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「ウソ、ヤバっ……」
あたしは慌ててマスクを直しながら振り返った。
階段を下りてきたのはイタリア人(多分)の男の人だった。朱虎よりもう一回り縦にも横にも大きい。船内にたくさんいる黒スーツと違って派手なシャツを着崩したラフな格好で、逆立てた金髪がまるでタテガミみたいだった。
鋭い目つきで周囲を威圧する雰囲気は、明らかにマフィアだ。しかも、多分わりと偉い人っぽい。
金髪マフィアは咥え煙草のまま、廊下の真ん中をずんずんと歩いてきた。ミカが慌ててカートを壁際に引き寄せて道を空ける。あたしも壁際に寄ると、視線を合わせないように軽くうつむいた。
こういう人たちにとって清掃員なんて置物か背景と同じだ。とにかく無難にやり過ごそう。
ひたすらじゅうたんを見つめる視界を靴のつま先がよぎった時、不意に隣でミカが飛び上がった。
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