jkside
連絡先聞いてくれなかったな、、、
自分はαだから、そんな目的で助けたとは思われたくなくて聞けなかった
やっぱり僕はΩからは嫌われ者のαで、、
ジミンさんからしてもまだ危険人物なのかな、、
こんなに、誰か一人に思い悩むのは初めてだった
それからというもの、家でも会社でも帰り道でも、ジミンさんを思い出して、探してしまうようになる
実は、こんなにも再会を期待してしまうのはちゃんとした理由が1つあって、
カバンを漁った時にちらっと見えたジミンさんの社員証、
それが自分の会社のビルに併設された会社のものと同じに見えたのだ。
棟が違うとはいえ、同じ建物に毎日通っているなら、あの日、あんな暗い時間に帰り道が重なったのも説明がつく
その少しの期待を、何ヶ月経っても消しされないでいた
jkside
忘れた頃にやって来るって言うのは地震の事だったか、、でもまあその通りらしく、
あの日から3ヶ月くらいが経ち、彼の社員証の事は気のせいだったんだと諦めかけていた頃、
🐰「あれ、、」
3つほどの会社が共同で利用しているこのビルの、共同エントランス、
いつものように社員証をかざして中に入ったら
僕の会社とは反対の方向に向かっていく廊下に、あの日のジミンさんに似たシルエットが歩いていくのを見た
近づいてきていた同僚に手を軽くあげて挨拶し、確かめるために慌てて追いかける
朝っぱらから明らかに急ぎすぎている様子の僕に、数人の人が訝しげにこちらを見る
廊下は人で溢れていて、必死でその後ろ姿を追いかけた
背の高さ、あの綺麗な髪、ずっと覚えていた、絶対そうだ、
白のワイシャツに、灰色のベストを来て、いかにも清潔そうな彼は、
あの日の乱れた様子とは真反対の、かっこいい大人の男性だった
🐰「じみん、、さんっ」
後ろから手を掴んで引き止めると、びっくりした顔がこちらを見た
🐣「ん、、あ、、グクくん?! なんで、、?」
脅えたのだろうか、後ずさりするのをきゅっと手を握って止めた
🐰「ちょっと、、見かけちゃって、、あの、、会いたかったから、、」
焦ってもごもごと言うと、ジミンさんは安心したように笑った
🐣「そっか、おはよㅎ
また会えると思わなかった、嬉しいな。
ちょっとだけ話そ、、おいで、、」
僕の手をそっと掴み返して、そばにあった、人から見えにくい階段裏に引っ張られた
こんなとこにまた、、αと二人きりになるなんて無防備な、、
不満げに見つめると、言いたいことが顔に現れすぎていたのか、ジミンさんは口に手を当ててふふっと笑った
🐣「グクくんは危険な人じゃないでしょう?
信用できる人だから2人でも安心なんだよ?
僕だって本当は用心深いんだから、変な勘違いしないでㅎㅎ」
2人でも安心、とか、そんな言葉や仕草一つ一つにドキドキさせられて、
僕がなんでこんなにこの人に執着してしまっていたのかやっと分かった気がした
🐣「どこの会社なの?うちじゃないよね?」
会社名を言うと、納得したように頷いた
🐣「すごいな、、あっちはエリートだらけじゃん。うちとは関わり少ないもんね、会わなかったわけだㅎㅎ」
🐰「いや、僕は気が弱いから落ちこぼれですㅎ
あ、あれから、、何も無いですか?」
驚いた表情をして、また嬉しそうに笑う
🐣「まだ心配してるの?ㅎㅎ
大丈夫だよぉ、あの日はちょっと薬飲むタイミングがなくて、失敗しちゃっただけだから、ね?」
聞いてる人がいないか、辺りを伺いながらこっそり教えてくれた
僕はたまたま知ってしまったけれど、きっといつもはβの振りをしているんだろう
誰も知らない秘密を知っている気がして少し嬉しかった
🐣「今夜、うち来ない?多分仕事はそんな遅くならないと思うんだ。
ほんとはどっかで奢ってやりたいけど、身体に何が起こるか分からないから、あんま外に飲みに行かないようにしてるんだよね、、」
🐰「僕も今日は早上がりです!
家なんて、、いいんですか?」
願ってもない幸せな提案だった
🐣「そんな嬉しそうな顔してㅎㅎ
ほら、連絡先交換しよ?一緒に帰ってくれるでしょ?」
そう言って肩をとんっと合わせてくるジミンさんにドキッとした
彼は本当に人の心をくすぐるのが上手だ。きっとΩだから、とかじゃなくて、この人の本質の性格なんだろうな。
まぁ僕が惚れすぎているだけかもしれないけど、、
とにかく可愛すぎて抱きしめたくなる
それをぐっと我慢して、携帯を取り出すと、ジミンさんがさっと受け取って、交換してくれた
返されると、ジミンさんの連絡先が表示された自分の携帯に口元が緩む
🐣「よし、、あ、時間大丈夫?僕そろそろ行かなきゃ」
時計を見ると、少し危ない時間だった
🐰「僕も行かないと、じゃあまた帰りに連絡しますね!」
🐣「うん、追いかけてきてくれてありがとうねㅎㅎ」
その言葉で、朝から必死で追いかけてしまった自分を思い出し、恥ずかしくなったが、
それより嬉しさが勝ち、僕は舞い上がった気持ちで会社に向かった
コメント
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大好きです。続き楽しみにしています。そして、書きながら自分で泣くの分かります…(汗)
初コメです〜❣️どの連載も🐰🐣で、最高すぎでしかなく♥語彙力💪、1話の長さ、間合い、ドキドキ💓感、惹き込まれ感がヤバすぎます‼️33話も🤩(* ̄ii ̄)🤩毎日、正座🧎🧎♂️して待ってますね💕
面白かったです!