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QuartoMew
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マヤちゃんのお茶会に呼ばれてから、桜子ちゃんの好感度は、少しずつだけど上がるようになった。 とはいえ、上がったと言ってもようやく30%を越えたくらい。
エンディングまでに間に合うのか? 正直、間に合わない気がする。
だって、もう春休みに入るのよ? ラスト一年で、ここから告白圏内まで持っていくのは、結構難しいように思える。
このみちゃんみたいなチョロインならいざ知らず、好感度の上がりにくい桜子ちゃんが、そんなホイホイ落ちるとは思えない。というか落ちない。それで落とせるなら、鉄壁要塞なんて呼ばれてない。
「桜子さん、またお茶会に来ない? 次はもっとも〜っと美味しい紅茶を淹れてあげるわ」
「そうね、また行かせてもらうわ」
マヤちゃんとの関係は良好だけど、朝倉くんとの関係は進まない。これは、またやらかしちゃったやつかも?
私また、ヒロインとヒロインをくっつけちゃいました?
「翔太さんも、来てくれますよね?」
「うん、時間があったら、もちろん行くよ」
うーむ、朝倉くんは朝倉くんで、きちんと交流はしてるけど、割と受け身なんだよなぁ。
最近、情報屋を頼ってこないのも、ちょっとアレ。
いや、分かるよ? ゲームも終盤になったタイミングだと、ヒロイン攻略が忙してくて、情報屋でターン消費はしたくなくなる物だけどね?
でも、桜子ちゃんを落とせるとしたら、今のタイミングでゴリ押しを始めるしかないと、私のプレイ経験が言っている。
「佳奈さんも、来てくれるよね?」
マヤちゃんは、私が来ると信じてる顔を向けてくる。
朝倉くんと桜子ちゃんの交流を優先させたいけど、私が居ると、桜子ちゃんが話す相手が分散してしまう。
うぅ、マヤちゃんの表情を見ると、断るのは心苦しいけど、桜子ちゃんの好感度アップの為、心を鬼にして断らなければならない。
「いえ、今回は遠慮させて頂きます。野暮用がございまして」
マヤちゃんの顔が、露骨に曇る。
ゴメンよマヤちゃん。この世界で私がしゃしゃり出るのは、色々と不味いんだよー。
マヤちゃんにはさやかちゃんが居るから、私の事は忘れて、青春を謳歌しておくれ。
「そうですか……、いつでも待ってるから、予定が合えば、いつでも来てね」
うぐぐ………、罪悪感が凄い。俯いてさみしそうに言われたら、断るこちらの罪悪感ヤバい。
遊んで欲しそうにやってきたワンコに、塩対応をするくらい、罪悪感がヤバい。
ミキちゃんという犬系女子の対応で慣れてたはずなのに、別タイプの犬系女子からは別タイプのダメージを食らう、うぐぐ……。
「ええ、都合が付けば、必ずお邪魔させていただきますね」
「約束ですよ、ぜったいですからね」
ゴメンよマヤちゃん、本当にゴメンよ。
都合が付くのは、下手したら卒業後、エンディングイベントが終わった後。ヒロインの行く末が決まった後かも。
それまで、どうか耐えておくれ。マヤちゃんの心も、私の心も。
********
他ヒロインちゃんとの交流を絶ってまで、桜子ちゃんの好感度をなんとかしようとしてるんだから、朝倉くんには受け身で居てもらっては困る。
というか、私も受け身では居られない。
ここは一つ、私からイベントを起こそう。
情報屋は友人を兼任してる事も多いキャラクター、今の私は、朝倉くんの友人と言っても過言ではないし、私から話しかけたなら、ターン消費もせずに済むかも。
「朝倉くん、最近どうですか?」
「どうって……何が?」
相変わらず、ギャルゲー主人公の癖に鈍いな。いや、主人公だからこそか。鈍く無かったら、もう彼氏彼女の関係を作ってるもの。
「嫌ですねぇ。私が聞いてきたのなら、女の子との事に決まってるじゃあございませんか」
「みんな仲良くしてくれるし、特に変わりは無いと思うけど………」
変わりは無い。ですか、ヒロインが2人攻略対象から外れて、更に2人が危うい状況なんだけどな。
相手のステータスが見られない朝倉くんからすると、変わらないように見えるかも……いや、変わって見えろよ、マヤちゃんの様子なんて、一目で分かるじゃん、本当にこの鈍感系は。
何はともあれ、桜子ちゃんにアタックするように仕向けないと。あと一年ちょいしかないんだから。
「初めて私とお話した時の事、覚えていますか? 藤原さんの事、まだ諦めてはおりませんか?」
「忘れる訳が無いし、諦めてないけど……」
「それならば、今こそ狙い目。せっかくマヤさんのおかげで、警戒心が解けたのですから、どんどんアプローチをかけるべきです」
「そ……そうなの? てことは………」
「はい、今ならその目があるという事です。勿論、いくらかのデリカシーは持って頂かないとですが」
多分、これで朝倉くんの行動が、少しは変わるかな。デリカシーを持って、と言っておいたから、やりすぎて引かれる事は無い……と信じたい。
朝倉くんにとっては、二年越しの好機だから、押さえが効かないかもしれない。
もしそうなったら、桜子ちゃんに心の中で謝っておこう。とはいえ、私は忠告したからね。朝倉くんが暴走したら、本人のせいであって、情報屋のせいじゃないからね?
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