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っ……。
痛い……。
どうして、いつもこうなるのかな。
人の気持ちが分かれば、こんなことには……。
「ちょっと!?買い物行ってきてって言ってるでしょう!?」
下から怒鳴る声が聞こえる。
……怒られてる……?お姉、ちゃんが……?
「ごめんなさい。今から行ってくるね」
弱々しい声で返事をする声が聞こえた後、ドアの閉まる音がした。
お母さんが大きめの声でつぶつぶ文句を言っている声が聞こえる。
……お姉ちゃん、なにかあったのかな……。
ドッ、ドッ、ドッ、ドッ……。
階段を登る足音が聞こえる。
きっとお母さんだ、と思い部屋を出る。
「ああ、居たのね。一回家から出てってくれる?」
えっ……?なんで……?
「今は一人で居たい気分なのよ。さっき聞こえてたと思うけど」
お姉ちゃんを叱ってた時?
もしかして、叱るつもりじゃなかったとか……?
「ごめんなさいね。あなたに迷惑をかけたくはなかった」
謝る母の姿を見て、私は無言で家を出た。
一人で居たいなら、部屋に籠もるとかでも良いと思うのに……。
それじゃダメな理由があるのかな?
キランッッ
急に目の前が光り、咄嗟に目を瞑る。
ん…っ、何……?
光が収まったことを確認すると、目を開けて光ったものを確認する。
えっと、光ったのは……これ、かな……?
それを拾い上げてみると、「あめ」とひらがなで書かれた丸上のものだった。
少し大きめだったので、裏になにか書いてるかと思い裏を見ると、予想通りなにかが小さな文字で書いてあった。
『一番最初に拾った人は特別に食べていいよ!!』
……なんだろう、これ……。
これが書いてあるってことは、落とす前提で考えてたってこと?
こんなことが書いてあったって、胡散臭くて皆は捨て直すんじゃないかと思うけど……。
食べよう、かな……?
いや、でも…何が入ってるかも分からないし、第一道端に落ちてるものを勝手に食べちゃ……
あれこれ考えていると、勝手に手が動き出し、あめの袋を開け始めた。
そして、それを口の中に入れようと移動する。一切の抵抗もできずに、食べてしまった。
えっ……勝手に、動いて、食べちゃった……。