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最後に向かったのは
私にとっても、先生にとっても大切な場所。
「花壇」に行った。
「ここ、すげー緊張した」
『緊張、ですか?』
「うん。お前に話しかけていーのかって。」
『私だって、ここで先生を眺めてました。』
2人で花壇の花を見ながら私の方が、俺の方がって言い合っていた。
こんな会話ができることも幸せだよね。
『⋯先生』
「ん?」
『私、先生と出会えて幸せです』
「うん 笑」
『だから私に気にせず行ってきてください』
「成長したよな。〇〇」
『当たり前です』
この時、自分でも私は変われたって思った。
離れたくない って本音は思ってるけど
相手の気持ちを考える。
小学生から言われてきたこの意味がようやく分かった。
「お前に恋するのは大変だったなぁー」
『えー?何ですかそれ 笑』
「だって、お前モテんだもん」
『はっ!?』
いやいや、先生なに言ってるの。
そんな冗談、ここで言わないでよ。
「深澤 居るだろ?」
『深澤先生ですか?』
「アイツ、お前のこと好きだったんだよ」
『⋯えっー!?』
あの、深澤先生が⋯
私のことを、好きになっていたの。
でも、なんで先生がそれを。
「俺は譲れなかったけどな 姫野だけは。」
『⋯』
「アイツはアイツなりに本気だったよ。」
『⋯気づけなかった』
「いーんだよ。お前はもう愛されてんだから」
愛されてる⋯
もちろん、先生に だよね。
深澤side
(〇〇の高校時代)
『なぁ、渡辺。』
「どーした? 」
『お前が好きな、姫野〇〇いるだろ?』
「⋯まぁ。それが?」
『俺、姫野について調べて分かったんだけど』
「うん」
『好きになっちゃったかも知れない』
渡辺が好きになる奴だから
よっぽどの人だって思ってた。
けど彼女は
時々抜けてて、愛情があって、笑顔で。
俺は、気がついたら渡辺と同じ人を好きになってしまっていた。
勿論、まず生徒って時点でダメなのはわかってたのに
この気持ちを渡辺に隠す訳にはいかなくて。
渡辺に思い切って伝えてみたら
「可愛いだろ?アイツ。」
『え⋯うん』
「同期で親友だからって譲る訳にはいかない」
『⋯わかってる』
「やるなら本気にしろよ」
『おう。』
でも、姫野の気持ちが俺に移ることなんてなくて、行き先には
「渡辺の母校ってどこ」なんて聞かれてしまった。きっと彼女は、渡辺に一筋なんだろう。
この時点で俺の気持ちは、もう枯れてしまっていたのかもしれない。
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コメント
1件
な……深澤先生( ߹꒳߹ )