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「まずい…出血量が多すぎる。いくら吸血鬼の体だとはいえ、このままじゃ体力がもたない。」
「泰揮、ありったけの血液、倉庫から持ってきた。」
「この血液が効いてくれればいいのですが…。」
「花月、自分の部屋に戻ってろ。」
「でも琉生くんが……。」
「こいつもこんな惨めな姿お前に見られたくないはずだ。それに……こいつは絶対俺らが助けるから……だから、今は部屋にいろ。」
「本当に…助けてくれる…?」
「ああ、必ず。」
(「劉磨、こちらで手を貸してください。」
「今行く。……あとで、部屋に呼びに行くから…部屋で落ち着け。」
本当は部屋に戻りたくなんてなかった。琉生くんの側にいてあげたかった。でも、今の私が足手まといになるのは自分でもわかる。
だから……
「わかった。部屋にいる……。」
そうとしか言えなかった。
神様……どうかお願いします。琉生くんを助けてください。
部屋でずっと祈り続ける。指に爪が食い込もうが何だろうが気にならなかった。ただ、琉生くんのことしか考えられなかった。
コンコン
「花月、あいつの手当て終わったよ。」
急いでドアを開けると、そこには両腕に血をべっとりとつけた劉磨さんが立っていた。
「その血…。」
「全部あいつのだ。治療終わったから呼びに来た。」
「琉生くん…助かるよね…?」
「下に来れば分かる。」