テラーノベル
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ニキくん、せんせー、シードくん、りぃちょくん。
そしてキルシュトルテ。大切な相棒であり、右腕のような存在。このメンバーで旅行に来ていた。
前から、ずっとずっと。キルくんがすきだった。はたから見たら、あいつを好きになるなんてセンスなくね?なんて言われてもおかしくはないとは思う。俺はそういうのも全部知ったうえで好きって言ってんだよね。
あいつのことを一番最初に、ずーっと見てきたのも俺だ。ニキくんが目をつける前に。せんせーたちとディスコードつなぐ前に。
俺が最初だったんだから。
あいつが弱々しくなったとき。登録者が減ったとき。俺は常に支えてたし、相談も乗ってた。シードくんだって、りぃちょくんだってそんなことはしてないから。俺だけだったから。みんなと繋がれたのは嬉しかったけど、2人の時間が消えたから。ずーっと、ずっと。じっとりとした、どろりとした思いが。
気づかれないまま、成長しちゃった。
自由行動になったとき。俺はキルくんを誘って、きれいな景色が見える崖へ連れてった。
最後に話すならきれいな景色の中が良かったから。
「ねえ、トルテさん。景色、きれいだね」
『そうだな』
ぼんやりと海を見つめている。長いまつげに太陽があって、キラリと光る。目の先はオレには向いてない。向かしてやりたい。オレだけを見て。景色より。
ねえ。
「俺は、トルテさんと出会えてよかったと思うよ」
『なに急に笑
こわいんだけど』
「えー?笑
こう言うところで言ったろうがロマンチックでしょ?」
『男同士だろ、俺等
BL営業すんなよ、カメラ回ってねえんだから笑』
ニヤニヤと笑う顔。夕焼けでぼんやりとしてるが、少し照れてる。かわいいなぁ。ずっと、かわいい。
でも、俺には恋をしてくれないんだね。同じ性別だから。ストレートだもんね。ごめんね。
「ねえさ、もし俺が死ぬとしてさ」
『前提からおかしくない?景色の話するだろ、普通。』
「あ、そう?」
俺より景色なのかな。悔しいなぁ。付き合ってないからね。俺だけの片思いだから。
「でさー、もし死ぬとしてさ。
俺にどう死んでほしい?」
『は…?』
なにいってんだよ。お前。死ぬ気なの?
みたいな、絶望と引き気味の顔に染まる。その顔も好きだよ。
キラリと海を照らす太陽が少しずつ沈んていく。あと少してみ隠れてしまう前に、彼は結論は出した。
『きれいなまま、かな。』
「ん、なんで?」
『なんだろ、傷のこっててほしくないかも』
「そっか」
彼の言葉をゆっくりと咀嚼する。ああ。うれしい。
傷のこって欲しくないのかな。俺が死ぬことを想像するだけで目が潤んでるよ。トルテさん。
きっと恋愛ではないこともわかるよ。
でも俺がいないとダメだもんね。俺がいないと活動も、生活もだめになるんでしょ。
知ってるよ。察してるよ。そのくらい。大好きだから。
『ねえ、トルテさん』
「っ_」
もう我慢ができない。この世界で、俺がトルテさんを独占できないなら。周りに埋もれてしまうなら。2人でずっといられないなら。
2人で、今。トルテさんが言うことも、尊重するよ。俺はキルくんが大好きだからさ。
「今死ねば、綺麗なままだよね。俺は2人で死にたいから。」
「しあわせだよ、俺ら。」
最後に、驚きに染まるエメラルドグリーンをみた。
嗚呼。最高の景色だ。
……
数日後の話だった。
キルと、弐十ちゃんが死んだ。二人そろって、だった。発見された遺体は、強く、硬く。手をつないでいて。遺体のはずなのに離すことが難しかったらしい。
2人、友人を亡くしたみんな。
『…ねえ。ボビー。』
「どしたん、ニキ。」
目を赤くしてる彼の顔をみる。ぽろぽろ、涙腺を制御することすらもうできないらしい。
『…大丈夫、じゃないよね。』
俺も、気持ちがわかる。目が熱い。慰めるように彼を抱きしめる。俺と同じくらい、なんなら少しだけ大きいはずなのに小さく感じる。
「ねえ…ッ!なんで、キルちゃんと弐十ちゃんは死んだんかなぁ、、っ」
アンチコメントかな。世の中の理不尽かな。俺たちが気づいてやれなかったからかな。俺たちが、俺が。ボビーの言葉は、自責が多かった。
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「俺が、っ、…!おれがぁ、っ!ゔ、ぇええん…っ(泣)」
『ボビー。泣かないで。』
きっと、俺らのせいじゃない。誰かのせいではないんだよ。
俺が思うに、きっと。簡単なことじゃない。
恋愛と、友愛からくるものだ。俺はわかってた。いつも、キルの隣には弐十が当たり前にいた。友愛のように見せかけた、どろりとしたものだった。目が、うっとりとしていた。時々、甘い声になった。キルは鈍感だから。
気づかなかったんだろう。
ある日、俺がキルの逆隣に立ったとき、じっとりとした何かを感じた。冷たい弐十の、目。恐ろしいくらい、殺気立ってた。
ねえ、弐十ちゃん。俺たちと絡んで、後悔してた?俺たちのせいで、キルが弐十ちゃんのものじゃないって思ったのかな。ごめんね。邪魔、しちゃって。
なあ、キル。キルシュトルテ。お前は、何で気づかないの。弐十ちゃん、すごくお前のことは大切にしてたよ。お前も、同じだっだろ。お前はストレートだったの?
なあ、二人とも。教えてよ。
わかんないよ、俺。わかんない、わかんないよ。
ボロボロと、理不尽に苛まれた涙がたくさん出ていた。ボビーと、慰め合うように。小さく感じる身体で、抱きしめ合った。
昨日の話の続き。
弐十くんの思いは少しねじれただけです。
コメント
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一番描いててたのしいよこれ