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- た だ 普 通 に な り た い -

そう思った。

普通に生まれて普通に育ち、普通の学校に行き

友達を作って恋愛をする。

私はそんな、ごく一般的な ゛普通  ゛の生き方をするはずだった。

するはずだった

   2005年12月23日とある病院で女の子が生まれた。体重は3kg以上の元気な女の子。

名前は「あい」と名付けられた。あいはすくすくと育ち気付けば小学校を卒業、中学1年生になり何事もなく過ごしていた。

   ある日部活の大会で朝早く起きたあいは駅のホームで友達と電車を待っていた。電車は10分〜20分に1本。中途半端な田舎だがマシな方だと思う。そんな他愛もない話をしながら待っていた。

ただ待っていただけだ。

瞬きをし目を開けたら救急車に乗っていた。

   私はとにかく驚いた。 何が起きたのか分からない。救急隊員が指は何本に見えますかと聞いてきた。私は見えたままの本数を答えて気絶するかのように眠った。目が覚めるとまだ救急車の中にいて頭をぶつけたのか嘔吐してしまった。私の右側には救急隊員、ドア近くの椅子には顧問の先生。悪夢を見ているんだと思った。顧問が私の嘔吐をキツネのような目で見てくる。とんだ拷問だ。恥ずかしさのあまり私は寝ることにした。

   目が覚めると病室にいた。検査は寝ている間に済まされたようだった。状況は理解できないが拷問から抜け出せたのは幸いだと思う。 それから数時間点滴をし母親が迎えに来て、色々手続きを終えたあと診察をすることになった。

医師から告げられたのは「あいさん。あいさんは ゛てんかん  ゛という病気になったと思われます」それだけだった。聞いたこともない病名で私の頭の中は、はてなだったが母親は理解した様子だった。後々母親に聞いたが私は嘘だと思った。

てんかんは脳神経の病気で一時的に意識を失ったりけいれんを起こしたりするコントロールの効かない病気。

私は病気を持った、持病持ちだと気付いた瞬間何をすればいいか分からなくなった。

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