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間接キスをしてお互い心の中で焦りまくる両片思いのふたりの話。最後に少しだけmdrさんが出てきます。
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放課後に夢追さんと二人残って談笑をする。
今日何した、誰と話した、なんて他愛もない会話を続けていたその時、目の前の相手から爆弾が落とされる。
「ハヤト、これ飲む?」
と。
間接キス…いや、そんな不純な動機で夢追の善意を…と考え断るつもりでいたのに夢追さんの笑顔に後押しされて、ありがとうございます!と暴れまくる心内を悟られないよう出来るだけの笑顔で受け取った。
ずっとバクバク鳴っている心臓を悟られない様に俯いて心を落ち着かせる。
少し落ち着いてから一口飲んで返そうとして彼の方を見ると俯いている。
心配になって
「夢追さん、何かありました?」
と聞くと、夢追さんは
「いや、何でもないよ、大丈夫。」
と軽く笑顔を作って帰ろうとするけどその笑顔は少しぎこちない。
大丈夫、とは言っても少し体調が悪いんじゃないのか?と帰ろうとしている彼の腕を軽く掴む。こちらを振り向いた拍子に失礼します、と額に自分のもう片方の手を翳す。
平熱ではあるようで、笑顔がぎこちなく思えたのも顔が赤く見えたのも勘違いだったんじゃないかと思えてくる。
「っ本当に大丈夫!夢追本当に大丈夫だから!」
大丈夫、と言うけれどやっぱり顔が赤い。熱はないのだから…と考えて熱中症の3文字が頭に浮かぶ。
「急に触れてしまってすみません。顔が赤いので熱があるのかと…」
「…ハヤト、あの……ごめん僕もう帰る!」
ちゃんと水分補給は、と聞こうとしたが半ば強引に教室から出て行かれてしまった。
ああもう、思いついた勢いのままやったけどこうなると思わないじゃん!いや、成功はすると思ってたよ?でもさ?あんな眩しい笑顔でありがとうございます!なんて言って受け取られると思わないじゃん!
間接キス、とか無しで純粋な気持ちで受け取ってもらっちゃった罪悪感とかさっきの笑顔とか色々で思わず俯いてしまう。ちょっと経ってからハヤトの方を見てみてもなんかあいつも俯いてるし。
夢追さん、何かありました?なんて聞かれても、流石に間接キスがどうこうなんて口が裂けても言えない。微妙な居心地の悪い空気が流れる。
とりあえずこの空間から逃げようとして
何でもない、大丈夫とドアに手をかけると後ろから手を掴まれる。なに、と言おうとしてハヤトの方を向く。顔が近い。美形って近くで見ても美形なんだな、顔がいい、と現実逃避をしていると額に手を翳される。
顔が赤いので熱があるのかと、なんて心配してくれるのは嬉しいけども今だけはどっちかというと夢追の心臓の心配をして欲しかった。
いきなり加賀美から放課後の教室に呼び出される。そんなに重要な話なのかと身構えていると、その話は思っていたものとは違う、予想外の話の内容だった。
「〜という事がありまして。夢追さんが熱中症だったんじゃないかと。」
意見を聞きたいんです、仙河緑さん。なんて。
こいつの鈍感さに振り回される夢追が可哀想に思えてくる。
もちろんこんな相談という名の惚気に付き合わされるぼくも。
『お前さぁ…夢追とぼくに可哀想とか思わねぇの?』
「えっと、可哀想…とは?」
『さいて〜』
「あの、緑さん⁉︎」
『んじゃ、ぼくは帰るから。』
後は社とかチャイカに聞いてみたら良いんじゃん?と言って口を開けたまま固まった加賀美を無視してドアを閉め、昇降口へ向かう。
多分あいつに浮かんでた3文字は熱中症の3文字じゃなくて片想いの3文字だよ、なんて。もう聞こえてないか。