テラーノベル
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冷たい。ひんやりして気持ちいい。ここはどこなんだ。
「…家か」
「燈李?」
花崎さんの声がした。目線を左にやると、花崎さんが泣きそうな顔をして俺を見ていた。
「良かった…丸1日寝てたから心配で…」
「…なんで、迎えに来てくれたんですか」
「そんなことより、まずは飯だ。お粥食えそうか?」
「…はい」
食べれる自信はなかったけど、断る勇気もなかった。花崎さんはお粥を作りに部屋を出た。俺は額に手を当てる。氷枕のおかげで後頭部は冷たいのに額はあつい。変な感じだ。
花崎さんに説教されるだろうと思った。でもされなかった。それどころか心配してくれていた。もっと信頼してもいいのかもしれない。でも、もしそれで裏切られたら。
「…思い出すなよ」
あの人たちのことを思い出すと胸が苦しくなる。誰かに愚痴を吐き捨てて、楽になりたいと思う時もある。でもそんな相手はいない。
そんな考えてもどうしようもないことを考えて、俺はまた浅い眠りについた。
「…り、燈李」
「ん“…」
「お粥。食べれる分だけでいいから」
「…ありがとうございます」
できたてで熱々のお粥を冷ましながら食べる。食欲がないのに食べているから吐き出してしまいそうだ。でもそれを我慢して無理やりにでも口に入れる。
「…ン“っ」
俺の体は悲鳴をあげて、俺の理性に抗って胃からお粥を逆流させた。
「大丈夫か!?やっぱりつらいよな…」
「すみませっ…」
「謝んなくていいよ。上手く吐いてくれたな」
なんで怒らないんだろう。
「まぁ少しは栄養が入っただろ。良かった良かった」
なんで心配するんだろう。
「なんで…」
「ん?」
「なんで、怒らないんですか」
コメント
1件
花崎さんが全然怒らなくて、むしろ「よく吐けたね」って優しくて…燈李くんの「なんで怒らないんですか」って問いかけが切なかったです。過去に何かあったんだろうなって胸が痛くなりました。無理に食べて吐いちゃうのもリアルで、心配になるエピソードでした。でも花崎さんが根気強く寄り添ってくれてて、この先どうなっていくのか気になります…!
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