鏡に映る美少女(自分)を見て頭が真っ白になった。
アメリー(絢)「(は、…え、誰? この赤髪美少女。いや、え? 私…? 嘘でしょ、趣味悪い夢だな…)」
とりあえず、もう一回寝てみようとベッドに戻ろうとする。めんどくさいことから逃げたい一心で。
執事「…お嬢様? アメリーお嬢様、どうかされましたか? お顔の色が優れませんが…」
心配そうに声をかけてくる執事。
そんな心配する声も私にとって、とーっても、面倒くさいものだった。
…もう良い。こうなったら、演じてしまえ。面倒くさいが。
アメリー(絢)「… …ごめんなさい、セバスチャン。少し、変な夢を見てたみたい。頭がぼーっとしていて…」
執事「セバスチャン…? いえ、お嬢様、私の名前はアルフレッドでございますが…」
アニメの見過ぎが仇となったか、名前を間違えた。
だが、一つの収穫だ。どうやらこの執事はアルフレッド…と言うらしい。
アメリー(絢)「…ご、ごめんなさい、アルフレッド。本当に寝ぼけているみたいね、私。…朝食はどこでいただくのかしら?」
私はなんとか話を逸らし、その場を切り抜けようと話題を変える。
執事(アルフレッド)は少し不思議そうな顔をしつつも、にこやかに答えた。
アルフレッド「はい、食堂にご用意してあります。さ、こちらへどうぞ。お嬢様。」
アルフレッドに促され、私は「アメリー」としての一歩を踏み出した。
…とりあえず、今はアルフレッドの言う通りにしてアメリーの情報収集だ。
面倒だが、アメリーではないと気付かれると、一応…貴族みたいだ。何をされるか溜まったもんじゃない。
めんどくさいけど…やるしかない…。








