【注意事項】
①こちらはirxsのnmmn作品です nmmnを理解している方のみお読みください
②この作品には、以下の要素が含まれますので自衛等お願いします
・青桃青
・死ネタ込み
③他SNSなど、齋-nari-の作品を公に出すことは絶対にしないでください
④コメント欄ではご本人様の名前を出さず、伏字の使用をお願いいたします
 
 
 
 
 
 
 
 拝啓、友よ
 
 刻は遡り、今から約百年ほど前。
 “大正”、と呼ばれた時代に存在した、とある殺し屋達。
 
 
 彼らは、社会の裏で自身の手を汚し続けていた。
 
 🍣)今日は、……一人。
 名義は乾。依頼は直接のみ。そんな謎に包まれたとある殺し屋は、今日も人を狩っていた。
 
 
 
 腰に着けた青色の風鈴は、ちりんと音を奏でながら主人について行く。
 そして、それを追う影が一つ。
 
 🍣)…誰でしょう?
 
 )…俺の事忘れたん?
 影は、桃色の小さな風鈴を付けた西洋の帽子を被っていた。
 
 
 からんからん、と響かない音を奏でる桃色の風鈴と、ちりんと軽快な音を奏でる青色の風鈴。
 それはまるで、彼らの立ち位置を表しているようにとれる。
 
 🤪)今日の依頼は私ですか?
 🍣)……勿論
 
 名は猫宮。乾よりも更に高等な技術を持つ殺し屋だった。
 彼は、乾とはまるで違い、特徴的な姿で国内を舞っている。
依頼も勿論、何処でも受けられるし、実力も確実。彼の情報は表社会でも出回っており、
 
 If名義で普及したばかりのサーカスを披露する道化師として存在している。
 
 
 乾も猫宮も、右腰に刀を構えていた。
 その鞘の中には、どす黒く染まった刀が眠っている。
 
 🤪)奇遇ですね、私も今…貴方を刺せというご依頼が。
 刀に触れながら声を出す彼は、肝の座っている、微動だにしない瞳をこちらに向けていた。
 🍣)…でもっ、
 
 乾の言葉は、もう猫宮には響かない。
気づけば、風鈴の音すらも聞こえなかった。
 
 
 
 🤪)……ザザッ
 🍣)ッちょ、!?まろっ!
 唐突に走り出した彼。一瞬見えたその額には汗が浮かんで見えた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 辿り着いたのは、彼ら二人がいつも会う山だった。
 
 猫宮を追ってきた彼は、大きな岩の上に座る猫宮の瞳を見透かす。
 
 🤪)…ないこ、
 その瞳は、静かに、他の人間には分からないほどに震えていた。
 
 ちりん。
 
 
 桃色の風鈴が音を鳴らす。
 
 
 それを合図に、互いに刀を引き出した。
 
 
 
 
 
 
 🍣)…大好きだったよ、
 
 
 🤪)俺の方が、愛してた
 
 
 
 
 この日は十月九日。
 政府から殺し屋の廃止が言い渡された日だった。
 
 人々は皆張り出された顔の者を探し、組の長も政府側。
 
 見つかれば、間違いなく死が待っている。
 
 
 
 
 
 日が変わるまで残り五分を切った頃、残ったのは伝説と呼ばれた二人の殺し屋だけだった。
 
 撤廃命令は九日のみ。何故なら、殺し屋はそこまで数がいない。必ず一日で排除できると確信していたからだ。
 
 
 
 先に動いたのは、青髪だった。
 
 
 
 
 
 
 
 血飛沫が舞う。
 
 彼は、まるで道化師のように微笑みながら、桃髪を見つめていた。
 
 
 🍣)まろッ!!!
 カランッ
 刀を取り逃がした乾。
 
 そう、乾が猫宮を殺したのではなく…
 
 🤪)…
 自身で喉を掻っ切ったのだ。
 
 
 
 
 真相は、お互いがお互いを殺すように依頼された。ただそれだけだった。
 
 
 
 
 
 
 三年後の、七月七日。
 
 1人の男性は、今はとても貴重な紙を手にし、机に向かっていた。
 
 
 “今だから言える。
 本当は死にたくなんてなかったし、死ぬ気なんてさらさらなかった。
 ただ、一番愛してるないこと一緒に居たかっただけなんよ”
 
 
 そう書かれた便箋を握り締め、彼は左手で弱々しく筆を持った。
 
 
 今、俺が生きているこの世界はとても平和になったよ。
 俺だって、まだまだ死ぬまでまろと過ごしたかった。
 だから、来世こそは共にいられますように。
 
 
 
 拝啓、友よ。
 
 この世より。
 
 
 
 
 
 時は大正時代。
 裏の社会では、殺し屋というものが存在していたそうな。
 
 その時代で名を残していたのは、二人の殺し屋。
 乾と名乗る者と、猫宮と名乗るものだった。
 そして、大正のとある年の10月9日に、2人を含む殺し屋の廃止命令が発表、公布された。
 その日のうちに殺し屋は全員抹消、殺し屋の組の長は政府に買収されており、更には国中に張り紙がされていたそう。
 その紙に1番大きく書かれていたのは、先程名前をあげた2名。
 彼らは結局、1日中に、それどころか、1年経っても発見されることは無かった。
 そのため政府は死亡済みと判断した。
 
 現在は令和。ここの資料館には、2通の手紙が保存してあるのだが…
 その文面が繋がっているようにみえ、さらには廃止命令とほぼ同時期のものと判明していることから、行方不明となった2人の殺し屋と関係性があると判断されているらしい。
 
 👤)お兄ちゃん、このお話めっちゃ面白いね!!
 )せやろ〜?w
 👤)次のお話はー?✨
 )あははっ、ありがとねw
 👤)ねえねえっ、お兄ちゃんたちの名前教えてよ〜!!
 )……
 
 🍣)ないこ、ないこって言うんだよ
 1人の話し手は、嬉しそうにそう答えた。
 
 🤪)俺はいふ、まろって呼んでな?w
 もう1人もまた、話を聞いてくれた子供の頭を撫でながら、顔を綻ばせながら答えた。
 
 
 
 Fin.
 
 
 
 
 伝わらなかったらごめんなさい…
 実はいろいろ小ネタ詰め込んでるのでなんか気づいたらコメしてみてね🫶🏻️💞
コメント
7件
小ネタまとめ ①大正時代では漢数字が使用されていた。(外国からの文化があまり普及していなかった) ②令和時代では大正時代とは違い数字が使われていた。(一般的に使われている) ③乾と猫宮名義の為、本名を知っているのはお互いのみだった。(セリフ外でも同様) ④今日が七夕だから、桃の書いた手紙では願い事が記されていた。 ⑤三人称視点の話だった為、最後まで読むと誰が三人称の位置になっていたのかが分かる。
すごい不思議というか… こうゆうお話大好きです!!