テラーノベル
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あれから数ヶ月が経った。
恋人ではないけれど、かと言って親友とか友達なんかでは表せないような関係を続けていた。
今日は、ターボーと会う約束がある。
もちろん俺から誘った。
前にターボーとステーキを食べに行った店に、もう一度食事に行く予定だ。あの時は事件のこととか絶交した気まずさでいっぱいいっぱいで、あまり味わえなかったから。なにより、ターボーと二人の時間をもっと過ごしたいから。
「よ、待った?」
先に席について待っていると、ターボーは片手をあげたままそう声をかけてきた。そして、向かいの席に座る。
「俺も今来たばっかり」
嘘だ。全然10分くらい待っている。
「や…わりいって、仕事ぜんぜん抜けさせてくれねえの」
そんな俺の嘘もお見通しなのか、バツが悪そうに両手を合わせて謝ってきた。
「いいっていいって」
気にしなくていいから一旦料理を頼もう、とターボーを宥めつつメニュー表を渡す。
「んー、キング何頼む?」
「俺は前とおなじステーキにしようかな」
「え?別の食べたくなんねえの?」
「前あんま…まあ、よく食べられなかったし」
それが何を意味するのかを察したのか、それ以上は特に何も聞いてこなかった。
「ターボーは何頼むんだ?」
「秘密」
「はあ?」
とかグダグダ話しながら注文を済ませた。
料理を待つ間も、他愛もない話に花を咲かせる。
「御料理お待ち致しました」
「ありがとうございます」
そろそろお腹が空いたな…というタイミングぴったりに料理を運んできてくれた天才的な店員に感謝を伝え、皿を受け取る。
ではごゆっくり、とその場を離れる店員に軽く会釈してからターボーの方へ向き直る。
「んで?結局何頼んだんだよ」
「じゃーん!」
「なにそれ」
「え?アボカドハンバーグ」
「いや、なにそれ」
はあ!?知らねえの!?とか明らかにオーバーなリアクションで驚きまくっている変な人が目の前に居るが知らないもんは知らない。
ネットで検索を掛けてみれば普通に存在するメニューだったらしい。
「食ってみるか?」
ハンバーグを一欠片口元に近づけられたが、断っておいた。
例えそれが割とメジャーなメニューだとしても食べたくはならない。
アボカドハンバーグとやらは一旦置いといて。
自分もステーキを口に運んでゆっくりと咀嚼する。…とてつもなく美味い。
これをゆっくり味わえなかったの相当損してたな、頼んで正解だったと心底思った。
よく噛んだそれを嚥下すれば、お腹だけではなく、暖かい気持ちで満たされた気がした。
「っふは!ほんと幸せそうに食うよな」
「は?」
いや、そうは思えないけど…
だって、別にそこまで表情豊かなタイプではないし。
「俺以外気づくか知らないけどさ」
「俺自身も分かってねえよ」
「あー、つまり俺は天才でエスパーってこと…? 」
とか馬鹿げたことを抜かすターボーに一発デコピンを喰らわせて、食事を再開する。
最初は 痛え!とかキャンキャン吠えてたけど、諦めたのかターボーも食事に戻っていた。
「あー、美味かった」
「また来たいな…」
ぽつりと独りごちた言葉をターボーに拾われる。
「誰と?」
「言う必要あるか?」
「ある、大あり」
「ターボーと」
「だよな」
分かってるなら聞いてくるなよ…
なら、こっちもギャフンと言わせてやろう。
「ターボー?」
「ん?」
「好き」
「…え」
「どうかしたか?笑」
ほんとお前ってさ…とかなんとか言われながら会計を済ませ外に出る。財布を出そうとすれば、片手で制されて思わずキュンとした。払わせるのは申し訳ないし今度どこかでお返ししよう。
「なーんか、ターボーと居たら安心するんだよな」
「……そりゃ、そうなるようにしてんだから当然だろ」
「え?なんか言ったか?」
「なーんも、そりゃ良かったってだけ」
「そうか」
ターボーの隣は本当に落ち着くし楽だった。
安心感があったし、出来ることならもっと二人でいたいくらい。
「そういや、週末久しぶりに家族で出かけるんだ」
別になにも考えずにそう口にする。
なんで今それを言ったんだろうか?と、後から考えればそう思った。
ターボーは、俺の言葉を聞いても特に何も反応せず
「へえ」
とだけ返す。
興味が0なわけでは無いのだろうが…なんていうか、聞き流すのがうまいというか。
少しの沈黙が落ちた。
それを破ったのはターボーだった。
「ちゃんとしてんな」
否定…ではない。褒められてもいない気がしたけど。
ちゃんと?何が?
「そうか?」
聞き返せば、少し考える素振りをしてからこう続けられた。
「うん。でも、俺はそういうの全部向いてない」
一瞬、ほんとに一瞬だけ。
胸の奥でなにかが引っかかった。
___”そういうの”って、なんだ。
家庭のこと?
家庭を持つ、俺と関わること?
どっちにしろ、俺のこの先進む未来にこいつが居ないということをなんとなく察してしまった。
聞き返そうとした、その前に、ターボーはもう歩き出していた。
「腹減ったな。なんか食いに行く?」
いつも通りの声。…いやさっき食べただろ。
軽くて、楽しそうで、何もなかったみたいに。
俺は結局、何も言えなかった。
向いてない、の意味を確かめる勇気がなかった。俺に何を求めているのか、どんな意味でそれを言ったのか。知ることはできなかった。
——それでも。
少し前を歩く背中が、やけに別の世界を生きる人間かのように感じた。
…何が嫌?家庭の何が?
でも、俺といる時はすごく楽しそうで、出かける時もニコニコとはしゃいでいた。
_お前が俺といるなら、俺の家庭も付き纏うから。捨てきれないから。
なら。俺は…どうすればいい?
その問いかけに答えてくれる人は居なかった。
ただひとつ分かることは
もう酒のせいには出来ないな、ってこと。
俺が好きなのはターボー自身だから。
____________________
読んでいただきありがとうございます!つω<
今回はキングに呪いを与えました⬅️
今後が楽しみですー!🧠♥
もう既にお終いまでの流れとか番外編とかIF世界も考えてるのでお楽しみに>ω<
しばらく🔞は無い…気もする…が、その分凄いの書けるように頑張りますꌩ ̫ ꌩ
⬆️でも!!恐らく私が耐えきれずに定期的に🔞ぶち込みます
次回 ♡2500
コメント
13件
アボカドハンバーグまじであるの笑ったw
ねぇもう最高過ぎる🥹🥹💞💞💞 キングがついにターボーを好きなの認めたの最高😖💞💞 本編にそって書いてるストーリーで天才過ぎる🥹🥹💞💞💞
前回に続きまたコメント失礼します- ̫ -ほんとに通知来た瞬間飛んでます🥲🥲もっともっと書いてください!!!待ってます笑🩷🩷