皆様どうもこんにちは。私はごく普通の一般女子高校生です。今現在私
丸太に括り付けられています。
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何故こうなったのか、私にも分からない。
気が付けば丸太に括り付けられ、沢山の美人に刃を向けられていたのだ。
ある意味絶景である。なんて事を思っていたらふと誰かが口を開いた。
「お前何処から入った」
声の主の方を見るとそこには真っ白でそれはそれは美しく輝く美人がいた。
(肌綺麗過ぎないか、なんだ何したらあんな綺麗な肌になるんだ)
あまりの美顔に驚きつつもとりあえずこちらも言葉を出してみる。
「知らない。気が付いたらなんかいた」
「あまり時間を無駄にさせるなよ」
真っ白の美人がこちらを睨み付けてくる。
いや本当に何も知らないのだよ美人さん、というのも私は先程まで締切が明日までだと言うレポートを終わらせる為友人宅に行ったその帰り途中だった。
「まさかこのレポートの提出期限が明日までだとは思ってなかったな…とにかく終わってよかった」
そう呟きながら歩いて家に帰っていく。
私がいつも通る道にはあまり大きくはないけど神社がある。
普段は何も用事はないので立ち入らないのだがその日は何か引き寄せられるというか行かなくては的な事を思って行ってみたのだ。我ながら不思議な事を言ってるんだろうけど本当にそういう気がしてしまったのだ。
引き寄せられるように階段を上り、神社の鳥居付近までゆっくり近づいて行く。
(なんだろうこの気になる感じ)
キョロキョロと周りを見渡していると不意に
ガサガサガサッ
「うわっなになになに」
音のした方向へ体をねじ曲げ視線を向けたその先には何か…生き物…?狐…?のようなものがボロボロになって転げてきていた。
少し恐怖を覚えたが心配の方が勝って気が付いたら体を先に動かしていた。
「大丈夫!?!?なんでこんなボロボロになってるの!?!?」
訳も分からないままアワアワと戸惑っていたがとりあえず血を拭こう、止血をしなければと思って持っていたリュックの中身を放り出しながらハンカチとティッシュを引っ張り出す。
止まれ止まれ…と必死で出血している部分を抑え込む
(止血の仕方ってどうだったっけ…とにかく止めなきゃ)
幸い傷もそこまで深くはなかったのか数分でなんとか止血をする事ができた。
良かったと溜息をこぼしていたその時だった
「見つけたぞ!!!!」
まるでアニメに出てくる悪役のお手本のような黒スーツにサングラス、手には縄とか色々
「次はなんだよー!?」
真面目に身の危険を察知して少し痛いだろうけど狐さんをハンカチごとリュックに詰め込んで全力ダッシュ、後ろに黒スーツの人達が並んで走ってくる。
「くっそ!追い付かれる!」
自分なりに全力は出しているのだがまぁ元々私は普段運動をしないから足が遅い。
まぁ結論から言うと追い付かれた。
それからは少し記憶が曖昧だがとにかくこの狐さんを返せということらしい。
「あんたらみたいなヤバそうなのに渡す訳ないでしょ…」
「大人しく渡さないのならお前ごと処分するまでだ」
そう言ってそいつらは銃をこちらに向けてくる。まじ?ここで死ぬのか私
「待って下さい。」
ふと横にいる仲間であろう人が声をかける。
「なんださっさとしろ」
「こいつ審神者になれるだけの霊力があるようです」
そう言って何か懐から計測器のようなものを出してきた
「ふん、なら殺すには惜しいな」
「おい小娘、お前には審神者になれるだけの能力がある。だから連れていかせてもらう」
何を言ってんだこいつらは
そう思ってからは早かった。気がついた時には背後にまわられていてビリッ!!と体に痛みが走った。いきなりスタンガンで落とされるとは思ってなかったよ
とまぁそんなこんなで気絶させられてる間にこいつらの本拠地に連れてかれたのかよく分からないとこに放り投げられて目覚ましたら怪しいからと括り付けられていた。
(いやどういう事だよ、なんでだよ)心の中でツッコミを入れていく
「お前は何者だ。何が目的だ?」
相変わらず真っ白な美人さんが睨みつけてきている。美人の怒り顔は怖いので正直やめてほしい
「ただの女子高校生ですが……あと目的も何も私も誘拐されてきた身でしt…」
「そんな嘘が通用するとでも?」
事実を話しているだけだが!?とキレそうになり我慢しようと眉間に皺を寄せる。
「まぁまぁそこまでにしてあげなよ」
まぁまぁと間に入ってきてくれたのは片目に眼帯をしている人、この人もなかなか顔が良い。目が壊れそうだ。
「君ほんとに何も知らないんだろう?」
「えぇまぁ」
「そっか、ねぇ鶴さん」
鶴さんと呼ばれた真っ白の美人に眼帯をしたイケメンが何やらコソコソと話している
「…だから少しの間くらいは置いてもいいんじゃないかな」
「……正気か?…だがまぁそれなら良いかもな」
なんかよく分からないうちに話が進んでいく
ぼけーっと遠い所を見ていたらやっと話が終わったらしく眼帯をしたイケメンが縄を緩めてくれた
「まだ君の事を信用してはいないけど、君の目を見る限り嘘はついていないのは分かったから一応解放させてもらうよ」
「はぁ…どうも…」
「それでなんだけど、君それなりに霊力はあるよね。」
「霊力?よく分からないけどあるんですかね」
「うん。だから少し君を利用させてほしいんだ」
「なるほど?」
それから色々と説明を受けた。まぁ何やらここの本丸?は現在深刻な霊力不足になっており、本来霊力をこの本丸全体に巡回させる審神者が部屋の中でこのイケメンさん達の仲間と一緒に呪いみたいななんかやべぇ物になってて霊力を与えられるどころじゃないらしい
だから代わりに霊力を与えて助けてほしいと
「という訳なんだけど、協力…してくれるかな」
「いいよ」
「軽いね!?僕から言っといてなんだけどそんなスパッと答えていいものじゃないと思うよ!?」
眼帯をしたイケメンさんが動揺しながらあわあわしている。可愛い。
「まぁ元の場所に戻ってもねぇ色々と大変だしな」
「本当に良いのかい?」
「まず戻れるの?」
そう聞くと気まずそうに下を向いたのでダメなのかと察する
「…あいにくゲートは主が完全に閉じきってるんだ」
「つまり使えないと」
「そういう事…」
どうしたものかと唸っていると眼帯をしたイケメンさんがとりあえず泊まれる部屋に案内するよと言ってきた
それは助かる
「暫くはここに止まってもらうことになるけど大丈夫かな?」
「あーーはい、大丈夫…だと…思います」
そうして連れてこられたのは離れのこじんまりとした屋敷
入らなくても分かる。汚ぇ
周りにある木や庭は何も手入れされておらず綺麗とは言いがたく玄関もなんだかボロボロ…そして埃ッッ!!!
とにかくやばい。
「…ごめんね、普段使わないし手入れもしないからそのままなんだ」
「ははは…大丈夫ですよ…」
こいつは一刻も早く掃除をしてやらねばならない。本能が言っている。
「じゃあ僕は一旦母屋に戻るね」
「分かりました…あぁそうだ」
「どうかした?」
「えっと、お名前は?」
「あぁ、言い忘れていたね」
「僕は、燭台切光忠。青銅の燭台だって切れるんだよ」
やっぱり格好つかないなと困り眉をして笑う彼はそれはそれはイケメンだった。流石イケメン何言っても何しても様になる
「燭台切光忠さん、ですね。よろしくお願いします」
「あぁ、よろしくね」
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