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13 - 第13話 弱点発見?Dyle攻略大作戦編

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2025年09月23日

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昼下がり。穏やかな空気の中で、ふとした一言が火種になった。

「ねえ……Dyleって、弱点とかないの?」

Dandyの問いかけに、場の視線が一斉にDyleへ注がれる。


「弱点……ですか。思いつきませんね」

Dyleは紅茶を口に含みながら、いつも通りの無表情で答えた。


「そういえば、僕も見たことないかも」Astroが呟く。

「私も!」Shellyが勢いよくうなずく。「いつも落ち着いてて、びくともしないんだもん!」

「ワタシも。まるで鉄壁みたい。」Veeは冷ややかに肩をすくめる。


「じゃあ!」Dandyが笑顔で手を打った。「みんなで探してみよう!Dyleの弱点!」





「ほら、これなんてどう?」

Dandyはポケットからゴム製の偽物の虫を取り出し、Dyleの肩に投げた。


ペタリ。


だが、Dyleは無表情のままそれを指でつまみ、淡々とDandyに投げ返す。

「……落ちていますよ。お気をつけて」


「効かないかー!」Dandyは肩を落とした。







「私に任せて!」

Shellyは廊下の角に隠れ、足音を忍ばせて近づいてくるDyleを待ち伏せした。



だが、次の瞬間。


「わっ!」とShellyが飛び出すより先に、背後から声がした。


「わっ」


「きゃあっ!」振り向くと、そこにはいつの間にか回り込んでいたDyleの姿。


「……先に仕掛けるのも面白いかと」


Shellyは完全に返り討ちにあい、膝から崩れ落ちた。




いくつもの作戦が空振りに終わり、皆は机に突っ伏した。

「ほんとに……弱点ないのかもね」Shellyが嘆息する。

「鉄壁すぎる……」Astroも同調。


その時だった。


椅子に腰掛けたDyleの膝に、Pebbleが飛び乗った。

「ワン!」


Dyleは一瞬キョトンとした顔になる。


Pebbleはちょこんと収まると、短い手足を元気よくバタバタと動かし始める。

「……っ」

すると、珍しくDyleの口元がわずかに揺らいだ。


「おや……?」Astroが目を細める。

「今……ちょっと顔変わらなかった?」Shellyが気付く。

「もしや……」Veeの画面がピカッと光る。


「もしかして……くすぐりに弱い!?」

Dandyが声を上げるや否や、すぐさま行動に移った。


その瞬間、Dandyは迷わずDyleの脇腹に両手を伸ばした。


「ちょ、待っ……!?」

最初の一突きで、Dyleの肩がびくりと跳ねる。


「ふっ……ふふ……っ、や、やめ……」

普段の落ち着きが崩れ、抑えきれない笑いが漏れた。


「やっぱり!大正解だ!」

Dandyは得意げに、さらに指先を素早く動かす。


「ふふっ……あはは……っ!あっ……あはははは!」

ついにDyleは声を上げて笑い出した。紅茶を飲んでいた時の静けさは跡形もない。


「Dyleが笑ってるー!」Shellyが両手を叩く。

「証拠、証拠!」Veeがマイクを構える。


「や、やめてください……!くっ……ふふふ……っ、あはははっ!」

Dyleは必死に身をよじるが、Dandyは執拗に攻め続ける。


「おっと逃がさないぞ~!弱点は突かれるものなんだ!」

「だ、だめ……っ!もう、無理……っ!あははは……っ!」


背を仰け反らせ、必死にDandyの手を掴もうとするが間に合わない。

その勢いで――ガタリッ!


椅子ごと後ろに倒れ、DyleとDandyが床に転がった。


床に転がってもDandyは離れず、今度はわき腹から首筋へと指を這わせる。

「ほらほら、ここも弱いんじゃないの?」


「あ、あははは!や、やめ……っ!ほんとうにっ……!」

Dyleは涙目になりながら床を転げ回る。

普段の彼を知る仲間たちには、それはあまりにも新鮮な光景だった。


Dandyの指先が今度は脇腹から腰、足元へと滑り込む。


「や、やめ……っ!あははははっ!っ!ふふふ……っ!」

Dyleの長い脚がじたばたと床を蹴る。

普段の静けさが信じられないほど、彼は必死に身をよじっていた。


「もう降参って言えばいいのに……」Astroが苦笑する。

「ふふ……これは名場面だな」Veeの声も珍しく弾んでいた。


「降参……っ!降参しますから……っ!あはははっ!」

Dyleがついに根を上げると、Dandyはようやく手を止めた。


最終的に、こちょこちょ攻防戦はDyleの惨敗に終わった。

床に横たわり、肩で息をしながら彼は言った。


「……はぁ……皆さん……最低です」


皆は笑い転げながら、今日一番の収穫を確信していた。


『Dyleはこちょこちょに弱いんだ…!』



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