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コメント
1件
最近ポケツイ始めたんですよねー
ブルロコラボがぁ〜5本と双葉と怪物クンとめんどくさがり屋と御曹司がいらっしゃいます。
最初だけテキトーとかいったけど、本編もテキトーなの許してください。
冴からの手紙…それは。
『負けねぇ。』
ただその一言だった。
昔は、悔しさや負けん気を表に出すことなんてしなかった幼馴染。
アイスのアタリ棒一本だって「無駄な運使ったな」って言って、強がりで誤魔化していたあいつ。
そんな冴が、今は素直に『負けねぇ』なんて書いてくる。
自然と笑みが溢れてしまった。
俺も冴へメールを打つ。
『俺の強い憧れだった、冴には負けない。』
ただその一文を。
空港に着けば、出口には熱狂する人々の姿。
国中が二人のスーパースターの帰りを待ち望んでいた。
少し覗くと、わっと歓声が広がる。
「潔世一選手だ!ミヒャエル・カイザー選手も!」
そんな声があちこちから飛んでくる。
「2人とも」
懐かしい声に顔を上げると――ノアが立っていた。
「ノア!お久しぶりです!」
「クソマスター……」
ほんの1週間離れていただけなのに、胸に熱いものが込み上げる。
ドイツに戻ってからの日々は、休む暇もなく試合が続いた。
バスタード・ミュンヘンの本拠地、満員のスタジアム。
相手は強豪・ライプツィヒ。守備の切り替えが早く、個の強さも際立つ難敵だった。
前半25分。右サイドから中央へ走り込み、味方のクロスに飛び込む。
だが、相手CBが身体を寄せてきて、弾かれる。
チャンスを潰された……でも、俺の匂いは消えてない。
すぐに切り替え、相手ディフェンスの裏を読む。
プレスに出た瞬間、生まれたわずかな隙間――
「今…」
ミッドフィルダーからのロングパスをギリギリで受け、スプリント。
キーパーと1対1の局面。
だが、追いついてきた相手DFが足を伸ばしてくる。
咄嗟に逆足のアウトサイドで弾き飛ばす。
キーパーの逆を突いたボールがネットに突き刺さった。
スタジアムが揺れるほどの大歓声。
実況の声が響き渡る。
「なんというゴールだ!潔世一ッ!!」
胸の奥には熱が渦巻いていた。
だが、歓喜の中でも俺の目は冷静に前だけを見据えていた。
To be continued
世一の、憧れ……? 俺が?
震える指でスマホを開くと、スペイン語の件名がずらりと並ぶ中に、一つだけ日本語が混ざっていた。
『俺の強い憧れだった、冴には負けない。』
……思わず笑みがこぼれる。
俺の愛しい幼馴染が、ずっと俺を慕っていてくれたなんて。
まさか昔から――
「……ったく、生意気」
笑いを含めた声で小さく呟いて、空港のラウンジを出る。
出口には、チームメイトのルナが待っていた。
「おかえり、冴!すごかったねぇ…見てたよ、配信」
「……あっそ。興味ねぇ」
ニコニコと気味悪い笑みを浮かべながら近寄ってくる。
誰だよ、コイツを“貴公子”なんて呼んでる奴……ただの腹黒だろ。
「ところでさぁ……ドイツのあの日本人の子、知ってる?」
「あ?」
ルナの言葉に、思わず足が止まる。
――世一の名前が出る予感に、胸の奥がざわついた。