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<瞳>


紹介してもらった弁護士に連絡をすると凌太からも連絡があったということで、とても親身になってくれた。

宇座の支払い能力がどれくらいになるか他にも訴えられている事を考え支払える上限を探っていこうと言うことになった。

セクハラの証拠や資料室でのレコーダーの音源が使えると言うことなどを凌太に電話で報告した。


「許せないけど長引かせたくないから金額についていは折り合いのつくところで決めてもらうことにした」


『納得はいかないと思うが、早く終わらせたほうがいい。仕事の方は?』


「やりやすくなって良かったかも」


『それが1番だな』

『土曜日だけど、小田原に行かないか?』


「うん。行きたい」


宇座が逮捕されたことで部内はザワザワしているが、仕事自体はやりやすくなったことは間違い無く、今まで嫌がらせで仕事をギリギリまで保留にさせられていたりしたから、今後はスムーズに行きそうだ。

ただ、急なことで後任の課長はまだ決まっていない。


仕事が終わってから弁護士事務所へ行き、正式に依頼をしてその報告を凌太にした。


凌太と再会してから女がらみで迷惑もかけられたが助けられていることの方が多いかもしれない。

そして自分の気持ちに気がついてしまった。


小田原城


今度は楽しめるといいなと思いながら凌太との通話を終了してベッドに横になるとラインにメッセージが入った。


[こんばんは。まだ起きてますか?]


12時をすこし過ぎて、このまま寝てしまおうと思っていた時のRyoからのメッセージだった。

食事の時はあまり思わなかったが、こんな時間にラインを送ってくる様な仲では無いし、自意識過剰かもしれないが宇座のこともあって慎重になる。


[もう寝ようと思っていたところです]

これならおやすみで済むだろうと思ったら


[少し話しませんか?]


え?

何だろう


[急ぎの用件ですか?]

とりあえず線を引いてみる。


[いえ、ちょっと声を聞きたかったんです]


えええええ!

全然そんな仲じゃないよね?


[両親が寝ているので声はちょっと。あと、私も色々あって疲れているので眠りたいです。すみません」


私が謝るのも変だけど


[ごめん。じゃあ明日はもっと早い時間にラインします。おやすみ]


えー!明日ラインすること確定ってこと?

私の返事は無視?

それともなにか用事があるのかな?


何となくモヤモヤしながら眠りについたが、モヤモヤしているせいでよく眠れないから、諦めてRyoのインスタをのぞいてみると画面からでもわかる大きな庭にオレンジ色の花を咲かせている木が写っている。

2枚目にはその木に咲いている花がアップになっており四つに分かれた小さな花が無数についていた。


金木犀か・・・

正人の事があった時はまだひまわりが咲いてた、季節が変わったんだ。


季節がひとつ変わっただけ


そうだ


たった一つ季節が変わっただけで、凌太が好きだとかって、正人の事を言えなくない?


何となく混乱しそうになってRyoのインスタ画面に意識を戻すと3枚目には金木犀をバックに女性のイラストがデジタルだけど水彩っぽく描かれていた。


いつものPOPな感じも可愛くていいけど、こんな感じのイラストなら額に入れて飾りたいかもと思った。


本来は繊細な人なのかもしれないと思っていたが、翌日宣言通りに夜の10時にラインが入り図太い人だったかもしれないと考えを改めた。


[こんばんわ、いきなりですが明日出かけませんか?]


本当にいきなりだと思いつつ

[予定があるのでごめなさい]


[そうですか、それなら日曜日はどうですか?]


明日予定があるのは本当だけど、こんなにグイグイ来るのはちょっとマナー違反じゃないのかな?


[ごめんなさい、もし仕事の事とかであれば里中君を通してもらえると助かります]


[仕事のことじゃなくてプライベートというつもりだったんですが、ちょっと強引でした]

[仕事の太陽光の方でアカツキ食品の方に行くことがあるのでディナーでも今度行きましょう]


そこが落とし所だよね。

[そういう事でしたら、定食でも食べましょう]


[楽しみにしてます]

という文字の後にウサギがバンザイをしているスタンプが押されたが、見覚えのあるうさぎだったからスタンプを長押して確認するとRyoが作ったスタンプでウサギはもちろんのこと虎の親子やハイエナもあった。


ごめんなさいや、悲しいなどのネガティブな虎の子に対してウサギはどれもポジティブな使い方をされていた。

思わず購入してしまった。


ふう


息を吐いたところにまた通知が入り、またRYoなら面倒だと思ったら今度は凌太からだった。


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