青side
ピピピピ、ピピピ。
「へぶっ、……!」
煩わしいアラーム音を無視したままベッドに寝転がっていたら、飼っている猫に腹に乗っかられたあと顔を踏んずけられた。
「んんぅ、おきる、おきるからどいて…」
『みゃう〜ッ!』
「あ、…?どうし、」
「って、うわ!」
目覚まし時計に表示されている時間に驚き、危うくベッドから落ちてしまうところだった。
「な、7時半て…あかん、はよ起きな。」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「うーん、たしか、来てくださいって言われてたの9時やったよな?今は8時前やし…もう出発した方がいいか、?」
先程急いで着替えてすこしクチャッとしているネクタイを解き、結び直す。
椅子にかけていた上着と靴下を履いて玄関に向かう。
「ふふ、いってきまーす…♪」
今までに色々なことを経験してきた社長さんのお話…拝聴できるの、たのしみだなあ、…♪
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
事務所につき、扉の前でじっとしてしまう。
今になって緊張してきた…社長さんのお写真見させていただいたけど、貫禄あっていかつかったし…うわあ、上手く喋られなかったらどうしよ。
『……なにか御用ですか?』
「わあ、ッ!?」
『っ、あ、すみません!そんな所で何を迷っているのかと…』
だれだ、この人…事務所の人かな、ビックリした。
横から急に出てきた男性…まぁ、私が不審者っぽかったのが悪いんだけどさ。にしても派手だな。水色の髪の毛にピアス…役者さん、かな?
「ごめんなさい、わたし……私、こちらの事務所の社長さんに用があって。」
『社長に…?………あぁ!もしかして、作家の猫宮さんですか?』
「へ、?…そ、そうです。」
『なんだ、そうだったのか〜!!社長からお話は聞いております!案内しますね!!!』
「え、ちょ、…!」
半ば強引に手を引っ張られながら建物内に入ってみると、案外広くて…なんか、ホテルみたい。
すこし時間が経ってエレベーターに乗ると、水色髪の人に話しかけられる。
「ええと、僕、稲荷ほとけって言います!一応声優やっててぇ…」
「稲荷ほとけさん…?え、今話題になってる!?」
「知ってくれてるんですか!?わぁ、うれしい…猫宮さんの小説、1度社長に見せて貰ったんですよ。そしたらとても面白くて…自分でも買って見るように。」
「あはは、ありがとうございます。」
この子、よく喋ってよく笑う子だな…可愛い!演技力ももちろんあると思うし、俳優さんにもなれそう…
言い忘れてたけど、ここは声優さんに俳優さん、バンドのメンバーさん達だって所属するほどの、大型事務所。
そんな、凄い人達を束ねるすごい社長。やばい、また緊張してる。
「あっ、着きましたよ!僕は下の階に行かなきゃなので、一旦ここで」
「は、はい!」
「社長室は廊下を真っ直ぐ、奥まで進んで、こちらから見た左手にあります!」
「ありがとうございました!」
「いえ、では!」
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