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#からぴち短編集
Taira
88
ゆあ
548
るいね
43
自室にある姿見は、いつからか数秒遅れて動く自分が映るようになった。
最初は気の所為だと思っていた。
でも、姿見に映る自分は日数が経つにつれ、どんどん遅くなっていった。気の所為ではなかった。
しかし、ある日突然映る自分が自分より速く動く
ようになった。
未来の自分を映しているようだった。
いや、実際にはそうだった。
ある夜、夢の中で自分に髪の毛を毟られる夢を見た。
怖くなり飛び起きると、枕元には自分の髪の毛が大量に落ちていた。
「抜け毛」では収まりきらない量だった。
その日を境に、毎回夢の中でもう一人の自分に体を傷つけられる夢を見るようになった。
夢の内容は現実にも反映していた。
髪の毛は抜け落ち、目は悪くなる。爪もボロボロになり、滑舌が悪くなる。
流石におかしいと病院に行き、検査を受けてみた。
だが、医者からは異常なしと告げられるだけだった。
病院から帰ったあと、例の姿見で自分を見てみた。
勿論、ボロボロの体が映っていた。
しかし、自身の目で見ると、髪の毛は元通りになり、視力も戻っていて、爪も滑舌も夢を見る前に戻っているようだった。
遂に姿見を割った。
これで、全て終わるかと思っていた。
でも、鏡を割った瞬間。
身体に稲妻が走ったような痛みを感じた。
頭の中が真っ白になる。
「痛い」
それだけしか考えられなかった。
意識が朦朧としていく。
身体から力が抜け、床に倒れた。
もうすぐ死ぬ。
そう感じた。
これまで一度も感じたことはなかったのに。
生き物というのは、不思議だ。
死を理解するより先に、死を感じ取るのだから。
最後に見た、割れた姿見の欠片。
そこに映る自分は、口元を歪めていた。
まるで、笑っているようだった。
気づかない間に、鏡の中の自分と入れ替わっていた。
コメント
3件
タイトルの「姿見」からして既に不穏やったけど、読んでみたら想像以上にゾッとしたわ…!最初は数秒遅れて動くだけだったのに、どんどんエスカレートして自分を傷つける夢と現実がリンクするところがマジで怖すぎる😭 最後の「鏡の中の自分と入れ替わってた」ってオチ、痺れた…!鏡割った瞬間の痛みの描写も生々しくて、一気に引き込まれたよ。短いのに構成が巧みで、じわじわ来るホラーとして完成度高すぎる‼️ 続きあるなら絶対読みたい…!