テラーノベル
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「っ、…まっ、!まって。」
唇が触れそうになった瞬間、思わず頬にあるたっくんの手を掴んだ。
俺の声にたっくんの動きが止まって、ゆっくりと顔と手が離れていく。
「……ん、?」
何も言わず、聞かず、優しい顔で俺の顔を覗き込んだ。
その顔に、安心したような、でもドキドキするような、むず痒い気持ちになる。
「いや…っ、えっと、…あのさ…、」
……キス、しようとしとったよね、?
「……試す、って、なんすると、?」
何、聞いてんの俺…
ちゃんとわかっとるのに。
…でも、なんか緊張して、どうしたらいいかわからんくて、時間が、ほしいような気がして。
「……ここで止めといてそれ言うんだ、?」
少し間を置いて、ふふ。と笑いながらたっくんがそう言った。
あ、…馬鹿やと思われとうかも。
違うんよ。俺だって、あの距離の意味くらい、
「………いや、…っ、ごめん、わかっとうよ…、?」
「え…っ、」
「……っ、キス、しようとしたっちゃろ、?」
自分で言って、言葉にした途端急に恥ずかしくなる。
どんどん顔が熱くなって、たっくんを見れない。
やばい、絶対今顔赤い。
かっこわる…!最悪最悪最悪!!
「…リュウキ?笑」
「…いや、だってそんな急にさ…っ、」
「……リュウキ?こっち見て?」
「………/っ、む、無理やって、!!」
また近づいて、顔を覗き込もうとするたっくんに焦って顔を背けると、ごめんごめん。と笑って、また間が少し空いた。
「……リュウキ。」
「…っ、ん…、?」
「……怖い?」
怖くない、と言ったら、嘘になる。
そりゃ、怖い。だって、男とキスするなんて初めてやし、ましてや、メンバーで、しかも、たっくん。
キス、してしまったら、今までの関係が崩れる気がして。
黙っていると、察したのかたっくんが続けた。
「……じゃあさ、」
言いながら、ゴソゴソとポケットからスマホを取り出して、操作し始めるたっくん。
「…え、なんしようと、?」
「……今から、1分だけ、俺の恋人になって。」
「…………えっ、??」
スマホの画面を俺に見せてきて、見るとタイマーが1分セットされていた。
「っ、え、?どういうこと?!」
「タイマーが鳴ったら終わり。1分だけ。…でもそれまでは、俺も恋人として接する。嫌だったら突き飛ばしていいから。リュウキがどう感じるか、試してみてほしい」
「……っ、1分、…?」
「うん。…終わったら、元通りだから。」
たった1分。そう聞くと、軽い気がした。
何か変わるほどの時間じゃない。
でも、それで何かわかるんかな。
いや、お試しって、そんなもんやろ。
俺の心配を見透かしたように、”元通り”という言葉を使うたっくんに、ふいに肩の荷が下りた。
「……わかった、いいよ。」
「ほんとに?わかってる?」
「わかっとうって」
「……キスするよ?いいの?」
「…………1分やろ、?…うん、い、いーよ。」
返事をしたものの、急に緊張が走る。
…でも、1分だけなら。
「……じゃあ、押すね。」
「……っ、…うん、」
たっくんがタイマーの開始ボタンを押した瞬間、スマホを横に置いて俺の肩に手を伸ばした。
思わず、目をぎゅっと瞑ると、肩を掴まれて、ちゅっ、と唇が重なった。
鼓動が早くなって、緊張で身体が固まる。
「……リュウキ、」
いつもより優しく俺の名前を呼ぶたっくんの声が聞こえて、頭を撫でられた。
“俺も恋人として接する”
さっき言っていたたっくんの言葉を思い出して、ドキッとした。
たっくんって、恋人にはこんな感じなんや…っ、
そんな事を思っていると、ちゅっ、ちゅうっ、と何度もキスされて、思わず動揺して、唇が震えて、緩んだ瞬間にたっくんの舌が入ってきてびっくりして肩を掴んだ。
「っ、!/んっ、!」
「っ、りゅうき…、」
「……っ、あ、…、!/」
絡め取られるように、たっくんの舌が口の中を掻き回す。
思わず声が出て、たっくんの服をギュッと掴むと、それに反応したようにグイッと腰を引き寄せられて、より深く舌が絡んでくる。
「っ、ん、ふぁ…っ、はっ、/ ん、んんっ、!」
「……りゅうき、っ、」
声が、出てしまう。恥ずかしい、もう無理、
そう、思うのと同時に、部屋に響く水音と、たっくんが俺を呼ぶ吐息混じりの声にずっとドキドキして、熱い舌が絡んで、身体が熱くて、
どうしよう、やばい、どうしよう……っ、
俺、なんか、……変になりそう…っ、かも、、
「ふっ、ぁ……っ、!たっく…、っ、」
ピピピピピピ!
鳴り響くアラームの音。
その音でハッとして、我に返った。
「っ、!んっ、たっ、!く、?ぁ…っ、!」
鳴り止まないアラーム。
止めるどころか、ぎゅっ、と俺を抱きしめて、唇を貪ってくる。
「んっ、!/んん〜っ、…!/はぁ…っ、!」
深すぎるキスに、息が続かない。
やめる気配がないたっくんに焦って、手探りでたっくんのスマホを探して掴むと、その手を上から握られた。
ピピピピピピ……!
ずっと鳴っているアラーム。
「……んっ、ぁ、たっ、!/あ、ぁっ、…!/」
「…りゅうき、……すきだよ、」
「っ、〜、//」
もう……っ、これ以上は、、
「…/…っ、たっ、くん、!!」
思わず、たっくんの身体を思い切り押して、ソファーから降りた。
「っ……、ごめん俺、もう帰る……っ、」
「…りゅうき、まって。」
頭がふわふわして、気が動転して、恥ずかしくて、たっくんの返事も待たずに荷物を拾うと玄関に急いだ。
ドアを開けるまで、ずっとアラームの音が響いていた。
***
たっくんの家を出て、何も考えられないまま暫く歩き続けた。
たったの、1分。
それだけだったのに。
たっくんが優しく俺を呼んで、身体に触れて、
あんなに熱く、キスされて。
いきなり、あんなキスしてくるなんて。
完全に予想外だったけど、
嫌じゃ、なかった。
いや、むしろ、
俺、……めっちゃ感じとったやん……?
まってまって、
恥ずかしい恥ずかしくてしぬ
どうしようどうしよう
嘘やろめっちゃ変な声出ちゃったし
てかあんな気持ちいいとか
まじでおかしいけん…っ、
あんなんたっくんに聞かれて、
明日からどんな顔すればいいと?
ああ、やばい。
どうしよう。
たっくんの事を、初めて性的に感じてしまった。
その事に混乱して、動揺して、たっくんの言葉も聞かずに、家を出てきてしまった。
……たっくんは、どう思ったんやろ。
いきなり帰って、怒っとる、かも。
でも、約束守らん方が悪いけん。
ああ、明日から、
ちゃんと見れるかな、たっくんのこと。
***
(TAKUTO視点)
「………あぁ………終わったかも……」
アラームを止めて、ソファーに項垂れて1人嘆いた。
1分だけ、なんてカッコつけといて、いざリュウキにキスをしたら止められなくなるなんて。
……いや、嘘つけよ俺。
正直止めるつもりなんて無かった。最初から。
それを口実にしたら、素直なリュウキは受け入れてくれる気がした。
少しでも、恋に傾いてくれたら。
柄にもなく、内心は必死だった。
6個も下の男に、こんなに必死になるなんて。
“ごめん、わかっとうよ?”
“キスしようとしたっちゃろ?”
真っ赤になって、そんな確認しやがって。
「っ……あ〜〜……可愛い。可愛すぎんだろ……っ、」
1人になった部屋で、ソファーに頭を埋めながら思い出して悶える。
“1分だけ、俺の恋人になって。”
……1分だけなんて、満足できるわけないだろ。
自分の言葉に、自分がどのくらいリュウキの事を好きなのかを思い知らされる。
キスをした感触。
初めて聞いた、リュウキの甘い声。
普段触れた時とは違う、熱を帯びた体温。
もっと、欲しい。
リュウキが欲しい。
……でも。
“嫌だったら突き飛ばしていいから”
確かに、そう言ったはず。
俺を押して、顔も見ずに出て行ったリュウキ。
好きでもない奴に、あんなに激しくキスされて。しかも約束まで破られて。
そりゃ、逃げるよな……
胸の中が、ザワザワ音を立てる。
恋に、傾くどころか。
「…………もう、ダメかもな、」
ふと、口から漏れた自分の言葉が、自分を苦しめた。
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コメント
7件
かわいいかわいいかわいい❕❕たっくん頭抱える気持ちめっちゃ分かるリュウキ可愛いもんな👊🏻💞 あ〜これはリュウキ嫌だったら押しのけてっての絶対忘れてるな〜これから盛大にすれ違っていくな〜(すれ違い大好き人間なのでもっとやれって気持ちです) たっくん1分きっかりで止めるかと思ってたけど、止まらなくて続けるのもいいなって思いました🙋🏻♀️好きすぎて好きすぎて余裕のなくなるウォトコ大好きです!
まじでエグすぎなんですけど⁉️たくと視点がバリ好き❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤りゅうき視点の時もばっかかわいい❤まじで口角下がらん