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⚠️注意⚠️
死ネタ
🇷🇺🇧🇾
多分、これを読んだ貴方は、「なんでそんなことするの……?」と思うことでしょう。
私が1番聞きたい《迫真》
とある街に、ベラルーシという少年がいました。
彼は、とても美しく、中性的な顔立ちをしていた為、彼が意識せずとも、周囲の人間は彼の容姿に1目置いていました。
とある日、彼はいつも通り学校に通っていました。
靴箱を開けると、そこにはゴミが詰まっており、上靴が見当たりません。
近くを探してみると、ゴミ箱の中に、ボロボロになった上靴を見つけました。
彼は、とても悲しい気持ちになりましたが、その日は保健室で上靴を借り、学校での一日を過ごしました。
その日の帰り道に靴屋へ寄り、新しい上靴を購入し、家へ帰りました。
彼には、ロシアという名前のお兄さんがいました。
ベラルーシは、ロシアのことをとても慕っていましたが、ロシアはベラルーシの事をなんとも思っていませんでした。
なので、急にベラルーシが新しい上靴を買って帰ってきても、何も言いませんでした。
いつもの事だし、何も言わないのは逆にありがたいと感じたベラルーシは、普段通りに家で過ごすと、浅い眠りにつきました。
次の日、学校へ行くと、彼の机には落書きがされていました。
あまりに酷い悪口に、彼は泣いてしまいそうになりますが、必死にこらえました。
担任の先生は、彼の机が汚されていることに気が付きましたが、何も言いませんでした。
それから彼は、教室に入るのが怖くなりました。
兄に、学校を休みたいと言っても、聞いてくれませんでした。
電気代がかさむ、という理由で、日中は家にいることを許されませんでした。
その上、彼らは両親と一緒に暮らしておらず、ベラルーシが面倒事をおかした際、俺にも悪影響が及ぶ、とロシアは言い切りました。
ベラルーシは、またも悲しい気持ちになりましたが、必死に押さえ込みました。
彼は、こんな時でも、兄のことを大切に思っていたのです。
ベラルーシは、学校の屋上で1日の大半の時間を過ごすようになりました。
屋上は、普段は立ち入り禁止ですが、今の彼には知ったことではありません。
学校のルールよりも、彼の兄に嫌われないようにする事の方が重要でした。
運がいいことに、彼の学校は不良が一定数いる居り、この程度のルール違反なら、不良の対応に追われている教師達から小言を言われることもありません。
ロシアに迷惑をかけることも無く、自分も教室に入らなくて済む。
ベラルーシは、屋上という最高の居場所を見つけたのです。
彼は、現状が1番幸せだと満足をするようになりました。
しかし、彼は気づかないうちに、彼の身体には大きすぎるほどの精神的負荷をかけていました。
朝、目が覚め、
兄と自分の朝食と弁当を作り、
洗い物と同時に、
必ず残される兄の朝食を捨て、
学校へ行き、
クラスメイトに陰口を言われながら
屋上へ逃げ込み
日が暮れるまでそこで過ごし
家に帰り
夕食を作り、
洗い物などの家事をこなし
薬を飲んでから眠りにつく
大好きな兄との会話はほとんど無く、あったとしても、味が薄い、などの感想だけでした。
そんなある日、昼休みの前の4時間目、ロシアの教室では、道徳の授業が行われていました。
「辛い人に対して、どのように接してあげたら良いだろう?」
こんな内容でした。
ロシアは大した興味を示さず、教室の端で携帯を取り出し、無意味に、誰かの日常をスクロールし続けていました。
「ロシアくん?ちゃんと聞いてる?」
先生にそう言われると、ロシアは小さな溜息をつき、聞いてますよ、と嘘をつきました。
「じゃあ、ロシアくんはどう思う?」
そう聞かれ、一瞬固まってしまいます。
「そもそも、辛い人ってどこからがそうなんですか。」
ロシアは先生と目を合わせず、ぶっきらぼうな口調でそう聞き返しました。
先生は、うーん、と少し悩んだ素振りをし、こう答えました。
「人による、というのは前提として、
例えば、いつもより笑顔が少なくなったり、
ぎこちなくなったり、
会話がなくなったり……する人が、1番想像しやすいかな。」
それを聞いたロシアの頭の中には、弟の顔が思い浮かんでいました。
幼い頃と比べ、明らかに減った笑顔
態度もよそよそしくなり、家での会話はほとんど無くなっていました。
ベラルーシは、辛い気持ちを感じているという事に、ロシアはようやく気が付きました。
「なんにも、してあげられない、かも……しれないです。」
ロシアは、チクチクと痛む胸を抑えながらそう言いました。
まさか、答えてくれると思っていなかった先生は、驚いて目をぱちくりさせた後、微笑んでこう言いました。
「何かしてあげることも大切だけれど、1番重要なのは、何かしてあげよう、って思うことだよ。」
それを聞いたロシアは、静かに頷きました。
今日、帰ったら話をしてみよう。
ロシアは、そう心に決めました。
同じ日、ベラルーシはいつも通り屋上にいました。
屋上の、貯水タンクの影で、陽の光を避けながら、夢を見ていました。
彼が、屋上から飛び降りて、鳥になる夢です。
彼は、この街を包む大きな空を飛んでいました。
嫌だった学校も、家も、歩いている人も、何もかもがちっぽけに見えました。
彼の心の大部分を占めている、兄の存在でさえ、とても小さく思えました。
あぁ、とても、良いな
彼はそう思い、目が覚めました。
彼は、夢の通りにならないだろうかと、空を見上げます。
そこには、同じ大きな青い空がありました。
ベラルーシは、目を輝かせ、助走をつけて、屋上から羽ばたきました。
その日の夜、ロシアは、いつまで経っても帰ってこない弟を心配し、街へ探しに出かけました。
家の中には、入れ違いになった時のために、
『ベラ、帰ってきたら、電話して』
と、置き手紙を書いておきました。
コンビニ、靴屋、本屋、文房具屋
弟が行きそうな所を手当り次第回りますが、見当たりません。
携帯を確認しても、着信や通知はきていませんでした。
ロシアは焦り、最後の望みである、学校へと走り出しました。
校門を越え、校舎に入ろうとしますが、当然、鍵がかかっていて入れません。
仕方が無いので、とりあえず、校庭や中庭、体育館裏等の、校舎外を探し回りました。
歩いていると、ぴちゃっと水滴が跳ねるような音が、足元からしました。
雨なんか降っていたか、と不思議に思いますが、すぐにそれが、水溜まりでは無いことに気が付きます。
恐る恐る、携帯のライトを、足元へ向けました。
それは、やはり赤黒い液体で、さらに隣を見ると、
ぐちゃぐちゃになった弟を見つけることが出来ました。
コメント
4件
すべてが遅すぎちゃったんだ…あわ…救いがない…べラたんがまるで鳥にになるように羽ばたいていくけど、飛び降りだから体は下に落ちていく…天使の羽が生えて天国に飛び立っていくようなふわふわした感覚なんでしょうね私は何を言っているのでしょう とにかくありがとうございます…泣き寝入りします…
ベッラちゃん、、、、兄の事を思うばかりに、、ロシアさん、ロシアさん!!つあ!!んん道徳の授業がもう少し早ければ解決してたかもしれない、!先生普通に先生してる!(語彙力が、、)こんな物語大好きなんですけど目から塩水が出てくる謎現象が置きるんですよね、、あ、ぁ神な作品をありがとうございます!!!