TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

俺が強さを求めていた意味。

心の底から湧き出る弱者への嫌悪感。

全て、貴女のせいおかげだったんですね、恋雪さん。























無限城で炭治郎と義勇の戦闘で、俺は全て思い出した。


俺が嫌いなのは、井戸に毒をいれるような弱者。親父の最期の言いつけですら守れない自分自身。


女を喰いたくないのは恋雪さんを彷彿とさせるから。


血鬼術の紋様が何故か雪なのも、技名が全て花火に由来しているのかも。


全て思い出した。




親父。




師範。





恋雪さん。














全ての罪を償おう。

そして、また恋雪さんを愛そう。





















そして俺は自らの不死の身体に拳を打ち込み、自害をした。




















「……っ…ここ、……は……」


そこは、闇と光が交差する場所だった。



「狛治さんっ!!」



「……恋雪…さん。」



「…… ありがとうございます。俺を猗窩座から、狛治に戻してくれて。」



俺の前にいるのは、愛する妻。恋雪さん。

彼女はもう何百年も前に、井戸に入れられた毒によって殺された。














ずっと、待っててくれたんですね。























「……また、俺は貴女を…愛する資格は、

ある……でしょうか……?」



怖かった。返答を聞くのが。

150年も気付かず、気付こうとせず。

自身の妻を放っていたのだ。

……資格なんて、あるはずが





「もちろんです!」






力強い答え。

病弱で床に伏していた彼女から発せられた

声とは思えなくて。





俺はその場で泣き崩れた。














たくさん、たくさん たくさん話をした。

















時間が来るまで。


















闇が濃くなり、

明かりが減った。

俺がこの先行くのは闇__地獄。


恋雪さんは、天国。









楽しかった。沢山話せて。

でも、これで離れ離れだ。




















「……恋雪さん」


「はい?」


「時間のようです。」





そう言って彼女に背を向けた。

俺は振り返らず、

「ありがとうございました。」








そう言って、去ろうとした。
























その時、恋雪さんが

足にしがみついてきた。



「いや、いやです!狛治さん!」


「っ!ですが、貴女は何も!!

このままだと闇が明かりを呑み込み

貴方まで地獄へ!!」


「いや!!私!

まだ貴方の口から聞いてません!!」


はっとした。

…そうだ。俺は。



「私も…そっちに連れてって……

狛治さん……」


















苦しい。

彼女は

巻き込みたくなかった。











でも。
























恋雪さんをおぶる。
















「愛しています。

恋雪」


















そう言って俺は、

俺達は

闇へと歩むのだった。












この作品はいかがでしたか?

23

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚