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ダイニングルームのテーブルに、Sproutが焼いたクッキーと、Shellyが用意した恐竜プリントの紙コップ、Astroが持ち込んだ炭酸飲料が並んでいた。Dandyがにやりと笑い、椅子に腰をかける。
「さあて、今夜はちょっとした余興だよ。
王様ゲームだ!」
「えぇ? 嫌な予感しかしないんだけれど…」
sproutは自分が作ったクッキーをつまみつつ心配そうに眉をひそめる
「面白そう! 私、やってみたかったんだ~!」
shellyはワクワクした表情に
「くだらない遊びに見えるけど……まあ、退屈しのぎにはなるかもね」
とveeは何故か上から目線
「……眠い…」
Astroは半分寝ている状態で
「たまにはこういうのも良い…かもしれませんね」
Dyleはテーブルに頬杖をつきながらそう呟いた。
Pebbleは床の上で「ワン!」と吠えて、しっぽを振る。
早速皆でくじを引くと最初の王様は Shelly だった。
「おおっ! 王様だ~! えっと……じゃあ……2番と5番が……手をつなぐ!」
Astroは番号札を見て顔をしかめた
「……僕、2番だ」
veeは、はあ、と溜息を吐いた
「5番は……ワタシ、か」
二人は無言で手を伸ばし合う。
「……どう? 温もり感じる?」
「いや……ただの金属」
次の王様は Dyle。
「では……3番が、1番に好きなものを耳打ちしてください」
「え、僕? ……好きなものって、食べ物でいいの?」
sproutが3と書かれた番号札をあげた。
「ふむふむ、言ってごらん!!」
Dandyはsproutの方に顔を傾けた
SproutはDandyに小声で囁く。
「……甘いもの全般? だろうね!!」
「ええ、なんで言うの…?!」
「秘密にしろ!とは言われてないし!それにsproutが甘いもの好きなのは誰でも知ってるでしょ!」
Dandyは楽しそうに笑い、sproutは少し恥ずかしそうに頬を赤くした。
次の王様は Vee。
「それじゃ……4番と6番がジェスチャーで愛の告白」
「……え?僕だ。」
「おや……4番は私で、6番はAstroですね」
DyleはAstroの方を向き……手をハートの形にしてAstroに向ける。しかもウインク付きだ。
それだけでも笑いそうなのに顔は至って真面目。Astroはつい吹き出してしまった。
「フ…フフ……まってDyle…それ反則…」
勿論吹き出したのはAstroだけでは無い、皆大爆笑だ。
次の王様は Sprout。
クッキーをもぐもぐ食べながら、番号札をじっと見つめる。
「じゃあ……1番と3番が……30秒間だけ入れ替わったつもりで会話して!」
1番は Vee、3番は Shelly。
Shellyは片手にマイクを持っているフリをして、「さて、次の問題です! この部屋で一番格好つけてる人は誰でしょうか~?」と元気よくveeの真似をした。
Veeは眉を上げて声を高めにして「チームワークで夢は実現するよっ!」と応援するポーズまでつけた。
これも中々の盛り上がりとなった。
「……2人とも似てる…」
「ShellyもVeeもお互いをよく観察されていますね」
次の王様は Astro。
「…えっと……2番が……皆の前で、全力で変なダンス」
2番は Dandy。
「ほう……僕にそんな無茶を振るとは」
Dandyは椅子から立ち上がり、即興で妙にコミカルなステップを踏み始める
Pebbleは「ワンワン!」とリズムに合わせて吠え、Shellyは机を叩いて笑い転げ、Veeは画面にノイズを走らせて爆笑を必死にこらえる。
最後の王様は Dandy。
皆が少し警戒の目を向ける。
「さて、クライマックスだ。……4番と5番は、この部屋で一番“王様らしい”ポーズを決めて!」
4番は Dyle、5番は Sprout。
Sproutは腕を広げて「ぼ、僕が1番偉いんだーーーー!!」と叫び、
Dyleは冷静に椅子を逆さにして座り、片手を顎に添えながら「賢明な決断ですね」とつぶやく。
「二人ともちょっと違うけど……なんかそれっぽい!」
とshellyは楽しそうな表情で言った。
「ベリーボーイに王様は向いて無さそうだ」
veeは皮肉っぽく述べる。
王様ゲームが終わり、しばらく笑い疲れたみんな。
だがDandyがパンと手を叩く。
「よし、それじゃあ最後に! 王様ゲームで一番“盛り上がりに貢献できなかった人”は罰ゲームだ!」
「え、そんなの聞いてないよ!」
「また勝手にルール追加するつもり?」
「……僕以外の人でお願い…」
Shellyが両手を挙げて元気に提案する。
「じゃあみんなで多数決! 誰が一番盛り上がりに貢献出来なかったか!」
投票の結果
票が集まったのは―― Dyle。
「だってあんまり動いてなかったし」
「うん! ポーズはかっこよかったけどね」
「僕は……まあ、同情票を入れた」
「観察ばっかりでつまらないから」
「……まさか皆さんから満場一致で指名されるとは」
Dyleは肩を落として小さくため息を吐いた。
「さて、罰ゲームは――“即興モノマネショー”!」
「……」
Dandyの言葉にピクリと反応する。
Dyleの顔はあからさまに嫌そうだ。
Dyleのモノマネショー
まずは Shellyのモノマネ。
Dyleは高めの声で「チームワークで夢は実現するよっ!」と小さく手を振りながら言った。
Shellyは爆笑して床を転げ回る。
次に Veeのモノマネ。
無表情のまま機械的な声で「質問。この時間は無駄でしょうか?」
「……ワタシ、そんなに意地悪に聞こえる?」
「いつもこうじゃない?毎回僕をベリーボーイと呼んでくるぐらい意地悪だし!!」
「ん?君はベリーでボーイだからそう呼んでるだけさ!!」
最後に Dandyのモノマネ。
Dyleはわざとらしく胸を張って「さあ、みんな! 次はもっとスリルを足そうじゃないか!」と少し大きめに述べる。
その場に沈黙が走ったあと、全員が大爆笑。
「やばい、似すぎてる!」
「あー……完璧にDandyだ……」
「……僕ってこんな感じ?客観的に自分を見たことが無かったから参考になるよ!」
罰ゲームを終えたDyleは深いため息をつき、椅子に座り込む。
「……こちらが観察する側なら大丈夫なのに、観察される側になると苦痛です」
「最高だったよ! またやって!」
「はぁ…笑いすぎてお腹痛い……明日多分筋肉痛になるよこれ」
「中々面白い…とだけ言っておこうか」
「……凄く騒がしかったけど…まあたまにはいいんじゃないかな。」
Pebbleが小さく「ワン!」と鳴き、笑いに包まれたまま、夜は静かに更けていった。