テラーノベル
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「……右京、大丈夫か?」
龍水の問いかけに、右京はこくりと頷く。
額には汗。目元は少し赤くなっていた。
「……うん。痛いのは……ちょっとだけになったかも。……平気、だよ」
「……なら、もう少しだけ、動くぞ。……ちゃんと、教えてくれ」
「……うん」
ゆっくりと。
けれど確かに、龍水の腰が動くたび――右京の身体の奥が、ぴくんと反応する。
「……っ、ん……く、ぅ……」
「痛むか?」
「ちが……う、あれ……? なんか、今の……ちょっと……変な感じ」
自分の口から出た言葉に、右京が戸惑ったように目を伏せる。
「……変なって……」
「わかんない、でも……さっきよりも、変なとこ……あっ……ふ、ぁ……!」
龍水の手が右京の腰をそっと支えながら、慎重に角度を変える。
その瞬間――
「……あ……っ、ん、や……ぁ、いまの、なに……っ?」
「ここ、か……? じゃあ、こうしたら……」
もう一度、同じところを押し上げられると、
右京の目が大きく見開かれて――ぽろりと、一粒、涙がこぼれ落ちた。
「……え、うそ……なんで……」
「右京……?」
「や、ちが、これ……勝手に……っ、なんで涙、出て……」
頬を伝う水の理由が、自分でもわからない。
でも、胸の奥がぎゅうっと締め付けられるようで、
そのくせ、身体は熱くて、奥の方がジンジンして――
「……こわくないのに……痛くないのに……気持ちいいのに……」
「……それは、全部初めてだからだ。俺が、ちゃんと教えてやろう」
龍水が、涙を拭うようにそっとキスをする。
そして、今度は少しだけ深く、じっくりと右京を揺らしていく。
「……ひっ……んんっ、ぁ、や……っ、やだ、また……涙……っ」
「泣いていい。泣いても、気持ちよくなるなら、全部受け止めてやる」
その言葉に、右京はぎゅっと龍水の腕を掴んで、喉の奥で震えるように声を漏らした。
「……すき……好き、だよ、龍水……っ」
愛してる、だけじゃ足りないほど、心も身体も満たされて。
右京は泣きながら、何度もその名を呼んだ――。
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