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月日が流れ 出産予定日が
近づいていた時
産婦人科で入院がはじまり
ひでは俺に付きっきり。
そんなある日 俺には違和感が。
「んっ,,まただ,,」
「また,,きた?」
「うん,,痛いッ」
5月26日の夜。
本陣痛が始まった。
「さっきよりも,,痛いかも,,」
「助産師さん呼んでみるか,,」
「うん…..」
助産師さんが来て
モニターを確認する。
「もう間隔が短いね,,」
「分娩室に移動しましょうか。」
「はいッ,,」
「ん,,またきたっ,,」
「ゆっくりでいいからな」
分娩室へ向かう途中も
波が来るたびに全身が固まる。
その痛みはどんどん
強くなるばかりだった。
分娩室につき 台に横たわる
そして足を支える器具に足を預けた。
「しゅーとさん」
「次来たら少しいきんでくださいね」
「…….コクッ」
声を出す余裕がなく
小さく頷いた。
「っ,,きた,,!」
「吸って,,吐いて,,いきんで!!」
「う,,あぁぁッ,,!!」
「はぁ,,はぁ,,痛いっ」
「痛いな,,大丈夫,,頑張って。」
ギュッ
ひでが手 握ってくれた
赤ちゃん頑張ってる。
俺も頑張らなきゃ。
「ぁ,,もう頭見えてきてますよ」
「っ,,!!」
もうすぐ 産まれるんだ。
大丈夫 大丈夫だからね
まま頑張るからね。
「はぁ,,んんっ,,!」
「頭出ましたよ〜!」
後ちょっと 後ちょっと。
自分に何度も言い聞かせた。
すると赤ちゃんが
迫ってくる 感覚が強まった。
「はぁぁっ,,!いたい,,」
ギュッ
ひでが今までよりも
強く手を握りしめてくれた。
頑張らなくちゃ。
「あ”ぁぁっ,,んんっ,,!!」
最後の力を振り絞った瞬間
体の力がすっと抜けた
そして 小さな産声が聞こえた。
「ぁ,,ポロッ」
「おめでとうございます!」
「元気な男の子ですよ」
赤ちゃんを胸に置かれた時
涙が溢れ出た。
隣でひでも 泣いてた。
「はぁ,,ひで…….」
「ありがとう,,ありがとう,,ポロポロ」
「泣きすぎだって,,笑」
「だって,,ポロポロ」
5月27日
日付が変わって3時間後
俺たちの子供 「海斗」が産まれた。
ひでは震える手で
海斗の頭を撫でた。
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