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目を覚ますと見慣れぬ天井。
重い体を起こして立ち上がり、障子を開ける。
「ゴホッ、」
咳き込み咄嗟に口に当てた手を見ると、ベッタリと血がついている。
「どこだ…ここ。」
見たことのない部屋、見たことのない庭、気配を探るにこの建物には人の気配はない。
「夢?いや、それはないか。」
意識を失う前に三郎達がいた気がしたが、あれは夢だったのだろうか、
とにかく建物から出ようと思い庭に足をつける。
「あぁ!左の字起きてる!」
右側から勘右衛門のでかい声が聞こえ顔を向ける。
「かんえも、」
俺が言い切るよりも先に身体が持ち上がるのがさきだった。
「このバカ!そんな顔色で何しようとしてた!」
「三郎、説教よりも八を早く布団に戻さないと。」
「速くするのだアホ三郎!」
「分かってる!それとアホ言うな!」
三郎、雷蔵、兵助もいる。
三郎が俺を持ち上げてるのだろう。最小限の揺れでゆっくり俺を布団に下ろす。
「…ありがとう、」
「はぁ、1週間も眠っておいてどこに行こうとしてたんだ?まだ全然治ってないというのに。 」
三郎が呆れたように言う。
隣に座る雷蔵も、反対側に座る勘右衛門と兵助も心配そうに俺を見てる。
「周囲に気配を感じなかったし、知らないところにずっといられないから。それに、俺は死んだはずなのに、」
「……八が未来を変えたんだよ。」
「…は?」
意味が分からず雷蔵を見る。
「五年前の、14歳の僕達の所に来てくれたじゃないか。」
「雷蔵の言う通り、はっちゃんのおかげで俺達は今生きている。」
「身体の火傷は何故かそのままみたいだけど、」
「お前の受けたあの毒は、お前が吐いた血から成分を検出して調べ、解毒剤を作ることに成功した。」
……そういうことか。
「お前らの作った解毒薬のおかげで助かったってことか。」
「そーゆーこと!感謝してよね左の字!」
「あぁ、……なぁ、この世界の俺はどういう経緯で半身火傷したんだ?」
「どういうって、」
「雷蔵、過去のお前たちにあった俺は敵に捕まって半身燃やされた。でも俺がその原因となった城をおとした。通常なら今の俺に火傷の跡があるのはおかしい。」
そう言うと、4人ともなんとも言えない顔をした。
「…何か、あったんだろ。」