくうちにセラフの背中がトンっと扉の枠にあたる。咄嗟に後頭部から手が離れ寂しくなって薄く目を開けると、同じ手で髪の毛を優しくすくわれた。
さらさらと遊ばれて撫でられて、切なくなってキュッと目を閉じる。
「んぁ、ぁ……っむ」
もっと、もっと
「……奏斗、こっち」
「ん、っ……は……」
名残惜しいまま離れていく唇を寂しそうに追いかける。腕を掴まれそのまま強引に引かれて、歩幅の大きな動きにもつれながらなんとか足はついて行った。
「っ……セ、ラ……待っ」
寝室まで引きずられ、一際大きく引かれて上半身が傾く。スプリングの音が響くくらいに奏斗の身体は深くベッドに沈んだ。
起き上がる隙もなく跨ってくるセラフに戸惑いなのか期待なのかわからないほどに目が泳ぐ。
「抱けるかって……」
「……」
「なめてんの、いけるよ、俺」
奏斗の腰を挟むように膝立ちして、バサッと羽織を脱ぎ捨てる。押し倒され今度は胸を上下させるように呼吸しながら無言で見つめてくる潤んだ瞳を見据えると、一瞬だけ揺らめいた深い青色に心が締めつけられた。
「奏斗」
はじめて向けられる普段からは想像もできないような目つきで囁かれ、音を立てて唇を吸われる。
いけないという心に反して全身がびくびくと悦んで視界がじんわりとぼやけた。
「んっ、ふ……む……」
「……帰ると思ったの、俺が、あのまま」
「セっ、……ん、んゥ……」
「どうなの奏斗」
ここまで干渉してくるとは思っていない。
もちろんなにも言わず放って帰ると疑ってなかった。言葉にできないまま同じように何度も唇を吸われ、そのたびに、熱でおかしくなっていく物足りない感情を処理できないまま涙目で見上げた。
「ご、めんって……怒ん、ないで、よ」
いまだに不機嫌そうなセラフの表情に腕で目元を隠して顔をそらす。それでも期待で上昇する体温と荒くなる呼吸はもう自分の意思だけでは抑えることが出来なかった。
「……、怒ってるっていう、か」
「馬鹿だなって思ってる」
「可哀想だなって」
「うまく煽っちゃってどうすんのって」
「……」
身体の中心にずくずくと集まっていく熱を溶かすように、時間をかけて、ゆっくりゆっくり、力強く抱かれた。女の子みたいな声が出せるわけでもないし柔らかくもなかったはずだ。
揺さぶられて擦られて、可愛くない声ばっかり出て、何度も何度も奥まで突かれて抉られて、何度も何度も名前を呼ばれて、みじんも可愛くできなかった。
「……ッて、」
びりびりと激痛が走る頭を誤魔化すようにこめかみを押さえる。目を覚ますと気配すらなくなっていた彼の感触を痛いほどに覚えている。
そのわりにはすっきりした頭と感情に眉をさげてふはっと微笑み、奏斗は重たい身体を持ち上げた。
「んだ、あいつ」
「面倒見よすぎんだろ」
________
続きたい。※数箇所修正入れました。