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初コメ失礼します🙇♂️ 最近、ゴールデンカムイ沼にハマったにわかオタクです。主さんのゴールデンカムイ夢小説を幾つか拝見させて頂きました。主さんの作品に惚れたのでフォローさせて頂いてもよろしいでしょうか?!
「(あらら、no.1ホストみたいになってる…。)」
次の日が誕生日らしい同じゼミの鯉登君。でも当日は休日だからって、同学部の子達や密かに作られたファンクラブの子達が続々と鯉登君に誕生日プレゼントを渡している。
「(ブランド物率高っ!!)」
あんなキラキラした子達(鯉登君も含む)とは縁遠い凡人の私は、その様子をただ傍観するだけ。
「◯◯さん!!」
4限目のゼミの後、皆より先に教室を出た私に鯉登君は声をかけた。
「明日暇かな…??」
「ごめん、バイトなんだ。」
「そっか。あ、次の講義一緒だったよね??」
「そういえば一緒だったね。」
「隣で受けて良いかな??」
「い、良いよ。」
思わず声が裏返った。並んで歩くことすらおこがましいのに一緒に講義を受けるなんて。ファンクラブの子達に見られでもしたら報復されること間違いなし。
「(ぜんっぜん頭に入んなかった…。)」
90分間心拍は爆速で打ち続け、横を向けば貴公子が居て。私は夢でも見ているのか。
「明日のバイト頑張って。」
「うん、ありがとう。またね。」
翌日、バイト先のカラオケ店にて。
「めっちゃ注文入ったね。」
「オープン早々ヤバイね。」
先輩が電話対応している側から復唱されたフードやドリンクを同僚と用意する。
「パーティールームに団体様が入ったみたい。」
先輩も手伝いに加わった。
「失礼しまーす。」
でかめのノックをし、爆音響くパーティールームの部屋を開けた。
「◯◯さん!?」
「ここっ、鯉登君!?」
爆音の中でも彼の声はよく通る。歌ってた人も歌うのを止め、視線が集まる中お酒のグラスを並べ。
「フードもすぐにお持ちします。」
いそいそと部屋を出た。さすが顔が広い鯉登君、大学では見たことない人達だった。
再びお酒やフードを持って行くと。
「なんか1曲歌ってよ。」
いい感じに酔ってる彼の友達に言われた。他の客にもたまに言われるが断ってきた。でも今日は、お誘いを断ったお詫びとして。
「やめろ、困ってるじゃないか。」
「ワンコーラスだけですよ。」
諭す彼を横目に、手早く割り込み送信で曲を入れた。
「trust you…??」
彼も、皆ざわつく。アニメのed曲だから知ってる人はそういない。
「空いてるグラスお下げしまーす。」
何故か拍手を貰ってしまう。とにかく仕事に戻るよう部屋を出ると。
「◯◯さん!!歌、凄く上手だったよ。」
呼び止められて言われたものだから、嬉しさのあまり飛び上がってしまいそうになる。
「ありがとう!!この後も楽しんでね。」
かれこれフリータイムで3時間は居ただろうか。バイト終わりにスマホを見ると、彼から謝罪のメッセージと会いたいという文字が。
「(落ち着け!!そうだ、誕生日プレゼント!!)」
待ち合わせまで長くない、とにかく街へ繰り出した。
「お待たせ。」
「大丈夫、バイト終わりで疲れてるとこごめんな。」
「いいの、気にしないで!!あ、荷物になっちゃうけどこれ、お誕生日おめでとう!!」
「ありがとう!!ブーケだ、貰うのいつぶりかな。」
「真ん中のおっきい花、12月23日の誕生日花だって、カトレアって言うの。」
「初めて知った!!ほんとにありがとう、大事にするよ。今からさ、カラオケの時のお詫びといっちゃあれだけど、何かごちそうさせて??」
「いいよ、悪いよそんな…。」
言葉とは裏腹に体は正直である。
「行こっか??」
「はい…。」
小鉢が魅力的なオシャレな定食屋さんにて。
「ロボットアニメ好きなの??」
「ん゛っ!?」
「ごめん!!食べてる時に!!」
「す、好きだよ。あのシリーズだけね、作画もキャストも好きだから。」
「trust youいい曲だね。あれから全部聴いた。」
「でしょ。」
「ちょっとしたラブソングみたいに聞こえたけど、なんでそれ歌ったの??」
「捉え方の問題じゃない??確かにあのキャラ達が思い人に向けて歌ってると思えばそうかもだけど…!!」
話を急に詰めてきて、変な汗が流れる。
「クリスマス目前で、1人寂しい自分を慰めたくて歌っちゃったかな??」
墓穴掘ったかもしれない。
「◯◯さんって面白いね。」
子どもっぽく笑って、私を見る目は…。
「25日バイト入れてる??」
「入れてないよ…??(なんか急に目に色気が!!)」
「決まりだな。あ、ごはんおかわりする??」
「する…。」
駅の改札にて。
「ごはんごちそうしてくれてありがとう。また月曜日ね。」
「うん、また月曜日。」
緊張がほぐれ、電車から外の景色を眺めながら。
「(そう言えば鯉登君、鹿児島の人だったな。)」
こんな都市伝説が風にのって流れてきたのを思い出した。
「(鯉登君が鹿児島弁で喋る時は、テンションが高い時か、好きな人の前…!!)」
対向を走って行く電車が驚きの声をかき消し、余計な思考を吹き飛ばした。